知っておくべき制度・補助金

いよいよ蛍光灯の生産が終了する

既存ビルで急がれる、LED照明への取り換え

2018/01/24
知っておくべき制度・補助金

オフィスビルや工場などに幅広く使用されてきた蛍光灯照明器具が2019年3月末に国内主要メーカーで生産終了となる見通しとなった。すでに日立アプライアンス(2015年3月末)と東芝ライテック(2017年3月)が生産終了に踏み切っているが、最大手のパナソニックと三菱電機照明も19年3月末での生産終了を表明。これによって既存ビルに設置された蛍光灯器具の耐用年数が過ぎて故障・破損した場合、補修部品の保管期限が過ぎると交換が難しくなる。

メンテナンス用の蛍光ランプの生産は当面、継続されるが、ビル管理の効率性や省エネ効果を考えれば、補助金などを活用して発光ダイオード(LED)などの半導体照明(Solid State Lighting=SSL)への取り換えを計画的に進める必要があるだろう。

オフィスビルなどの照明は、2010年頃から従来の電球や蛍光灯から、消費電力量が少なく耐久性に優れたLED照明への移行が進み出した。2011年の東日本大震災の後には省エネ対策の観点からコンビニエンスストアなどでLED照明に取り換える動きが活発化。日本照明工業会の自主統計データを見ても、SSL器具の出荷数量は2011年以降、急速に伸びてきている。

照明器具の国内出荷数量の推移(資料:日本照明工業会)

照明器具の国内出荷数量の推移(資料:日本照明工業会)

SSLには「点」で発光するLED照明のほかに「面」で発光する有機EL(Electronic Luminescent)照明などがある。いずれも電球や蛍光灯に比べて消費電力量を大幅に削減できることから、国の政策としてSSL化への取り組みが始まっている。その流れを簡単に整理しておこう。

日本のエネルギー政策は、2002年に施行されたエネルギー政策基本法に基づいて、経済産業省資源エネルギー庁が10年~20年先を見通したエネルギー基本計画を策定し、約3年ごとに見直すことになっている。2003年に最初のエネルギー基本計画が策定され、2007年、2010年、2014年と3回の改定が行われた。そして2017年11月から、第4回改定に向けた議論が総合資源エネルギー調査会で始まったところだ。

照明のSSL化の取り組みは、2010年に政府が策定した「新成長戦略」とエネルギー基本計画の第2回改定に盛り込まれた。新成長戦略の中の7つの戦略分野のひとつ「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」で「2020年までにLEDや有機ELなどの高効率次世代照明をフローで100%普及させる」との目標を掲げた。エネルギー基本計画には「2030年にストックで100%普及させる」との目標も加えられた。

これらを達成すると、照明器具の電力量は、2006年の1649億kWhから2030年には48%減の863億kWhへと、大幅に削減できると試算されている。

照明器具の電力量の推移(資料:日本照明工業会)

照明器具の電力量の推移(資料:日本照明工業会)


文:千葉 利宏

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