スペシャルリポート

[特別寄稿] ロンドン・オリンピックから考える低炭素型都市づくり(前編)

[特別寄稿] ロンドン・オリンピックから考える低炭素型都市づくり(前編)
2017年7月5日(水)公開
 

2020年の東京オリンピックでは、先進的な環境首都として世界にアピールするために、どのようなインフラ整備が求められるのか。そのためには、どのようなことが必要か。都市再生で成果を上げた2012年のロンドン大会を題材に、英国を含めた国内外の事例に精通されている村木美貴 千葉大学大学院教授に解説していただいた。

はじめに

 東京オリンピックまで、あと3年となった。過去の開催地の多くは、かつての東京同様にオリンピックに併せて多くのインフラ整備が進められてきた。大きなイベントは、都市づくりに新しい「ギフト」をもたらす。オリンピックのようなイベントは、競技のための施設整備に留まることなく、後の都市に必要な施設をそこで整備することができる。2012年のロンドン大会で「環境」が重視されたことは記憶に新しい。そこで、本稿では、ロンドン大会がもたらしたエネルギーインフラに着目し、まとめてみたい。

 ロンドン大会から学ぶことは大きい。それは、一つに、ロンドンが最初からレガシーを考えた計画を持っていたこと、そして、地域の質的改変という都市再生が実現しているためである。都市の質的改変の一要素としてエネルギーインフラ整備はあるものの、最終的にもたらされたものは、都市に必要とされる複数の目的の実現であり、そこでは地域を激変させるシナリオとその実現を目にすることができる。東京にはロンドン・オリンピックのメイン会場ほどの衰退した地域は存在しないものの、ロンドンがいかに環境重視型のオリンピック・パークを実現したかは、参考になると考える。

 
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プロフィール
村木 美貴(むらき みき) 氏

村木 美貴(むらき みき)
千葉大学大学院 工学研究科 教授
1996年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程後期修了。同年東京工業大学大学院社会理工学研究科助手、2000年オレゴン州立ポートランド州立大学客員研究員、02年千葉大学工学部都市環境システム学科助教授、08年千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻准教授。13年より現職。

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