ITモダナイゼーションSummit 2017 レビュー

どうするVB資産?オープンレガシー見直しにもモダナイゼーションという選択肢

リライト型のモダナイゼーションを牽引するシステムズ。今回、COBOLをテーマとした講演者が多い中、あえてVBを選んだのは「その相談が激増しているから」という。あまり知られていないがVB資産は今、危機に瀕している。

VBが使えるOSのサポート終了という落とし穴

株式会社システムズ
マイグレーション事業本部
企画推進部 部長
中本 周志

1969年創業のシステムズは1995年頃から、COBOLで開発されたIBMのAS/400上のシステムを、LinuxやWindows上への移行を請け負ってきた。そこに2000年頃から、ハードの老朽化やOSのサポート終了に伴い、Windows上のレガシーシステムをどう使い続けるか、使い続けていけるのかに関心を持つ人が増えてきたと、同社の中本周志氏はいう。

確かに2000年以降、OSのサポート終了は一般紙でも大きく報じられてきた。新しいところでは、2017年4月11日にWindows Vistaの、2014年にはWindows XPの延長サポートが終了している。サーバーOSでは、2015年7月15日にWindows Server 2003/2003R2の延長サポートが終了した。現在はサポートされているOSも、時期が来ればサポートは終了し、セキュリティパッチの配布が終わり、セキュリティリスクが高くなるのはよく知られている通りだ。だから多くの企業では、OSとアプリケーションなど関連製品の移行を余儀なくされる。

その陰で、9年間続いたVBのサポートが、2008年4月8日のVB6.0のサポート終了をもって完全に終わったからだ。この事実が「厄介」だと中本氏。というのも、企業内にはVB6.0で作られたシステムが多く存在するため、それを使い続けようとすると、新しいOSの導入ができないからだ。VB6.0の開発環境は、Windows XP/Vista、Windows Server 2003/2008で動作するが、このうち、サポートが現在も続いているのは2008のみ。ただし、64bit環境での開発環境の実行はサポートされない。そのサポートも2020年には終了する。実行環境については、マイクロソフトがWindows Vista/7/8、Windows Server 2008/2012での、VB6ランタイムの動作サポートを表明している。最新のWindows 10でのアプリケーション動作に関しても、サポートの継続がマイクロソフト公式ブログにて言及されているが、いずれにしてもサードパーティ製品のライブラリの動作はサポートされておらず、旧来のVBアプリ資産の稼働環境は厳しい状況に追い込まれてきている。

なお、VB6.0の後継としては2002年に、Visual Basic .NETが発売されているが「これにはVB6.0との互換性がほとんどありません」と中本氏は指摘する。

こういった事態に直面したユーザーは、なんとかして最新のOS上でも、VBで開発されたサービスという資産を使い続けようと考える。

「VB資産の移行では、いくつかのアプローチが検討されます」と中本氏。「たとえば、同じ機能を持つシステムをスクラッチ開発する、OSを仮想化するなどです。マイクロソフトが提供する『Visual Basic アップグレードウィザード』を使い、.NETに移行することもできます」

「VB6.0」から「.NET」へのアップグレード 概要と注意点

ウィザード頼みでは膨大な手作業が発生

では、実際にVisual Basic アップグレードウィザードを使ったらどうなるか、中本氏はデモを行った。Visual Studio .NETに付属するウィザードを起動すると、クリック操作だけで移行が進められるのだが、そこで吐き出されたタスクを確認してみると、手動で修正しなくてはならない“エラー”箇所がいくつも見つかる。

そのエラーを潰すには「マイクロソフトのサイトを確認し、そこに書かれた手法に従って、手作業を行う必要があります」。その数はというと、場合によっては10万を超えることもあるという。「特に、パッケージ化されたVB製品の場合それが顕著です。そんなにたくさんエラーがあったら、どんなにVBの知見を持った人たちで取り組んだとしても、何人月かかるかわかりません」

さらに中本氏は、Visual Basic アップグードウィザード頼みの場合は、ゼロ除算など、単体のテストでは見つからないエラーもあるという。

そこで同社では、VBから.NETへの変換の際に吐き出されるエラーを自動的に修正するツールを自社開発し、人事給与システムや生産・販売管理システム、作業管理システム、情報配信システムなどのモダナイゼーションに活用してきた。

「VBによるシステムは、社内で開発されていることも多く、その移行には予算を避けないという声もよく聞きます」と中本氏は言う。「ですので、当社の事例としても、ホストのモダナイゼーションと同時に進めるケースが大半です」

VBマイグレーション事例

中本氏は、数あるモダナイゼーションの手法からどれを選ぶかにあたっては、その目的とリスクを十分に比較検討してほしいという。目的にはコストの削減や、経営スピードへの追随、業務改革に伴う見直しのほか、ここまでに触れてきたサポート切れや老朽化、さらにはメインフレーム要員退職の影響を最小化するための要員計画効率化がある。一方のリスクには、更改費用やステークホルダーの衝突、安定性の欠如、更改プロジェクトの遅延や失敗がある。

「その上で、現行のレガシーシステムの特徴を踏まえ、最適な方式を検討していただきたいです」と中本氏は講演を締めくくった。

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