連連載レビュー Ruby biz Grand prix 2016 Vol.2  「Ruby biz Grand prix 2016」大賞はクラウド請求管理サービスMisocaとオンライン求貨求車サービスのハコベル

2016年12月15日に東京帝国ホテルにて授賞式が開催された「Ruby biz Grand prix 2016」。第2回となる本アワードは、ビジネス領域に特化し、優れたRuby活用事例を表彰するもの。今回、栄えある大賞に選定されたのは、Misocaとラクスルである。Misocaが受賞したサービスは、同名のクラウド請求管理サービス。一方のラクスルは、オンライン求貨求車サービスのハコベルである。この2社に、各サービスの概要や特長、開発言語としてRubyを選んだ理由などを聞いた。

請求書の作成から郵送回収保証まで提供

Misocaは、見積書から納品書や請求書を作成したり、請求書を自動作成できるクラウドサービスである。フリーランスにとって各種伝票の発行・送付は結構負担。とはいえ、収入を得るには絶対に欠かせない業務なので、どんなに忙しくてもやらないわけにはいかない。

株式会社Misoca
執行役員
奥村健太氏

Misocaは、そんなフリーランスやSOHOが、簡単に伝票の作成や管理などを任せられるWebアプリケーションだ。基本サービスは無料で、各種伝票にはテンプレートも用意されている。フリーになったばかりで請求書の書き方もわからないという人でも、取引先や件名、金額などを入力するだけで簡単に作成できる。

請求書の発行やオンライン送信をするサービスなら他にもあるが、Misocaがそれらと一線を画すのは、1通から郵送対応(有料)までしてくれるところ。伝票をオンラインで送信できれば手軽だが、取引先があることなので、そのやり方を一方的に変えることはできない。社会的にペーパーレスが推奨されているとはいえ、まだまだお金に関わる業務では原本が主流。その点、Misocaなら作成した請求書を郵送してもらえるので、取引先の業務を変えることなく効率化が可能となる。

さらに、売掛金の回収保証サービスも提供。フリーランスには難しい取引先の与信審査などをしなくても、少額の料金で万一の取引先の倒産にも備えることができる。執行役員 奥村健太氏は、「将来的には、請求したら即入金されるようなサービスを目指しています」と語っている。

郵送までやってくれるユニークなサービス。企業間取引のプラットフォームを目指すという志は高く、将来の可能性を含めて評価した。

将来的に企業間取引のプラットフォームを目指す

株式会社Misoca
代表取締役
豊吉隆一郎氏

そもそもMisocaの創業は、豊吉氏が共同創業者の松本哲氏と『たのしいRuby』の読書会を開催したことに端を発する。名古屋での地域Ruby会議を2度開催し、2011年からRuby Kaigiの請求書スポンサーになるなど、Rubyコミュニティにも積極的に貢献。社員も8割がRubyエンジニアであり、開発者が直接ユーザーに会って、求める機能を確認している。だからこそ、フリーランスのニーズに応えるサービスを充実させることができるのだ。

同社は、将来的に企業間取引のプラットフォームを目指しており、その実現のために経営基盤を強固なものにしようと、2016年2月弥生株式会社の子会社となった。Misocaという名前は、月末の晦日から来ており、月末の業務を楽にしたいという思いでつけられている。「実は弥生も同じで、決算期が多い3月が社名の由来だそうです。2014年に弥生と業務提携をする際、同じ思いだとわかり、先方にインパクトを与えたようでした。」(豊吉氏)

同社は働き方もユニークだ。本社は名古屋で松江にもオフィスがある。2016年松江在住のエンジニアを採用した縁で、全員で“Rubyの聖地”松江を訪問。「ここに拠点を作ったらおもしろいことになる」(奥村氏)と松江オフィスをオープンした。また、基本的に残業がない。豊吉氏は、「経営もプログラミングに近いと思っていて、動き続けないと意味がありません。だから効率よく働き、私はいつも18時ごろには帰ります。今はそれが完全に定着して、私や役員が残っていても、みんな気にせず帰っています」と笑う。

最後に豊吉氏は、来年以降応募を考えている企業に対し、「今回応募するにあたって、自分たちの歴史を振り返ることができました。足元を見つめるいいきっかけにもなります。Rubyを使っているならぜひチャレンジしてほしいですね」と語った。

株式会社Misocaの詳細はこちら

▲ページの先頭へ

  • INDEX
  • 請求書の作成から郵送回収保証まで提供
  • 将来的に企業間取引のプラットフォームを目指す
  • 荷主と運送業者をマッチングし安価で迅速な運送を実現
  • リリース1カ月前に言語を変更この速さはRubyだからこそ
  • LINK
  • Vol.1
  • Vol.2
  • Vol.2
  • Ruby Biz Grand prix 2016