無垢材で勝負する「とちぎ材」の魅力とは?

栃木県産の「とちぎ材」はその供給能力の高さとともに、無垢材で勝負できる質の高さも兼ね備える。質の高さはどこから生まれるのか――。その秘密を探る。

 全国でただ1つ、県名に「木」を用いる栃木県は、文字通り木の産地で、関東ではトップに立つ。そこから供給されるスギやヒノキなどの原木丸太は優良材として評価が高い。

※林野庁データ

育ちの良さから生まれる優良材

 栃木県産の「とちぎ材」は、半径方向にバランス良く、ほぼ真円に成長する材が多い。さらに材の中心の偏りや成長の歪みが小さいのが特徴だ。また積雪などの影響を受けることが少ないため、根曲がり材やS字状の曲がり材は見られず、通直性に優れた素性の良い材が育つ。

 これらの育ちの良さは、気候上の特性によってもたらされたと考えられる。栃木県は適度な気温と降雨に恵まれ、積雪量も風水害も少ない。その気候の穏やかさが、「とちぎ材」の質の良さを生み出しているのである。

 その環境条件に加え、“枝打ちや間伐などの行き届いた手入れ”による効果といわれている。

 原木は根に近いほうから伐採し、下から「1番玉」「2番玉」「3番玉」……と呼ばれる。原木は通常、下から上に向けて細くなっていくが、手入れの行き届いた山では枝の下が長く、「1番玉」から「3番玉」まで区別できないほど太さが変わらない、しかも節のない優良な材が育つ。

とちぎ材の品質 とちぎの「原木」

国産KD材は全国トップクラス

 「とちぎ材」はこうした育ちの良さから、自然素材にみられがちな欠点が少ない。

 例えば「あて材」。これは、極端な傾斜地での生育、雪での倒伏による根曲がり、さらに風害などを要因に、傾斜した幹や枝の上下で形成層の活動差が生じ、偏心成長が進み、異常な組織が形成された材をいう。密度が大きく、硬いがもろい、圧縮の力には強いが引っ張りの力には弱い、といった性質があり、質の悪い木材となる。ところが「とちぎ材」には、前述のとおり、気候上の特性から、この「あて材」が非常に少ない。

 こうした質の良さを素直に生かそうと、「とちぎ材」はスギやヒノキなどの無垢材を主力とする。国産材の人工乾燥材、いわゆるKD材の供給量では、栃木県は全国トップクラス。無垢材で勝負できる限られた地域の1つとして存在感を放つ。

 利用用途の第1は、在来軸組構法の戸建て住宅。木の家を夢見る建築主にとって、無垢の木を用いた家は憧れの存在だ。

 もちろん、利用用途は戸建て住宅に限らない。

 公共施設はもとより、民間の中・大規模建築物でも、木造化への挑戦がみられる中、建築コストの面で非木造と太刀打ちできるように、それらを一般流通材で設計するという道も提案されている。例えば教育・福祉施設や店舗など、従来は非木造だった低層建築物で木造化に挑むとき、「とちぎ材」は力強い味方になってくれるに違いない。

「髙橋 邸」(栃木県日光市) 茂木町まちなか文化交流館 「ふみの森 もてぎ」(栃木県芳賀郡茂木町)
【写真のクリックで拡大表示】
PageTop
お問い合わせ
栃木県木材需要拡大協議会
〒321-2118 栃木県宇都宮市新里町277-1(県木協連内)
TEL. 028-652-3687
http://www.tochigizai.jp