知っておくべき制度・補助金

いよいよ蛍光灯の生産が終了する

既存ビルで急がれる、LED照明への取り換え

2018/01/24
知っておくべき制度・補助金

既存ビルが問題。LED照明に取り換える方法は?

「フローで100%」を実現することで、2020年には新規に出荷される照明器具は全てSSLに切り替わる。すでに一般照明用器具の国内出荷数量のSSL比率は、2017年10月の最新データで95%に達しており、「2020年のフロー目標の達成はほぼ確実」という状況だ。

問題は、2030年までに「ストックで100%」をどう実現するか――。日本照明工業会では、2014年に「照明成長戦略2020」を策定し、ストックでの中間目標として「2020年で50%」の普及を掲げている。しかし、現状では「2020年の段階で2、3割の普及にとどまるのではないか」(業界関係者)との見方も出ている。新築ビルではSSLが設置されるようになったが、既存ビルでのSSLへの取り換えは進んでいないのが実情だ。

中小ビルのオーナーにとって、入居率アップにつながるビルの競争力への関心は高いが、「個別の対策は管理会社に任せているのが実情。オーナーにSSL化を提案するところは限られているのではないか」(日本ビルヂング協会連合会役員)と分析する。ビルオーナーがSSL化投資を行っても、消費電力削減のメリットを受けるのはテナント企業で、オーナーにはほとんどメリットがないからだ。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、首都圏を中心に最新鋭オフィスビルの建設ラッシュが続いている。これまでオフィスビルの空室率は低水準で推移してきたが、2018年から始まるオフィスの大量供給で中小ビルの空室率アップは避けられないとの見方が強まっている。ビル管理会社としても、空室率の悪化を食い止めるために、オーナーにSSL化などの追加投資を提案して付加価値を高める必要があるだろう。

既存ビルのSSL化を加速するためには、ビルオーナーの投資負担を軽減するために、補助金や税制優遇措置、テナント企業の協力などをうまく組み合わせていきたい。これまでにも資源エネルギー庁の「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(省エネ補助金)」、環境省の「PCB使用照明器具のLED化によるCO2削減推進事業補助金」などが導入されており、2018年度予算でも継続要求される見通しだ。日本照明工業会がまとめた2016年度と2017年度の主要な補助事業を以下に掲載するので参考にしてほしい。

2016年度と2017年度の主要な補助事業(資料:日本照明工業会)

2016年度と2017年度の主要な補助事業(資料:日本照明工業会)

また、中小ビルオーナーの中には、省エネ対策によって恩恵を受けるテナント企業の協力を得て、SSL化投資を進めた事例も出ている。政府が掲げる2030年に「ストックで100%」に向けて対策を一段と強化していく必要がある。


文:千葉 利宏

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