社員が元気に楽しく挑戦できる環境づくり――それが「健康経営」という取り組みです。

Interview オムロン ヘルスケア株式会社 代表取締役社長 荻野 勲氏

血圧計や体重体組成計など、健康維持に役立つ多様な家庭用健康機器を世に送り出しているオムロン ヘルスケア。同社は現在のように「健康経営」が経営戦略の1つとして注目される前から、従業員の健康増進に取り組んできた。ここでは、同社がなぜ「健康経営」に取り組み続けてきたのか? そして具体的にはどのような取り組みを行っているのか? 荻野 勲社長にお話を伺った。

Think1

商品も、サービスも1つのツール、
目指しているのはその先にあるもの

「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」というミッションを掲げ、家庭用の血圧計や体重体組成計など、生活習慣病の予防・改善や疾病管理に役立つ商品・サービスの開発、販売を行うオムロン ヘルスケア。同社は前身であるオムロンの一事業部であった時代から、ヘルスケア業界において、様々なイノベーションを起こしてきた。

例えば、1973年に発表した電子血圧計。当時は家庭で血圧を測ることなど考えられなかったというが、先進的に発表した同商品がきっかけで、今や家庭での血圧管理はあたりまえとなり、病院の高血圧治療にも家庭血圧が使われるようになっている。

オムロンヘルスケアのグループ内での位置付け

オムロングループの創業者である立石一真は、 現在のように『健康の大切さ』が説かれるようになる前から、 将来必ずソーシャルニーズとして、 『健康』という要素が重視されるように なるだろうと考えていました。 予想は現実になったわけですが、そういう意味で、 当社は創業者の想いを礎に、早い段階から身体や心の健康に 貢献することに取り組んできました

とグループ内における同社の事業の位置付けについて、荻野社長は説明する。

そんな同社が今、ビジネスを展開する上で掲げるビジョンは「ココロとカラダの健康を作るパートナー」というもの。具体的には「脳・心血管イベント(脳・心筋梗塞など脳や心臓の病気のこと)ゼロ」を目指す。

「我々は『血圧計屋』ではなくて『病気をゼロにしていくために頑張る会社』だという想いを持っています。商品も、サービスも、我々にとっては1つの道具です。我々が実現したいのは、その先にある――例えば、死亡や寝たきりにつながる、血管が切れたり、詰まったりということをなくすこと。その第一歩として、血圧を測ることが必要で、そのために血圧計を提供しているということです」(荻野社長)という。

この想いはメタボリック症候群予防に貢献する体重体組成計や喘息の吸入治療を行うネブライザなどにおいても同様である。

さて、2015年4月の社長就任以来、取り組んでいることを荻野社長に尋ねた。

すると「昨年度、念願の売上高1000億を超えましたが、ここでもう一度我々が目指す姿を定めようと戦略の見直しをしています。社内的には『鳥の群れ』のような柔軟かつ優しさと厳しさを持った会社を目指し、常に変化するお客さまが期待する品質に応えることを徹底したい」との答えが返ってきた。さらに「社員の心身の健康がなければビジネスの拡大は不可能です。そのために社内での『健康経営』を推進する」ことを強調する。

とはいえ、同社の「健康経営」への取り組みは、何も最近始まったことではない。ヘルスケアに携わる企業として、以前から同様の取り組みを続けてきたという。

オムロングループが大切にする価値観には、「失敗を恐れず情熱をもって挑戦し続ける」という言葉があるが、それを実現するための第一歩が「まず社員が元気に会社に来ること」なのだ。また「お客さまに健康になっていただくためのご提案をするためには、まず社員、会社が健康でなければなりません」と荻野社長は付け加える。

つまり、

「健康経営」推進で目指していること

心身ともに健康で、好奇心に満ち溢れる、 『ワークライフバランス』のとれた毎日を 創り出すこと。そんな環境のもと、 社員全員が失敗を恐れずに元気に挑戦し続け、 お客さまの笑顔に繋がる 商品やサービスを創造することを、 私たちは目指しているのです

ということだ。

では、具体的にはどのような取り組みを行っているのだろうか?