CHANGEMAKER #04 バルミューダ代表取締役社長 寺尾玄

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CHANGEMAKER #04

家電をつくってるんじゃない。
最高のポップミュージックを奏でているんだ。

バルミューダ代表取締役社長

寺尾玄

TERAO gen

2015. 10 .27 公開

interview : KATASE kyoko 
photo : WAKABAYASHI takeshi

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扇風機にトースター。文字通り「前世紀の遺物」のごとき家電を、21世紀のいま「再発明」して大ヒットさせたのが、「バルミューダ」の寺尾玄さん。「いやいや、僕たちが創っているのは家電じゃない。気持ちいい、美味しい ── そんな五感に訴える体験なんだ」。家電業界の壁どころか、ハードとソフトの壁すらも超えるチェンジメーカーが目指すのは、ビートルズやベートーベンのような世代を超えて愛されるポップミュージックでした。

トースターを作るんじゃない。おいしいトーストを提供する

── 自然界の風を再現した扇風機「GreenFan」シリーズや、蒸気と完璧な温度制御でトーストをするスチームトースター「BALMUDA The Toaster」は、きわだったデザインとすぐれた性能が注目され、発売直後から大きな話題を呼びました。扇風機も、スチームトースターもいまさらヒットなんて出せそうもない成熟した家電製品という印象があったのでびっくりしました。

最初に誤解を解いておきましょう。僕たちがつくっているのは「家電」じゃないんです。
扇風機じゃなくて、「気持ちのいい風」を、トースターじゃなくて、「おいしいトースト」を、お客さんに届ける。それが僕たちの仕事なんです。だいたい「家電」ってすでにみんな持ってますからね。だからモノとしての「家電」はもう売れない。

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── 何ならば、売れるんですか?

体験です。ほかで味わえない、五感に訴える体験だけが売れる。「気持ちいい風」も「おいしいトースト」も、皮膚と舌に訴える、つまり五感に訴える体験ですよね。新しい製品じゃなく、だれもが気持ちいいと思うおいしいと思うような究極の体験を、製品を通してお客様に届ける。それがバルミューダの使命だと思っています。

とはいうものの、僕たちも実は迷っていた時期があるんですよ。

「気持ちいい風」を届ける扇風機を開発したらものすごく注目されたこともあって、しばらくは加湿器や空気清浄機など「空気まわり」の製品ばかりをつくっていた。自分たちを「エアソリューション」の会社です、なんて言ったりしていた。
いま考えると、むちゃくちゃダサい話ですが(笑)、なんてことはない、否定していたはずの「家電メーカー」という枠組みに、自らも収まりつつあったわけですから。

── そこで、扇風機の次にトースターというのが、いささか唐突ですが、きっかけはなんだったんですか?

すごく単純で、朝においしいトーストが食べたいな、と僕自身が思ったからです。

朝のパン屋さんって、すごく素敵な焼きたてのパンの匂いがするじゃないですか。
焼きたてのパンって、表面がかりっとしていて中がもちっとしていて。なにものにも代えがたい。
じゃあ、家で朝食にパンを食べようとこれまでのオーブントースターを使ったとして、あのパン屋さんのパンを体験できているか? あらゆる家電メーカーが何十種類と出しているけど、できてないんじゃないか。
だったら、おいしいトーストがちゃんと焼けるトースター、作っちゃおう。それがスタートです。目的はトースターをつくること、じゃない。おいしいトーストをお家で再現しよう。そっちにある。

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スチーム技術と独自の温度制御技術で、おいしいトーストを焼く「BALMUDA The Toaster」

── なぜ、既存の家電メーカーは、「おいしいトーストを焼く」トースターにたどりつかなかったんでしょう。

日本の家電メーカーにはすごい技術がたくさん蓄積されているけれど、たぶん市場の常識みたいなものから脱することが難しくなっている。商品分野ごとにセクションが分かれていて、トースターを作る人はキッチン家電部門の人、扇風機を開発するのは空調家電の部門の人で、それぞれの部門のことだけを考えているかもしれません。
でも、それって、メーカーの都合ではないでしょうか。
僕たちは、作り手である自分たちの都合じゃなくて、お客さまの、個々の人間の「人生」について、考えています。「人生」について考えると、けっきょく欲しいのはモノじゃない。視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚という五感を最高に感動させてくれることを、人間は欲している。そうですよね。

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CLÉ DE CARTIER ─ SIMPLE IS AN ART ─

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シンプルで美しいフォルム

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クレ ドゥ カルティエ ウォッチ WG(ブレスレット)40mm ¥4,600,800

Style

シンプルで美しいフォルム

カルティエのすべてのタイムピースは、建築物を構想する際と同様のアプローチで、3次元の観点から設計される。個性的かつ複雑なラインで構成されるフォルムは、一目でカルティエと分かる強いオリジナリティを持つ一方、一切の無駄をそぎ落としたピュアでシンプルなスタイルへと昇華される。

カルティエの新コレクション「CLÉ DE CARTIER」も、もちろん例外ではない。完璧な円を基調としながら、それを凛としたカーブが取り囲むデザインからは、全く新しいフォルムを見出そうとする意思が汲み取れる。
ケースサイドは、流れるようなアーチを描き、滑らかにして自然。人間工学も考慮され、手首に心地よくフィットする。丸みを帯びたベゼル、次第に細くなるラグ……、計算し尽くされたディテールが、ひとつになって完璧に調和し、気品に満ちた秩序を生み出している。

斬新でありながら、以前から存在していたかのような、時を超えた本質的な美を、目で、そして身に着けたときに肌で、感じることができるに違いない。

CLÉ DE CARTIER クレ ドゥ カルティエ

─ Cartier - カルティエ オフィシャルサイト ─