第6回 木質建築空間デザインコンテスト審査結果発表

主催:大阪ガスケミカル 共催:日経アーキテクチュア 後援:日本建築士会連合会

住宅部門賞

「岩倉の家」
桐山 啓一AIRHOUSE
「ヤマノイエ」
津野 恵美子津野建築設計室
「片流れの家」
富永 大毅/藤間 弥恵富永大毅建築都市計画事務所

審査委員講評

「岩倉の家」
 一見、小さな家のように見えるが、扉を開けると天窓まで続く大らかな空間がある。それでいて、床レベルの扱いにより適度に視野が抑制もされている玄関ホール。グレーの下見板張りの空間は家族の暮らしや緑が加わり、適度な温もりを感じる場となることでしょう。

「ヤマノイエ」
 ランドスケープと建築の関係も含めて、恵まれた条件を生かし、緻密に練り上げた計画力と技術力。大変完成度の高い建築となっています。

「片流れの家」
 おや?と思わせるアプローチからの外観、外観とは裏腹に作り込んだ内部の構成、冬の室の扱いが魅力的です。外壁の着色をやめたいきさつが印象に残り、それでは天井の塗料色を決定した理由は何か?が気になりました。

平倉 直子 氏

「岩倉の家」
 外から家の中に入ると、小さな家に囲まれた広場のような空間がある。高い天空からは光が注ぎ、まるで外にいるようなDKです。外部が内部に回り込んだような杉板壁はグレーに染色され、木の優しさの中に都市を感じる空間となっています。

「ヤマノイエ」
 緑豊かな起伏のある地形にそっと建築を添わせたような佇まいが秀逸です。折れ曲りのあるプランは内と外が同時に見え、境界を曖昧にしています。一日の生活が光と風、緑と共にある週末のゆったりとした時間を過ごせそうです。

「片流れの家」
 矩形の平面形に折れ線のような屋根が全体を覆っている。屋根形状をトレースした天井は濃色で壁と床は淡色で染色され、より天井面が強調されている。天井の勾配がそれぞれの場を分節しながら同時に空間に秩序を与えており、染色したデザインの意図が伝わってくる。

石田 敏明 氏

「岩倉の家」
 方形の屋根の下、四隅に耐震コアに相当する個室の「箱」を配置し、中央が吹き抜けの共用部という明快な構造計画です。「箱」の周囲はスギ板を貼り、グレーの塗装がされています。スギの赤みを抑えつつ、木目を浮かび上がらせる淡いグレーの塗装は、木の温かさに硬質感を加え、空間に清潔な印象をもたらしています。

「ヤマノイエ」
 落葉樹林のひんやりとした空気が感じられる清々しい作品です。斜面に沿って細長く連続する空間は、背面がRCの厚い壁で閉じられる一方、対面する庭側は最小限の木の壁と木製カーテンウォールで開放され、その二面を繋ぐ形で、繊細な勾配屋根の架構が連続します。地形を丁寧に読み取り、シンプルなルールで構造要素を構成した建築です。

「片流れの家」
 不思議に思えた屋根の形は、雪の落とし方を考えているうちにこうなったとわかり、納得。今はきれいな外壁もそのうち汚れそうだなという心配も、その時はグレーの塗装をして経年変化を楽しむとあり、納得。施主ともこのように会話を重ねて作られたのだろうと想像します。こざっぱりした心地よさそうな別荘です。

桝田 洋子 氏
審査委員長
平倉 直子 氏 建築家 平倉直子建築設計事務所 代表
■1950年 東京都生まれ ■1973年 日本女子大学 家政学部住居学科卒業 ■1978年 平倉直子建築設計事務所設立 ■1989〜2012年 日本女子大学 住居学科 非常勤講師 ■現在 早稲田大学 芸術学校、非常勤講師
審査委員
石田 敏明 氏 建築家 神奈川大学 教授
■1950年 広島県生まれ ■1973年 広島工業大学 建築学科卒業 ■1973年 伊東豊雄建築設計事務所入社 ■1982年 石田敏明建築設計事務所設立 ■1997年-2016年 前橋工科大学 教授 ■現在 神奈川大学 工学部 建築学科 教授
桝田 洋子 氏 構造エンジニア 桃李舍 代表
■1959年 大阪府生まれ ■1984年 京都工芸繊維大学 工芸学部 住環境学科卒業 ■1984年 川崎建築構造研究所入社 ■1993年 同大学大学院 工芸科学研究科修士課程修了 ■1989年 桃李舍設立
作品提出(計 467件)
● 住宅部門 218件
● 一般建築部門 140件
● テーマ部門 109件
インテリア 35件
リノベーション/コンバージョン 74件
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