年収2000万でも転職できるエグゼクティブ 300万円でも転職できないエグゼクティブ


経験や能力には自信があるにもかかわらず、いざ転職を目指し動いた時に、成功する人と失敗する人がいます。果たしてその違いは何なのか?真に優秀なエグゼクティブとは、どのような人なのか?表に出にくいエグゼクティブ転職の実態を、インテリジェンスエグゼクティブサーチ(IES)のコンサルタント3人が、現場のエピソードを交えながら語り合います。題して、年収2000万円でも転職できるエグゼクティブ、300万円でも転職できないエグゼクティブ。

現在、年収1500万円でも転職できない大企業の重役もいる

中野(裕)
中野(裕)
皆さんは、キャンディデート(転職希望者、応募候補者)の方々から、どんな企業情報を求められることが多いですか。伝えるべき企業情報は企業規模や業種、事業の成長性や主力サービス・商品、さらには求められているポジションなど実にさまざまですが、私の場合、やはりまずは「年収」を聞かれることが多いです。その次に多いのが、企業名や市場におけるブランド力などいわゆる「社格」です。
中野(聡)
中野(聡)
特に大企業で働いている人ほど、その傾向が強いと思います。でも、企業の中身を知らずに、年収や企業名だけで判断することは、転職においてよく陥りがちな落とし穴のひとつです。買い物と一緒で、「有名な商品だから」という理由だけで買う人と、商品の中身を吟味してから買う人、どちらが良い買い物をできるかは明らかです。にもかかわらず、転職のシーンでは前者を選んでしまう人が少なくありません。
中野(裕)
中野(裕)
実はエグゼクティブであっても、転職において重要な情報をご存じないケースが多いです。今働いている企業とそのマーケット周辺の企業については知っているけれど、それ以外の企業の情報や採用市場については意外とご存じない。
自身が把握している情報だけで今後のキャリアを考えてしまうと、本当に描きたいキャリアをつかみ取ることはできません。年収や社名、社格などの表層的な情報だけでなく、「自分が活躍できる場所はどこか?どんな役割が求められているのか?企業の成長に貢献し、その結果、自分自身のバリューを高められるか?」という具体的な判断を下すには、より深掘りした企業情報の収集が必要だと思います。
中野(裕)
小柳
社名は知られてなくても、キャンディデートの希望に合致する企業はたくさんあります。企業が求人に踏み切った背景を把握し、どんな上司の下で働き、どんなメンバーをマネジメントするかという部署の構成を知れば、おのずと求められる仕事と働きやすい環境かどうかが分かってきます。実際に働くイメージが膨らみ、活躍できそうだと感じられたら、興味を持っていただける可能性は高いですね。
中野(裕)
中野(裕)
確かに年収は興味を持っていただくフックになりますが、最近では「年収は入社後、活躍してから増やしていけばいい」という人も増えています。それ以上に大事なのが、企業の将来性や成長性、商品やサービスの魅力、経営者や上司となる人のビジョン、人柄といったポイントでしょうか。どのポイントに最も興味を持っていただけるかを、キャンディデートと対話の中で探り、提案することが多いですね。
また、キャンディデートがまだ気付いていない企業の価値をお伝えすることもあります。例えば、「小さい企業には行きたくない」と言っている人に、「この企業は規模は大きくありませんが、ニッチトップ企業で、この市場では国内ナンバーワンのシェアがあります。成長性も豊かですよ」と話すと、興味を持っていただけることが多いです。
中野(聡)
中野(聡)
さまざまな角度から情報提供をしますが、転職に成功する方は、自分なりの判断軸を持っていることが多いです。「企業規模よりも、自分が判断・実行できる裁量権の大きさが大事だ」や「経営の中枢となって組織を動かすポストに就くことが第一。年収は二の次です」といったように、世の中や周囲に流されずに、自分の考えをしっかり持っている人。そういう人がある意味、エグゼクティブなのだと思います。

現在、年収1500万円でも転職できない大企業の重役もいる

中野(裕)
小柳
今の企業で評価を受けているからといって、転職に成功するとは限らないと思います。社内で積み重ねたものが、社内でしか通用しないものであるケースも少なくありません。社内という狭い視野ではなく、世の中という広い視野を持ち、自分を客観的に見られる人が成功しています。
中野(聡)
中野(聡)
自分の市場価値を客観的に見られる方は、おごりがないですよね。私たちに対しても「教えてください」と謙虚で、常に適切な情報を得ようとアンテナが立っています。ただし、そういう人は意外と少ないのも事実です。
中野(裕)
小柳
同じ年収1500万円の方でも、転職市場での価値が高い人と低い人は、はっきり分かれます。その分岐点は、組織・事業を大きくしてきた人か、組織・事業を維持しかしてこなかった人か、ということです。大企業の重役であっても、ただ単に組織のエスカレーターに乗って出世してきただけの人は、転職市場で求められません。
中野(裕)
中野(裕)
組織・事業を維持するだけの人を欲しがる企業は、ほぼないと言っていいでしょう。そういう人はまさに、年収300万円でも転職できない人と言えるのではないでしょうか。
中野(聡)
中野(聡)
正直、300万円どころか0円でも難しい。経験や知識はあってもリーダーシップがなく主体的に動けないベテラン社員より、テキパキ働き、成長の伸びしろのある新入社員のほうが価値がありますよ。

優秀なエグゼクティブかどうかは、会って1分で分かる

中野(裕)
小柳
「優秀なエグゼクティブだな」と面談などで感じるキャンディデートには、どんな人が多いですか。個人的には経歴だけでは判断できない気がしますが、どうでしょうか。
中野(裕)
中野(裕)
私も職務経歴書だけで判断するのは難しいと感じますね。エグゼクティブ転職の場合、マネジャー採用が多く、プレイヤー採用とは違って専門スキルの詳細がそれほど重要ではないケースが多いという理由もあります。 また、私たちはキャンディデートのエージェントであると同時に、企業の採用エージェントでもあります。私たちを使っていただく企業の求める人材を熟知しているから、キャンディデートとお会いする際も「この人はこの企業にマッチしそうだな。あの企業には合わなそうだな」という視点で見ることができ、細かな情報を確認しなくても瞬時に判断することができます。だから極端な話、会って5分、いや1分で、そのキャンディデートに合う企業がありそうか判断できますね。速い時は、あいさつだけで分かってしまう場合もあります。
中野(聡)
中野(聡)
優秀な人は職務経歴書など書類の書き方が分かりやすいし、適切。だから、あえて面談時に深掘りする必要もない、ということも言えますよね。それに優秀な人は、話題が豊富です。常にアンテナを高く持っていて、新しい情報を取り入れている。何気ない雑談のようでも中身が濃いんです。
中野(裕)
小柳
逆に、面談で自分の過去の実績をひけらかす人に、優秀な人は少ない気がします。例えば、「社内史上最速で部長になりました」とか、その事実自体をアピールされても仕方がない。
中野(裕)
中野(裕)
知りたいのは事実そのものではなく、どんなプロセスで取り組み、どんな影響力を発揮できたかということ。「ビッグプロジェクトに参画しました」というだけでなく、自分で主導したのか、周囲のサポートに過ぎないのか、そこが重要なんですよね。
中野(聡)
中野(聡)
自分の力でやってきた人は、そのプロセスを自分の言葉で語れる。自分でやってきていない人は、逆に深掘りすると漠然とした話に終始してしまうことが多いです。それに、自分でやってきた人は非常に率直に語ってくれます。「主導したプロジェクトは、最終的にはうまくいかなかった。その原因はこうで、こうすべきだったと反省している」など、実に謙虚に客観的にお話しいただけます。

志を持ち、経営者とビジョンを語り合えるエグゼクティブと出会いたい

中野(裕)
小柳
実際に最近お会いしたエグゼクティブの方で優秀だと感じたのは、ある企業の経営幹部へと転職された方でした。年齢は50代にもかかわらず、とても素直で謙虚なんです。ご自身のことを非常によく理解、分析しておられて「まだ経験は浅いが、経営に携わる仕事をしたい」とビジョンも明確でした。それに「面接では何をアピールすればいいかな」と、私に対して貪欲に質問もされていました。
また、プライベートでも30代の人との付き合いもあれば、60代以上のご友人もいる。業界もさまざまで実に幅広い。私自身、プライベートでもお付き合いさせていただいていますが、本当に若々しくて50代にはまったく見えません。好奇心旺盛でオープンな人柄が、仕事にも表れているのでしょうね。
中野(聡)
中野(聡)
確かに年齢はまったく関係ないですね。私の場合、最近驚いたのは30代のIT業界の方です。転職を自分のキャリアの実現という観点ではなく、さらに上の「ITによって、もっと世の中を良くするには」という社会全体の観点から考えておられたのです。だから、転職先企業の社長とは初めての面談にもかかわらず、大いに盛り上がりました。年収、待遇ではなく、「どんな未来をつくってくべきか」という企業のビジョンやミッションの話ができるから、同じ目線で語り合える。会って数分で、転職決定という雰囲気でした。
中野(裕)
中野(裕)
やはり優れたエグゼクティブというのは、自分の判断基準を持ち、大志を持っている人ですね。志を持っていることが、エグゼクティブたる条件だと感じます。
中野(聡)
中野(聡)
大志を持っているけれど、現実もよく分かっている。「理想はこうだけど、実際の世の中はまだこの程度だ」という。そういうバランス感覚を持っている人が、志によって現実を変えていける人なのでしょうね。
中野(裕)
小柳
また、自分を律することができる人でもあると思います。例えば、「趣味がマラソンです」という場合でも、目標もなくマイペースに走るのではなく、「トライアスロンをやっています」というくらいストイックな人は自己管理を怠りません。真剣にスポーツに取り組んでいる人は、趣味のコミュニティから人脈が広がったり、常に新しいことを学ぼうと前向きで貪欲であることが多いですね。
中野(聡)
中野(聡)
年下の人にも横柄にならず、きちんとあいさつできるというのも大事な気がします。優秀な人ほど、コンサルタントとの面談でも実に応対が丁寧です。それに、常に新しいものにチャレンジしています。年配でも、スマートフォンなどを使っている方が多い印象がありますね。

ただ単に企業を紹介してくるだけのコンサルタントには要注意!

中野(裕)
中野(裕)
転職を成功させるには、誰と付き合うかも大切だと思います。DODAエグゼクティブ以外にもさまざまな転職支援サービスが世の中にはありますが、そのコンサルティングレベルは正直、千差万別だと感じています。
中野(裕)
小柳
他社のコンサルタントを評価するわけではありませんが、まず良くないのは、マッチングという視点で厳選せずに、企業を紹介するコンサルタントですね。とにかく企業の良いところしか言わずに、あらゆる企業を勧めてくる。なぜ良いのか、なぜその人に合うのか、という視点で話してくれないコンサルタントは要注意です。私たちの場合、どんなに良い企業でもその人に合わないと判断したら、「やめたほうがいいと思います」と言うこともあるくらいですから。
中野(聡)
中野(聡)
要注意のコンサルタントは企業情報が乏しいから、短絡的な視点からしか話ができないのだと思います。求めるスキルや経験だけでなく、企業のビジネスや成長戦略、採用方針について深堀りした際に、良い答えが出てくるかどうかが良いコンサルタントかそうでないかの分岐点ではないでしょうか。
私たちのゴールは、転職決定ではなく、転職後、その人が活躍できるかどうか。企業も、コンサルタントをそういう長期的な視点から見ているはずです。活躍できない人ばかりを採用支援するコンサルタントでは、企業からの信頼を失ってしまいます。
中野(裕)
中野(裕)
エグゼクティブ層に限りませんが、転職は「入社することがゴール」ではないので、まずはコンサルタントが「この方が入社することによってご本人も事業も成長する」と具体的にイメージできているかを確認したほうがいいですね。

「コンサルタント」というより、「人脈と情報を持っている人」と、とらえてほしい

中野(裕)
小柳
コンサルタントである私たちも、エグゼクティブや企業に選ばれる側なのだという緊張感はいつも持っています。優秀で視点の高い方々に耳を傾けていただける有用な情報提供ができなければ、コンサルタント失格の烙印を押されてしまう。そう思うと、勉強し続け、誠実に真摯に向き合おうと身が引き締まります。
そういう意識を持たないコンサルタントも中にはいますから、優秀なコンサルタントと出会い、付き合えるかどうかで、転職成功が大きく左右されると言っても過言ではないと思います。では、そのためのポイントは何でしょうか?中野さん。
中野(裕)
中野(裕)
もちろんDODAエグゼクティブに登録していただくのが一番ですが(笑)、まずは私たちコンサルタントと直接接点を持つだけでもいいと思います。情報収集に努めて、ご自身の情報や考えを常にオープンにしてほしいですね。今すぐ転職を考えていなくても、情報収集を始めることに早過ぎることはないはずです。極論、私たちコンサルタントでなくても構いません。企業の人事担当者でも成功しているビジネスパーソンでも誰でも良いので、人脈を広げてぜひ情報の網を拡大させてください。
中野(聡)
中野(聡)
私たちと接点を持つ目的は、何も転職目的でなくてもいいと思っています。私たちは、エグゼクティブ層を積極採用している企業やエグゼクティブクラスのビジネスパーソンなど、さまざまな企業や人との接点を持っています。その人脈をビジネスに活用したい、という考えでもまったく構いません。私たちを通じて、新しいビジネスのつながりが生まれるのは非常にうれしいことです。そのつながりは長期的に見れば、私たちの転職支援というビジネスにとってプラスになるはずですから。
中野(裕)
小柳
メディアの流す情報は、玉石混淆です。大衆誌のみならずビジネス誌であっても、私たちコンサルタントから見たら首をかしげてしまうような誤った情報が載っていることも少なくありません。惑わされずに、企業と直接接点を持つ私たちから情報を仕入れてほしいですね。コンサルタントの持つ一次情報が、最も信用できる情報であることは間違いありませんから。私たちを「コンサルタント」というより、「人脈と情報をたくさん持っている人」と、とらえていただくのが良いかもしれません。私たちコンサルタントをビジネスやキャリアに、ぜひ上手に利用いただければと思います。

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