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インタビュー

[特別対談]ローカル・アベノミクスとエネルギー 分散型エネルギーシステムがもたらすサービス・イノベーションと地方創生(前編)

[特別対談]ローカル・アベノミクスとエネルギー 分散型エネルギーシステムがもたらすサービス・イノベーションと地方創生(前編)
2015年2月18日(水)公開
構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

第3次安倍晋三政権の最重要課題ともいえる「ローカル・アベノミクス」。その具体的な推進策の一つとして、総務省は昨年11 月、「自治体主導の地域エネルギーシステム整備研究会」を立ち上げ、分散型エネルギーインフラシステムの普及によって地域を活性化しようと動き出した。自ら陣頭に立ち、強い意気込みを見せる高市早苗総務大臣と、エネルギーシステム研究の第一人者として国のエネルギー政策に長年関わり、この研究会の座長も務める東京工業大学特命教授の柏木孝夫氏に、地方創生の実現に向けて期待される分散型エネルギーシステムの役割や、それを活用したサービス・イノベーションの可能性などについて議論・提言していただいた。

電力自由化で生まれる7.5兆円市場

柏木孝夫氏(以下敬称略):政府が進める電力システム改革によって、2016年から家庭部門も含め、電力小売市場は完全自由化されます。家庭向け市場は7.5兆円。この資金をどう地域に取り込み、経済の好循環を起こしていくかが「ローカル・アベノミクス」実現のカギともなります。

 総務省は分散型エネルギーインフラプロジェクトを全国で推進するため、昨年11月、「自治体主導の地域エネルギーシステム整備研究会」を立ち上げました。私は座長を務めさせていただいていますが、高市大臣は第1回、第2回の会合とも、最初から最後までおられて議論に加わってくださいました。お忙しい大臣が、ずっと会合におられるというのは珍しいことですね。

「総務省は既に『ローカル10000プロジェクト』推進などに取り組み、成果を上げつつあります。『分散型エネルギーインフラプロジェクト』は地方創生のもう一つの大きな柱と位置づけています」(高市氏)
「総務省は既に『ローカル10000プロジェクト』推進などに取り組み、成果を上げつつあります。『分散型エネルギーインフラプロジェクト』は地方創生のもう一つの大きな柱と位置づけています」(高市氏)

高市早苗氏(以下敬称略):ええ、そうです。総務大臣として出席すべき会議はたくさんありますから。スペシャルですね(笑)。

柏木: それほど、この分野には力を入れていらっしゃると。確かに、各地域が分散型であるコージェネレーション(熱電併給)システムや再生可能エネルギーをうまく活用し、自立的で持続可能な災害に強いエネルギーシステムを構築することは極めて大きな意味があると思います。全国に1800ある自治体のうち半分でも、こうしたシステムを取り入れれば地域は大いに活性化します。安倍晋三首相が進める「ローカル・アベノミクス」の本命プロジェクトと言ってもよいのではないですか。

高市: 第3次安倍内閣の使命は「アベノミクス」効果を全国に波及させ、元気で豊かな地方を創生すること。総務省は既に、雇用吸収力の大きい地域密着型企業の立ち上げを支援する「ローカル10000プロジェクト」推進などに取り組み、成果を上げつつあります。「分散型エネルギーインフラプロジェクト」は地方創生のもう一つの大きな柱と位置づけています。

 最近は気候変動の影響か、台風や集中豪雨、豪雪の被害が拡大しています。昨年12月には、徳島県を中心とする大雪で1万3000軒以上が停電する事態が起きました。こういうニュースを耳にすると、ますます自立型エネルギーの重要性を思い知ります。

 また、地域エネルギーシステムの整備に力を入れているのは、私自身、今の年齢になって痛感していることがあるからです。父が亡くなった後、故郷では高齢の母が一人で暮らしています。体調を崩したり、けがをしたりと何かある度に心配になります。私と同様に、故郷に親御さんを残して都会で働いておられる40代、50代の方は多く、故郷に帰って親の近くで暮らしたいという思いもあるでしょう。けれど、いざとなると子供の教育はどうするのか、仕事はどうするのかといった不安もあり、地方への移住に踏み切れないのが実情だと思います。

 この先、地方移住へのニーズはより大きくなっていくはずです。政治家としての私の夢は、日本全国、どこの地方でも、安全に暮らすことができ、質の高い教育を子供に受けさせることができ、働く場所があるようにすること。それを実現できれば、自ずと日本は確固たる底力を持つようになると思うのです。分散型エネルギーインフラプロジェクトはその強力な手段になると考えています。

 
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プロフィール
高市早苗(たかいち・さなえ)氏

高市早苗(たかいち・さなえ)
総務大臣
自由民主党 衆議院議員
1961年生まれ。奈良県出身。84年、神戸大学経営学部経営学科卒。89年、松下政経塾卒塾。93年、衆議院議員に初当選、現在は7期目。通商産業政務次官、経済産業副大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、イノベーション、少子化・男女共同参画、食品安全など19分野を担当)などを歴任し、2014年9月より総務大臣。自由民主党の政務調査会長、広報本部長なども歴任。

柏木孝夫(かしわぎ・たかお)氏

柏木孝夫(かしわぎ・たかお)
東京工業大学 特命教授
コージェネ財団 理事長
1946年東京生まれ。70年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79年、博士号取得。東京工業大学工学部助教授、東京農工大学工学部教授、東京農工大学大学院教授などを歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機構教授、12年より特命教授。11年よりコージェネ財団理事長。経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し長年、国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー分科会長、基本政策分科会委員などを務める。総務省が2014年11月に立ち上げた「自治体主導の地域エネルギーシステム研究会」の座長も務める。主な著書に「スマート革命」「エネルギー革命」など。

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