シャープの住宅用エネルギーソリューション 太陽電池、蓄電池、HEMSを一新 ZEH化を背景に三位一体の提案を

シャープ株式会社 エネルギーソリューション事業本部 エネルギーシステム事業部 事業部長 桃井 恒浩 氏

家庭内でエネルギーマネジメントの必要性が高まっていきそうだ。シャープでは今年6月、太陽電池、蓄電池、HEMS(家庭用エネルギーマネジメントシステム)の各製品を一新し、三位一体の提案への製品供給体制を強化した。ゆくゆくは「AI(人工知能)」や「IoT(モノのインターネット化)」とも融合させ、より快適な生活環境の提案につなげていく方針だ。

 住宅市場の行方を、エネルギーの観点からいま一度整理しておこう。

 大きな流れは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化の推進である。国はそれを2020年までに標準的な新築住宅とする目標を掲げ、その達成に向け補助金制度を設ける。「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」に必要な仕様や設備は当たり前の造りになっていく。

 近い将来のこととして見過せないのは、国の制度に基づく太陽光発電の買取期間終了である。

2019年に買取期間終了。流れは、売電から自家消費へ

 現在の固定価格買取制度の前身ともいえる余剰電力買取制度が始まったのは、2009年11月。買取期間は10年間だから、制度開始時に適用を受けた太陽光発電システムは2019年には買取期間の終了を迎える。

 国の制度に基づく買取期間終了後に電力会社が買い取りを続けるにしても、買取単価は大幅に引き下げられる見通し。一般家庭の買電単価を大きく下回れば、太陽光による発電分は売電せずに、自分の家で消費する「自家消費」ニーズが高まるとみられる。

 ZEH化や太陽光発電の買取期間終了によって「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」の必要性があらためて認識されるようになると、エネルギー関連の設備機器も見直されていく。

 これまで以上に必要性が認識されるようになるのは、蓄電池である。日中は一般に、朝夕に比べ家庭での電力消費量が少ない時間帯。逆に太陽光発電の量は多くなる。自家消費で余った電力を売電しないとなれば、それをいったん蓄えておく蓄電池は不可欠だ。

 太陽光発電に加えて蓄電池も取り入れるとなると、それらの機器と家電製品などを連携させ、エネルギーの効率利用を可能にするHEMS(家庭用エネルギーマネジメントシステム)も欠かせない。電力の使い方を制御することで、電力コストを削減するわけだ。

 シャープでは今年6月、こうした動向を見据え、太陽電池モジュール、蓄電池、HEMSの各製品を一新した。

階段下にも収まる蓄電池。容量6.5kWh屋内専用タイプを開発

クラウド蓄電池6.5kWh 屋内設置タイプ 新製品
9.45kWシステムを設置したM邸

 中心に据えるのは、屋内設置型の蓄電池である。容量は中容量ともいえる6.5kWhタイプ。同じ屋内設置型の従来製品に比べ容量を約35%up。さらに軽量化とスリム化を図り、収納内部や階段下にも収まるコンパクトサイズだ。

 新製品の追加によって、蓄電池の製品タイプは屋内屋外兼用モデルも含め、4.2kWhの小容量タイプから8.4kWhの大容量タイプがある。シャープエネルギーソリューション事業本部エネルギーシステム事業部事業部長の桃井恒浩氏は「ラインアップを拡充したことでお客様のご要望に応じた製品を提案しやすくなりました」と話す。

 太陽光発電ではより多くの発電量を確保できるように、単結晶太陽電池モジュール「ブラックソーラー」の公称最大出力を引き上げた。異なるサイズのモジュールを屋根形状に合わせて効率良く配置するシャープ独自の「ルーフィット設計」にも、これまで通り対応する。

 ZEH化を目指すとなると、より多くの発電量を確保することが求められる。環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業調査発表会2016」によれば、ZEHでの太陽光発電の設置容量は平均6.54kW(2016年)。「一般平均を上回る容量です。ZEHには発電能力の高い太陽光発電が必要と言えます」(桃井氏)。

 シャープのクラウドHEMSはクラウドサーバー上で気象情報や電気料金など外部環境に関するデータと連携し、蓄電池の充放電を自動制御する。

 例えば天気予報が雨なら、日中は太陽光による発電に期待できない。そうなると系統からの電力に頼らざるを得ないが、日中は電気料金が割高のため、その使用は最小限にとどめたい。そこで必要になるのが、蓄電池からの電力融通だ。クラウドHEMSは、クラウド蓄電池と連携し、それをどの時点で始めるのが最も経済性が高いかを判断し、放電開始を制御する。

新HEMS機能※1で住設機器も制御。今後もメーカーとの提携を 新HEMS機能

 HEMSで把握する各種の情報はスマートフォンなど情報端末にも表示する。太陽光発電の発電量や蓄電池の残量といった家庭内の電力状況を、外出先からでも確かめられるわけだ。家族の誰もがどこからでも確認できる方式を加えることで、エネルギーのことを身近に感じてもらう狙いだ。

 さらに、家電製品や住設機器との連携で暮らしの快適性や安心・安全を高める機能も併せ持つ。

 1つは、見守り。家電の消費電力の変化をプッシュ通知で知らせる機能だ。例えば、子どもが帰宅し、照明をつければ、外出先のお母さんのスマートフォンに通知が届く。もう1つは、遠隔操作。スマートハウスを実現する通信プロトコルであるECHONET Lite規格に対応した製品なら、スマートフォンなど情報端末からまとめて電源ON・OFFを切り替えることが可能。外出時や帰宅時の便利な機能だ。

 ユニークなのは、気象情報との連動だ。気象警報が発令されると、停電に備えて蓄電池の充電を始めるように制御する機能に加えて、電動窓シャッターを自動で閉じる機能を持つ。文化シヤッター製の「マドマスター・スマートタイプ」が現在、この機能に対応している。

 家電メーカーとしてこれらの「連携」を図れることは強みの1つ。桃井氏は「まず連携可能な家電製品や住設機器を増やしていきます。住設機器メーカーとの提携も広げていく方針です。将来はそこに『AIoT※2』を融合させ、より快適な生活環境を提案していきます」と、今後の展開にも意欲を見せる。

※1.クラウド連携エネルギーコントローラー

※2.「AIoT」とは、「AI(人工知能)」と「IoT(モノのインターネット化)」を組み合わせたシャープの造語

シャープが目指すホームエネルギーソリューション
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