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働き方ベーショForum2017 レビュー

働き方改革を推進するワースペースのビリティ
セキュリティの取り組み
~事例:和歌山県庁様の取り組み~

レコモット 代表取締役CEO 東郷 剛 氏

レコモット
代表取締役CEO

東郷 剛

和歌山県
企画政策局
情報政策課
課長

天野 宏

和歌山県 企画政策局 情報政策課 課長 天野 宏 氏

レコモット/和歌山県

スマートフォンを活用したモバイルワーク環境を構築する企業が急増している。こうした環境で留意すべき点が、端末からの情報流出だ。レコモットの東郷剛氏がモバイル環境におけるセキュリティ対策のポイントを解説するとともに、同社のツールを導入している和歌山県の担当者が同県の取り組みを紹介した。

リモートワイプの成功率は4~12%にとどまる

 働き方改革の中で、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを活用してモバイルワーク環境を構築する企業が増えている。こうした企業の多くが、スマートデバイスの管理のために「MDM(モバイルデバイス管理)」と呼ばれる管理ツールを導入している。

 導入企業がMDMツールで最も期待しているのは、セキュリティへの脅威を軽減することだ。なかでも、端末の紛失・盗難に伴う情報流出に備えたリモートワイプ(遠隔操作で端末に残っているデータを消去する機能)の有用性を評価している企業は多い。

 しかし、レコモットのCEO(最高経営責任者)を務める東郷氏は、「さまざまな調査結果から判断すると、MDMによるリモートワイプの成功率は、わずか4~12%にとどまっています。これでは、企業が期待するセキュリティを担保できません」と注意を喚起する。同氏は、「情報流出のリスクを軽減するためには、そもそもモバイルデバイスにデータを残さないような運用方法が必要です」と指摘する。これを実現するのが、同社が開発・販売する「moconavi」をはじめとする「セキュアMAM(モバイルアプリケーション管理)」という管理ツールだ。

「moconavi」の仕組み

「moconavi」の仕組み

業務上で利用するアプリは、専用の「ワークスペース」で実行する。この領域内のアプリは端末側にデータを残さない仕組みだ。

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業務アプリ専用の領域でセキュリティを担保

 moconaviは、業務で使うアプリをセキュリティが担保された「ワークスペース」という領域で実行させることが大きな特徴。クラウドサービスと連携して、ワークスペース内のアプリで使うデータを端末に残さない仕組みだ。このため、デバイスが紛失・盗難に遭った場合でも、情報が外部に流出する恐れはない。

 「Office 365」や「Salesforce」「Dynamic CRM」「desknet's NEO」など業務上で利用するアプリや、「Dropbox」「Google Drive」「OneDrive」などのオンラインストレージがワークスペース内で利用できる。さらに、moconavi自体にメールやチャット、カレンダー、セキュアブラウザ、IP電話などの機能を搭載。Office文書やPDFを閲覧可能なドキュメントビューアーも備えている。

 モバイルデバイスとクラウド間の通信は暗号化され、インターネットの経路上にも一切のデータを残さない。IDとパスワードだけでなく、タッチIDなどの生体認証もサポートしている。SSO(シングルサインオン)機能を搭載しているので、ひとたびmoconaviにサインオンすれば、ワークスペース内のアプリにおけるユーザー認証は不要だ。

 現在、中小企業から大企業までの390社以上がmoconaviを利用中だ。ミック経済研究所の「クラウド型MAMの市場調査」において、4年連続で市場シェアNo.1と位置づけられている。

口コミで利便性が広がり利用希望者が殺到する状況に

 和歌山県でも、moconaviを導入して働き方改革を推進中だ。

 moconaviを導入する以前、同県では出先で県のアドレス宛てのメールを確認する手段がなく、機動的な対応をすることが困難だった。さらに、帰庁後に文書による報告を行っていたため、残業時間が増大するという課題を抱えていた。

 これらの課題を解決するために2012年9月にmoconaviを試験導入。同県の情報政策課に在籍する天野宏氏は、「当初は希望者のみに導入していましたが、利便性が口コミで広がり、利用希望者が殺到しました。運用が追いつかないので、一時はお断りせざるを得ない状況でした」と語る。そこで今年6月に本格導入することになった。

 同氏は「moconaviの導入によって、職員のワーク・ライフ・バランスが大きく向上しました」と評する。職場に戻らずに、出先からでもメールの確認・返信や報告が可能となり、労働時間が大きく短縮できたからだ。

 「moconavi等のリモートワークシステムを活用すれば、日本人の仕事と余暇の関係をさらに柔軟に見直すことが可能になるのでは」と考えた同県では、新たな働き方改革を提案する。それが「ワーケーション」と呼ばれる取り組みだ。

休暇と仕事を兼ねてリフレッシュ

休暇と仕事を兼ねてリフレッシュ

ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた米国発の造語。「和歌山県はワーケーションを猛烈に推進中」(天野氏)。

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仕事と休暇を兼ねて観光地に滞在

 ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた米国発の造語で、リゾートなどの環境のよい場所で、休暇を兼ねてリモートワークを行う労働形態を指す。現在、欧米のIT企業やエンジニアの間でワーケーションが徐々に広がっている。天野氏は「仕事を犠牲にせず、リフレッシュや自己研さんを実現できることがワーケーションのメリットです」と指摘する。

 同県は2016年からワーケーションの実証実験を展開。天野課長自身が自費で海外や地方に滞在しながら実際に仕事を行った。この実証実験の結果、業務遂行に問題がないことが分かった。

 天野氏は「白浜町は、ワーケーションに格好の場所です」と語る。同町には、東京都内の企業が進出中で、シェアオフィスや共同ワーキングスペースなども存在する。通信や交通のインフラも充実していることに加え、何より労働者をリフレッシュさせる観光資源が豊富だ。

 実際に、今年に入って何社かのIT企業がワーケーションとして同県に滞在しているが、いずれも好評だったという。このうちの1 社がレコモットで、東郷氏も半日の有給休暇をとって、1泊2日で観光と会議を兼ねて同県を訪れている。

 現在、同県はワーケーションを猛烈に推進しており、今年8月2日には都内で産官学の識者が集うフォーラムを開催する予定だ。同県でワーケーションを実践する企業に対する財務支援等を用意しているという。

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