最先端技術の“日本代表”が結集!
感動が桁違いの8KVRを5Gサービスで実現

 高い経済成長率と人口増加率を誇り、日本の中でも突出したエネルギーを持つ沖縄県。NTTドコモでは沖縄振興に力を入れ、5G、IoT、AIなどの最新技術を積極的に導入していく構えだ。2017年11月には国際的な空手大会でVR映像を用いた空手の体験ブースを設置。質の高いコンテンツは会場の観客・選手から絶賛された。沖縄の今後の発展にNTTドコモはどのような姿勢で寄与していくのか??キーパーソンのインタビュー、そして現地でのVRの取り組みから見えてきた秘めたる沖縄のパワーを見ていこう。
 高い経済成長率と人口増加率を誇り、日本の中でも突出したエネルギーを持つ沖縄県。NTTドコモでは沖縄振興に力を入れ、5G、IoT、AIなどの最新技術を積極的に導入していく構えだ。2017年11月には国際的な空手大会でVR映像を用いた空手の体験ブースを設置。質の高いコンテンツは会場の観客・選手から絶賛された。沖縄の今後の発展にNTTドコモはどのような姿勢で寄与していくのか――キーパーソンのインタビュー、そして現地でのVRの取り組みから見えてきた秘めたる沖縄のパワーを見ていこう。

成長の伸びしろを肌で感じる

 沖縄県の元気が止まらない。内閣府経済社会総合研究所が発表した「平成26年度県民経済計算について」によれば、沖縄県の経済成長率は名目3.5%、実質1.5%と、それぞれ6年連続のプラス成長を記録。東京都、大阪府、愛知県、神奈川県などの主要経済拠点をしのぐ伸長を見せた。

 日本全体が人口減少にあえぐ中で人口も増加。2015年の国勢調査では5年前の前回調査から2.9%増加し、東京都を抜いて全国1位の増加率となった。これは人口集中地域に見られる各地からの移動を伴う社会動態による増加ではなく、出生率全国1位に裏付けられた自然動態の人口増を反映したものであり、純粋にその土地で人が増えていることを意味する。

 NTTドコモでは沖縄のポテンシャルに着目し、ICTや最新技術を生かした沖縄振興を進めていく。取り組みの全容と目指すゴールについて、NTTドコモ 取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の古川浩司氏に話を聞いた。

——NTTドコモとして、沖縄県をどのように盛り上げていくのか。

古川氏 沖縄県には本土には見られない特性があり、我々はそこに注目している。まず沖縄が“東アジアのハブ”だということ。東京をはじめ、中国、香港、台湾、韓国などの主要都市に4時間以内で飛べることから、どこに行くにも恵まれている。インバウンド需要のインパクトは本土以上と推測される。事実、インバウンドの割合は、東京に次いで沖縄や北海道と言われている。

 また少子高齢化と言われているが、出生率が際立って高いことに加え、人口が減少していない。これを考えても将来的な発展性は本土には比較にならないほどの成長の伸びしろがあるのではないか。私自身、赴くたびに沖縄の姿が変わっていることを実感している。

 しかし、現時点の開発はビルや公共施設などの箱モノが中心だ。そろそろ箱モノからソフト、すなわちITの世界にシフトしてくると見ている。そのタイミングに合わせた沖縄への取り組みの強化として、さまざまな最先端技術の提案をしていく。

NTTドコモ 取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の古川浩司氏。古川氏は東北復興新生支援室長と沖縄振興推進室長も務める

——具体的にはどんな技術を考えているのか。

古川氏 5G、IoT、AI、VRなどになる。沖縄を舞台にしてこれら最新技術の実証実験を行い、そこで得たアイデアを逆に本土に持ち込もうと考えている。

 取り組むにあたり、私は2桁を超える自治体の首長にお会いした。皆さん、軒並みICTや最先端技術に対する関心度が高いのが印象的だった。教育現場でタブレット端末を導入したいなどの意見もあった。県民性として“進取の気性”が極めて強いように感じる。

 例えば5Gを利用すれば、有名な観光スポットである美ら海水族館の映像を4K/8K映像で世界に向けて配信できるようになる。あるいは自分たちの地元の祭りを、沖縄県人が集まる場所に向けてリアルタイムで中継することも可能だ。

 本土から沖縄にはすぐには帰れないが、こうしたソリューションがあれば人びとの絆の再確認のためにテクノロジーを利用できる。祭りの中継は、福岡・博多山笠のVR中継で手応えを得ている。これは5Gの高速、大容量、低遅延、多接続といった特性を効果的に生かせる一例だ。

 また、沖縄県は渋滞も多い。観光客がレンタカーを借りて移動することも大きな要因だが、基本的には平坦な場所。なのでNTTドコモが手がけているバイクシェアも、アピール次第では非常にやりやすいだろう。

——今回、世界空手連盟が主催した「空手1シリーズA 2017 沖縄大会」に特別協賛し、会場ではVRコンテンツの体験ブースを設けた。

古川氏 もともと法人ビジネス本部で世界空手連盟と縁があり、沖縄発祥である空手をもっと外部にアピールしたいとの思いを受けて実現した。加えてスポーツ振興の意味からも微力ながら支援できればと考えていた。

空手1 シリーズA 2017 沖縄大会でのVRコンテンツ体験ブース

 空手は2020年の東京オリンピックに正式採用され、今後も盛り上がることが期待されるスポーツの1つ。立体的なVRコンテンツは臨場感やリアリティを楽しめる。2020年の東京オリンピックではぜひ世界の皆さんに、より進化したITの世界を体験してもらいたい。

——では2020年に向け、法人ビジネス本部として目指すゴールは。

古川氏 これまでの法人営業で得られた知見やネットワークを大いに活用し、課題解決型のモデルを拡大していきたい。技術が進化し、モバイルや通信で貢献できることが増えてきた。その軸を成すのが5G、VR、IoT、AR、AI、ドローンなどになる。

 気をつけるべきは、NTTドコモだけでやりきらないこと。以前は一気通貫で提供するモデルだったが、今はNTTドコモの豊富なビジネスアセットと尖ったパートナーのスピード感を組み合わせ、時代に即したニーズを提供できるようになってきた。世の中には数多くの尖ったパートナーがたくさんいることを十分に認識している。ぜひ我々と一緒に新たな価値創造に取り組んでほしい。

NTTドコモ 第一法人営業部 第二営業 第一担当 佐藤一正氏

 続いて、空手大会のVRコンテンツに携わったNTTドコモ 第一法人営業部 第二営業 第一担当 佐藤一正氏が今回の取り組みを振り返ってくれた。

——VRコンテンツはNTTドコモ側から提案したと聞いた。アイデアの元があったのか。

佐藤氏 過去、フェンシングにVRを当てはめたソリューションがあった。それがまさに合致するのではないかと提案したところ、ぴたりとハマった。

 だが、そのまま方法論をスライドしたわけではない。フェンシングは選手の動きをトレースすれば良かったが、今回の目的は「空手を正しく知ってもらうこと」が最大の目標。コンテンツは形(かた)と組手(くみて)を用意し、この2つの五輪種目をいかに正しく、魅力的に伝えるかに注力した。なので空手と聞いて連想する格闘技のイメージではなく、ヨガに近い華麗なイメージを想定して作り込んだ。

——コンテンツの内容は。

佐藤氏 映像は48台のカメラを使い、女性のトップ選手2名を360度で撮影した。そのため、視聴者が演者の周りをぐるっと囲んで楽しめる仕組みになっている。さらなる臨場感を出すため、音声にも気を配った。形では掛け声、技を繰り出したときの衣擦れの音、突きを繰り出したときの音をかなり注意して録っている。

 本来、形は何分もかけて披露する演武だが、VRの特性上、ずっと見ていると疲れてしまう。なので30秒から1分程度で収めてもらうように編集した。なおかつ何をやっているのかを素人が見てもわかるように、コンパクトでわかりやすい説明を入れた。選手および世界空手連盟には多大な協力をしていただいて感謝している。

——法人営業部として、今回のトライで見えてきたVRビジネスの可能性とは。

佐藤氏 当初は空手のVRが面白いのかとの不安もあった。しかし会場の反応を見て、どういったVRコンテンツが面白いのかが見えてきた。やり方さえ間違わなければコンテンツとして販売できる――そうした手応えがあったのも事実だ。

 次の段階では販売プラットフォームの構築と、継続的に一定数の利用をしてもらい、収入を得る手段を考えていかなくてはならない。今はイベントで限定的に使われるケースが多いが、例えば教育なりエンターテイントなり、日常的なユースケースの可能性をお客様やパートナー企業とともに探っていきたい。

——今後、どのように新しい技術を取り込んでいきたいか。

佐藤氏 今回はたまたまVRだったが、IoTやAI、ドローンなどもある。我々にすれば、新しい技術を持つ企業と知り合えること自体にワクワクする。そんな魅力的なパートナー企業と組んで、お客様に向けてさらに一歩進んだアイデアを提供していきたい。

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