デジタルビジネス時代の攻めのIT投資「働き方改革」

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モバイルファーストへの移行を現実のものにする
デジタルワークスペースとはフィールドワーカーのモバイルトランスフォーメーションが生産性向上に有効

働き方改革の議論が進む中、ヴイエムウェアのシニアソリューションアーキテクトの藤野 哲 氏は、企業のコンシューマライゼーションによってデジタルトランスフォーメーションが進み、オフィスワーカーだけでなく、フィールドワーカーの働き方を改革することの重要性を説明する。藤野氏は、デジタルワークスペースによって企業における働き方改革と、情報システム部の負荷低減が行えることを説明し、グローバルでの事例を紹介した。

フィールドワーカーの働き方改革がキーとなる

働き方改革では、テレワークなどが注目を集め、いつでもどこでも業務が行えるように仮想デスクトップなどの整備が行われている。しかし、藤野氏は、テレワークでオフィスワーカーの働き方改革を進めるだけでなく、いままでデジタル化が遅れていたフィールドワーカーにモバイルの活用を促して働き方変革することで、劇的に生産性を向上させる可能性が生まれると説明する。

たとえば、日本が得意とするモノづくりの現場である製造業では、IoTによって機械などのIT化が進められようとしている。しかし、それを扱う人がそれらのデータを事務所に戻って共用PCで見なければならない状態ではなく、製造ラインの現場でスマートフォンやタブレットなどを使って分析できるようにすれば、効率よく改善などを行うことができる。「PCでは持ち運びにくく、起動が遅くて使えないような現場では、モバイルデバイスを活用することで、すぐに確認や分析ができる環境が有効となります」と藤野氏は話す。

デジタルワークスペースを実現するVMware Workspace ONE

スマートフォンやタブレットが普及し、デバイスが多様化して、生活のあらゆる局面でデジタル化が進んでいる中で、藤野氏は、企業でもコンシューマライゼーションの考え方を取り入れていくべきと説明する。たとえば、コンシューマ向けの映像配信サービスでは、タブレットやPCなどのデバイスに関係なく、統一したインターフェースと使用感で操作が行えるが、企業で利用するアプリケーションも同様にあらゆるデバイスで同じように利用でき、モバイルを活用してあらゆる場所で利用できるようにすることで生産性向上が実現できるのだ。また、十分なセキュリティや管理の手間の低減も考える必要がある。

これらを実現するソリューションとして、藤野氏は「VMware Workspace ONE」を紹介する。VMware Workspace ONEは、コンシューマ製品のようなシンプルさとエンタープライズレベルのセキュリティを搭載したソリューションで、デスクトップ/アプリケーション仮想化の「VMware Horizon」、デバイス/ID管理・制御を行う「VMware AirWatch」で構成されるプラットフォームだ。

VMware Workspace ONEによって提供する統合ワークスペースでは、PCやタブレット、スマートフォンなどで共通の統合されたインターフェースを提供し、デバイスに関係なく同じ感覚でアプリケーションやサービスへアクセスできる。クラウドサービスはもちろん、Windows OSを使いたいときにはVDIも提供可能で、Internet Explorerを仮想化した環境で業務アプリケーションを利用することも可能だ。また、LDAPやActive Directory、SAMLと連携して、シングルサインオンも実現している。オフラインで作業できるようにデバイス側にファイルやデータをダウンロードすることも可能となっているが、VMware Content Lockerによって他のアプリで開いたり、外に出せないように制御することが可能だ。

環境に合わせたセキュリティの適用と管理の手間の低減

「VMware Workspace ONEでは、IT管理者の業務をモノの管理から、ユーザーに対してITサービスのデリバリーにシフトしていくことを目指している」と藤野氏は話を続ける。「各デバイスが管理サーバに一度アクセスするだけで、各個人に合わせた環境を簡単にセットアップすることが可能です。追加でインストールしたいアプリケーションがあれば、セルフサービスでユーザー自身がインストールできるようにもなっています。現在のIT部門は、会社支給のPCなどのデバイスの管理にかかる手間が大きくなっており、キッティングなどの手間に時間が取られていますが、VMware Workspace ONEでは、デバイス管理の手間を低減させるために、自動化やセルフサービスの考え方を取り入れています。デバイスではなく、ユーザーに紐づけて個人の環境をクラウドサービスとして提供することで、どの端末からでも同様の使い勝手を実現します。たとえばPC、タブレット、スマートフォンと1人あたり3台の管理の手間が必要だったのを1/3の手間に低減できると考えています」と藤野氏は話す。

“状況に合わせて”動的にセキュリティを確保できる環境が作れるため、IT管理者は安心して業務に必要な環境を「いつでも、どこでも」提供できるようになると藤野氏は説明する。「たとえば、急に子どもが熱を出して帰宅しなければならなくなったような場合、一般的には自宅のPCで業務を行ったり、会社のサーバに保存してあるデータにアクセスすることはできません。VMware Workspace ONEのような環境を提供すれば、デバイスの種類、使っている場所やネットワーク情報などの条件によって動的にポリシーを適用することで、状況に合わせたアクセス方法の制限やセキュリティを施すことができる。会社からはアクセスできる人事情報を外からはアクセスできないようにすることなどが可能で、突発的なテレワークにも対応でき、従業員の満足度向上にもつながります。

また、前述のように、フィールドワーカーがアナログで行っている業務をいかにデジタル化して、働き方改革と従業員満足度の向上を実現していくかも大きな課題です。VMware Workspace ONEは、さまざまなデバイスとさまざまなアプリケーションをシームレスにつなぐハブのような役割で、企業をモバイルネイティブにする橋渡し役となっています。モバイル環境に合わせたセキュリティ強化を実現しつつ、あらゆるサービスを連携させた優れたユーザー環境を提供することで、結果としてシャドウITを抑制することが出来ると考えています」。

Workspace ONE のアーキテクチャ

VMware Workspace ONEのグローバル事例

藤野氏は、最後にVMware Workspace ONEのグローバルでの事例を紹介している。

オーストラリア・ニュージーランド銀行では、業務の80%を占める店内接客を改善するため、顧客に新規サービスを案内する店内アプリケーションの展開を簡素化することで、取引完了までの時間を短縮することを計画。34カ国1万8,000台のデバイスを管理するためにVMware Workspace ONEを導入し、VMware Workspace ONEのSDKを使って20種類のカスタムモバイルアプリを開発して配布することで、場所を問わずに顧客との商談を可能とした。また、これを契機に顧客との関係強化を目的として支店を再設計する改革を行い、新規サービスやローン製品の売上増加を実現している。

米国のLCMC Health社は、治療成績の向上と運用コストの削減を目指し、VMware Workspace ONEを導入。あらゆるデバイスへのデスクトップ展開とアプリケーション配信を迅速化することで、ログインに要する時間を87.5%削減し、患者1人あたりに接する時間を35分以上増加させて患者ケアを向上させている。また、PCを仮想デスクトップに置き換えたことによって、運用コストを大幅に削減している。

米国赤十字社では、既存のITサービスがモバイルに対応していないことやレガシーアプリケーションと新しいアプリケーションの両方の配信を行う必要があり、常に最新バージョンへのアップデートが必要になるといった課題を抱えていた。VMware Workspace ONEをベースに、Red Cross Virtual Workplaceというサービスを展開し、約1万人のユーザーに150のアプリケーションを提供することで、新規スタッフの本格的な業務開始までの期間を数週間から数時間に短縮することができた。また、最新デバイスのセキュリティと柔軟性を有効活用しながらレガシーアプリケーションの配信を継続することが可能となり、被災者への災害見舞金や配給物資のフローを迅速に行えるようになった。

米国の携帯電話事業者スプリント社では、契約手続きで顧客の待ち時間が長い、法人営業担当者が外出先で製品情報にアクセスできない、大量なデスクトップの分散配置によって運用コストが増大、といった課題を抱えていた。スプリント社はVMware Workspace ONEによって、店舗では小売販売の担当者がAirWatchによって管理されているタブレットを利用して商談を行うほか、法人営業担当者はセキュリティ保護されたリモートアクセスで外出先から顧客に機能をデモすることが可能となった。また、拠点の従業員が個人所有のデバイスから仮想デスクトップにアクセスすることを実現。25,000台のデバイスと50のアプリケーションを10人のスタッフで管理し、契約手続きに要する時間の短縮や、セキュリティが確保されていないデバイスから企業データを分離することによるデータセキュリティの向上を図った。

ノースカロライナ州メクレンバーグ郡では、既存のPCライフサイクル管理(PCLM)ツールではWindows 10デバイスを管理できないことに加え、レガシーアプリケーションと仮想デスクトップのサポートが必須となっており、モバイルデバイス管理に適したツールとチームが必要となっていた。VMware Workspace ONEを導入することで、iOS、Android、Windows 10へのサービスを管理し、ミッションクリティカルなレガシーアプリケーションや仮想デスクトップをVMware Horizonで配信。デバイスやアプリケーションの設定にかかる時間を数時間から数分に短縮し、アップデートや新たなアプリケーションはクラウドからリアルタイムに配信して、ツールの削減やスタッフの専門性向上によってコストを削減している。

藤野 哲 氏

ヴイエムウェア株式会社
ソリューションビジネス本部
エンドユーザコンピューティング推進
シニア ソリューション アーキテクト

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