ITモダナイゼーションSummit 2017 レビュー

マイグレーションその先へ

メインフレームシステムのモダナイゼーションが、TCOの高止まりや技術者確保の困難さなどを背景に、多くの企業にとって切実な課題となっている。いまやその実践は「選択」ではなく、企業の「生存」そのものにかかわる根源的な問題だ。この課題に対しTmaxは、同社が提供する「OpenFrame」をベースに、企業がスムーズかつスピーディにモダナイゼーションを実施するためのリホストソリューションを提供している。

モダナイゼーションは「選択」から企業の「生存」にかかわる問題へ

日本ティーマックスソフト株式会社
代表取締役副社長
羅 鍾弼

既存のシステムを、今日の急速なビジネス環境や技術環境の変化にも耐え得るものへと変革するためのITモダナイゼーションが、企業にとって重要なテーマとなっている。特に長年運用してきたメインフレームを、最新のオープン環境へと移行したいという企業のニーズは切実だ。

これに関し日本ティーマックスソフトの羅鍾弼氏はセッションの冒頭、「メインフレームに関するITモダナイゼーションのあり方は、2015年と2016年の間を境に大きく変容しています」と指摘する。というのも、2015年以前のモダナイゼーションは、例えばシステムにかかわるTCO削減などのメリットの追求を旨とし、そこに踏み出すかどうかは企業とって「選択」の問題だった。それが2016年以降には、モダナイゼーションの実施は、もはや「選択」の問題ではなく、企業の「生存」そのものにかかわる、より根源的なテーマに変わってきているというのが羅氏の考えだ。

「例えばガートナーのレポートでは、システムのライフサイクルについて『胎生期』から『選択期』『競争期』『消滅期』という4つのフェーズで捉えていますが、そこでは一般的なメインフレームシステムを『消滅期』にあると位置付けており、技術継承の困難さなどを背景に、近い将来には消滅するという分析がなされています」と羅氏は言う。要するに、消滅後にはいくら予算を積んでもシステムを維持していくことが叶わないわけだ。マイグレーションが企業にとって「生存」の問題であるとする真意はまさにそこで、企業にはモダナイゼーションに向けた速やかな意思決定が求められている。

※出典:「Gartner, IT Market Clock for Server Virtualization and Operating Environments, 2014」

次世代システムへの円滑な移行をリホストによって合理的に行う

一般にメインフレームの再構築には、大きく3つのアプローチが考えられる。1つはメインフレーム自体をアップグレードするというアプローチであり、2つめがリホストによるマイグレーション。そして3つめがシステムの全面的な再開発を行うリエンジニアリングである。「これらのなかで低コストかつ低リスクでモダナイゼーションを実現する最も合理的な手段となるのが、アプリケーションやデータに変更を加えず、プラットフォームのみをオープン環境へと移行するリホストということになります」と羅氏は強調する。

例えば韓国企業においては、競争力の強化を念頭に1995年頃から次世代システムの構築が重要なテーマとなり、日本に比べて早い段階からメインフレーム撤去に向けた取り組みが進んだ。このとき各企業は、リエンジニアリングで直接次世代システムへと移行するか、まずはリホストでメインフレームからの脱却を図るかという選択を迫られた。

そうした中で、現在、優れた競争力を有している企業がこぞって採用したのがリホストだった。「それら企業は、まずはメインフレームを廃し、オープン環境でシステムを運用してTCOを削減。そこで浮いた予算を次世代システムの検討や導入のための投資に回すという段階的な取り組みで、コスト的にも労力のうえでも無理のないかたちで最終的な次世代システムへの移行を実現していったわけです」と羅氏は説明する。

ミドルウェア環境の代替による非常にシンプルなリホストを実現

こうしたリホストによるモダナイゼーションをスムーズかつスピーディに実践するためのソリューションとなるのがTmaxの提供する「OpenFrame」だ。既に述べた韓国企業の取り組みにおいてもこのOpenFrameが広く活用されている。

開発元であるTmaxは1997年に韓国で設立。以来、データベースやWebアプリケーションサーバーをはじめとするミドルウェア領域に軸足を置きながら製品ラインナップを拡充。今日では、Tmaxグループとして、OSやクラウド、ビッグデータといった領域にも参入し、「未来を変えるコア技術」の展開を進めている。日本市場においても、2000年に日本ティーマックスソフトが設立されており、OpenFrameを中核に国内企業のモダナイゼーションを支援してきた。

「OpenFrameが実現するリホストはきわめてシンプル。企業がメインフレーム上に保有する既存のデータやアプリケーションは修正せずにそのまま利用し、メインフレーム上のミドルウェアやデータベースなどのインフラを、OpenFrameがオープンシステム側に用意するミドルウェア群で代替するかたちとなります」と羅氏は説明する。

日本国内においても、例えば日本最大規模の証券会社である野村證券や、大手物流業での12万本にも及ぶ資産の15ヶ月でのリホスト実現をはじめ、数多くの企業がそうしたOpenFrameのメリットを生かしてモダナイゼーションを実施し、多大な成果を享受している。

OpenFrameについては、継続的に機能や性能面でのブラッシュアップが重ねられており、常に進化を遂げている。最近のトピックスとしては、これまでサードベンダー製品により対応していたコンパイラの領域に、Tmaxのオリジナル製品、具体的にはCOBOL処理系である「OFCOBOL」、PL/I処理系である「OFPLI」に加え、アセンブラ製品である「OFSASM」をそれぞれ投入。さらなるコストメリットを提案している。

OpenFrame 7.0 Compilers

また、開発中のステータスにあるものとしては、ODBCやESQLをインターフェイスに使用した多様なデータベースベンダー製品への対応が進んでおり、そこでは、例えばSQL経由でVSAMファイルのデータにアクセスできるような仕組みなども提供されることになる。

Supports RDBMSs of Various Vendors

そのほかにも、テスト自動化の機能や資産管理を統合的に行えるような仕組みなども、提供に向けた準備が着々と進められているところだ。

最後に羅氏は「このようなOpenFrameを中核としたソリューションの提供により、Tmaxは日本企業に身近な存在として、そのモダナイゼーションによるIT基盤の再構築に向けた取り組みに大きな貢献を果たしていきたいと考えています」と語った。

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