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働き方ベーショForum2017 レビュー

新日鉄住金ソリューションズ株式会社 エグゼクティブプロフェッショナル 営業統括本部 営業統括部長 人事本部 キャリア採用センター所長 岡田 康裕 氏

働き方改革定着への挑戦と
それを支えるIT

新日鉄住金ソリューションズ株式会社
エグゼクティブプロフェッショナル
営業統括本部 営業統括部長
人事本部 キャリア採用センター所長

岡田 康裕

新日鉄住金ソリューションズ

新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)では、働き方変革推進会議を立ち上げて働き方改革に取り組み、多様な労働力を確保するためにキャリア採用センターを設立。組織やチームで働くために段階的なトライアルを行っている。ここでは、NSSOLの働き方改革への挑戦とテレワークソリューションを紹介する。

個々の労働時間削減は会社全体の時間削減ではない

 NSSOLでは、経営会議メンバーで構成される働き方変革推進会議を設置し、営業、技術、管理の各部門の代表で構成される働き方変革タスクフォースが検討したことを働き方変革推進会議で意思決定し、現場に浸透させるようにしている。改革の浸透度、労働時間ややりがいのモニタリングは各事業部の代表が働き方変革タスクフォースにフィードバックしてPDCAを回すようにし、顧客などの社外にも現場を通じて理解を得られるように発信している。

 「働き方改革を推進していても、社員に明確なメッセージを出している企業が少ないのではないかと感じています」と話す岡田氏は、時短や有給消化と、目標達成や事業成長が二律相反と考えてしまい、改革を形式的に行っているだけの人が相当数いると指摘する。

 働き方改革では、1人ひとりの労働時間を短縮することは求められているが、これは会社全体の労働時間を減らすことではなく、多様な労働力を確保して補う必要がある。これを理解している会社のなかには、数百億円の人件費増を覚悟で取り組んでいるところもあるという。残業超過などの人事労務の事故を起こしてしまえば、これらの人件費の比ではない損害を受ける可能性があるというのだ。

 NSSOLでは、働き方改革のなかで多様な人材を確保するためにキャリア採用センターを設立しており、採用計画を昨年度比で倍増とし、キャリア採用者に対するタイムリーなケアによって、やりがいをもって長く働ける環境を整えている。

営業部門での段階的なトライアル

営業部門での段階的なトライアル

業務を見える化して課題を抽出し、タスクを最適化していくことでお互いの仕事を理解したうえで、相互に仕事のリカバリーを行っていく。

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段階的なトライアルを行って働き方改革の定着を目指す

 今後は、介護や子育てのためにフルタイムで働けなくなる人が増えていくと話す岡田氏は、組織やチームで働くことが求められると説明する。個々の労働時間が減少すれば成果が減るが、その分の成果は他の人で補わなければならない。その際、分割した仕事は正確かつ適切に伝える必要があり、手伝ってくれる人の業務管理やお互いの成果の連結など、さまざまなことを行わなければならないが、それによって、労働時間を減少させた社員は業務設計力やコミュニケーション能力、段取り力といったスキルを向上できるという。また、組織戦で働く際には、フルタイムではない手伝ってくれる人にやりがいのある仕事を提供し、いずれはマネージャー職などで活躍できる環境にすることが重要で、これによって人が自然と集まり、定着する会社となると岡田氏は話している。

 続いて岡田氏は、営業部で組織戦のトライアル事例を紹介する。このトライアルでは、別々の顧客を担当している2人の社員がお互いの顧客を担当できるようにすることで休みを取りやすくし、将来的にどちらかに介護などの事情ができても、新たなメンバーを補充して労働の質と量を落とさないことを目標として行う。また、「業務の見える化と課題抽出」「メンタル・コーチング技術を使ったタスクの最適化」「仕事の相互リカバリー」というように段階的にトライアルを実施するという。業務の見える化と課題抽出は、Outlookを使って業務の日次予実管理を行い、その日の予定を左に、実際の業務を右に書き込むようにしている。これによって、予定と実務のずれや作業の課題が見えてくるという。

 見える化された業務の課題を上司が頭ごなしに怒ってしまうと社員がやる気を失ってしまうため、自主的に改善を促すように上司はコーチング手法のトレーニングを受けて指導に当たる。これが「メンタル・コーチング技術を使ったタスクの最適化」で、これを繰り返すことで社員同士のお互いの業務への理解が深まり、合理化が図れるという。

 ここまでの段階になったら、お互いの仕事に関わるようにして「仕事の相互リカバリー」を実現するようにしている。NSSOLでは、仕事の相互リカバリーによって夏休みを全員が十分に取れるようにすることを当面の目標にしているという。

組織戦の業務イメージ

場所や時間を問わず仕事ができるテレワークの環境があれば、メンタルコーチングなども可能となる。

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テレワークを導入するならDaaSを利用することを推奨

 組織戦に取り組んで働き方改革を推進してきたNSSOLだが、多様な人材を採用していくなかで、子育てや介護などの事情でフルタイムで出社できない社員は、前述のような業務の見える化やメンタルコーチングを社内で行うことが難しいと岡田氏は話を続ける。このような社員に対しては、テレワークの環境を提供することが重要で、これによっていつでもどこでも仕事ができ、メンタルコーチングなども可能となるという。

 テレワークの代表となるのがデスクトップ仮想化(VDI)だ。VDIでは、サーバ側にデータとアプリがあり、社員はシンクライアントと呼ばれるデバイスを使ってインターネット経由でいつでもどこでも作業ができるようになる。また、データがクライアント側に残らないため、紛失や盗難に遭っても情報漏えいの心配もない。VDIにWeb会議機能をもつコミュニケーションツールをインストールすれば、離れた場所にいる社員同士のコミュニケーション面もカバーできるのだ。

 しかし、自社でVDIを運用することは難しく、24時間365日の運用体制が求められると岡田氏は説明する。VDIがダウンしてしまえば、多くの従業員の業務に影響を及ぼしてしまうからだ。また、VDIにはさまざまな技術が使われており、運用には広範な技術への対応が求められ、新たな技術への対応も不可欠となる。そのため、岡田氏は、VDIをクラウドサービス(DaaS)で利用することを勧める。DaaSであれば、導入も早く、サポートや運用、技術への対応も安心して任せられるからだ。

 NSSOLでは、自社でも活用しているVDIをクラウドサービス「M3DaaS(エムキューブダース)@absonne(アブソンヌ)」として提供している。6年前から始めたこのサービスは、ここ4年間連続で国内DaaS市場でシェアNo1を誇っているという。自社でVDIを構築するコストと同等のコストで導入できると説明する岡田氏は、安定した運用が行えることを考えれば、かえって割安になるはずと説明している。

 この「M3DaaS@absonne」は、働き方イノベーションForum2017で講演を行ったオリックス・ビジネスセンター沖縄でも導入予定で、テレワークの推進で女性社員が働きやすい環境の整備を進めているという。

※出所

● 株式会社アイ・ティ・アール 「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2016」2013年度実績値、「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2017」2014年度実績値、2015年度実績値、2016年度予測値

● 株式会社富士キメラ総研 「2015 クラウドコンピューティングの現状と将来展望」2014年度実績値、「2016 クラウドコンピューティングの現状と将来展望」2015年度実績値、「2017 クラウドコンピューティングの現状と将来展望」2016年度見込値、2017年度予測値

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