次世代建築イノベーション2017報告(特別広報企画)建材設備大賞 技術講演

タニタハウジングウェア 雨のみちをデザインする仕事、美しい佇まいと豊かさを実現

タニタハウジングウェア 代表取締役社長 谷田 泰 氏

タニタハウジングウェアは、雨仕舞いに最適な素材は金属と考え、雨樋を中心に様々な金属素材の外装材を提供している。建材設備大賞特別賞(2016年)を受賞した、落ち葉が詰まらない構造の「デカノキすとっ葉°ー」など、雨と建築が共生するユニークな製品群を展開する。

 奈良時代から使われるようになった雨樋は、当初は降った雨を集めるためにできたと言われている。その後、屋根から滴り落ちる雨水が人の出入りの妨げにならないよう、社寺仏閣の拝殿に雨樋が普及。江戸時代には瓦屋根から軒先に流れ落ちる雨水から家屋を守るために、一般の住宅にも雨樋が使われるようになった。

 このように時代とともに役割を増してきた雨樋。タニタハウジングウェアでは十数年前から、雨や自然と人々の心地よい共生をめざし、「雨のみちをデザインする」という価値観を大事にしながら経営にあたっている。例えば、アルミニウムの雨樋と雨水ガイド板を組み合わせた「デカノキすとっ葉°ー」は、雨水は樋に流し、葉は下に落とす構造だ。雨のみちを作ることで落ち葉の問題を解決し、木を守っているのだ。

 近年、甚大な被害が問題となっているゲリラ豪雨への対処も、「雨のみち」の視点で取り組む。集中する大量の雨水を流すには、ただ竪樋を太くするのでは解決できない。そこで竪樋の中間にある枡から脇に水を溢れさせる形状を考案。ただし、溢れた水が建物側に行かないように、設計者と共同で実験を繰り返した。建材だけでは解決できない問題は設計者と共に、さらには都市全体の水と緑のデザインまでを俯瞰した視点で取り組む必要がある。雨を見直す機運がでてきた今、タニタハウジングウェアもその一翼を担い、雨樋の可能性を発信していく。

「雨をひらく」ことで得られる豊かさ

 雨樋は意匠面でも重要な役割を担い、建築物の佇まいを左右する。雨の流れが見える開放樋など、「雨をひらく」ことで雨と建築の共生を実現する大事なパーツとなっているケースもある。

 ほかにも竪樋に脇道をつけたり、軒樋から雨が流れる道筋を作ったりして、タニタハウジングウェアは雨を見せる取り組みを重ねてきた。2016年度にグッドデザイン賞を受賞した「クサリトイensui」は、小さなバケツを連ねたような形状で、一般的なリング状の竪樋とは一線を画す外観だ。排水機能とデザイン性を両立させ、玄関脇の竪樋を嫌う建築家にも好評だ。

 鬱陶しいと思われがちな雨だが、流れる雨水の美しさを知れば、楽しみに変わる。「雨をひらく」ことで得られる豊かさがある。雨の日と晴れの日で違った役割を果たす雨樋が、さらに「雨をひらく」と、実用だけではない楽しさももたらす。タニタハウジングウェアは今後も、そんな雨と建材の可能性を追及していく。

 

デカノキすとっ葉°ー
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