なぜエグゼクティブの面談は時間通りに終わるのか


エグゼクティブ・コンサルタントの小柳慶朗です。これまで13年間4000人以上のキャリアコンサルティングを行ってきましたが、「真のエグゼクティブ」と言える方と出会うたびに、ビジネスパーソンとしての自分の未熟さを痛感します。とりわけキャンディデート(候補者)と、直接お会いする面談の時間は、私自身にとっても多くの学びの場となっています。

今回は、そんな面談時間の中で見えてくる「真のエグゼクティブ」の特徴を書いてみたいと思います。

まず感じるエグゼクティブの特徴は、お会いした際の第一印象です。私のキャリアが13年といっても、企業の中で重要なポストに就くキャンディデートと比較すれば、まだまだ若造です。ですので、心のどこかに「こんな若造に自分の将来を任せてもいいのだろうか」という不安や猜疑心があっても当然です。名刺の受け取り方も、「ま、もらっとこか」みたいな姿勢が伝わってくることもあります。

ただ、自他ともに認めるエグゼクティブという方は、初対面の印象が良く、名刺交換も私より先に名刺を出して、場合によっては私より深く頭を下げていたりもします。そういう方ほどキャリアも並外れているものです。私たちを転職活動のパートナーとして見てくださっているんだ、ということが伝わってきます。そんな方との面談は、和やかな雰囲気から始まりますし、またより一層、力にならせてもらいたいと感じます。立ち居振る舞いひとつで、相手の気持ちをつかんでいる(私はつかまれているほうです)という点も、エグゼクティブたるゆえんかもしれません。

次に、面談中に否定的な発言が少ないことが挙げられます。

転職理由を伺った際に、どうしても現職の会社や職場の不満や非難のコメントが出ることもあります。それ自体が必ずしも悪いわけではありませんが、エグゼクティブは会社を運営する側として長年お仕事をされてきた方が多いので、現状の不満よりもその不満や課題に対して自分はどのように取り組んできたのかと話されることが多く、そのキャリアを活かしてこんなことをしていきたい、というポジティブなお話につながります。ですから、面談は和やかな明るい雰囲気で進むことが多いのです。

また、面談時間についても特徴があると感じます。

お忙しいエグゼクティブのお時間をいただくわけですので、あまり長い時間を面談で拘束するわけにもいきません。私は通常30分から45分程度で面談の時間を設定して、その中で必要な情報を提供しお話を伺うのですが、中には話に熱中するあまり、時間をオーバーしてしまう方もいらっしゃいます。もちろんキャンディデートの思いをしっかり聞かせていただくことも大切なことですので問題だと感じませんが、エグゼクティブの面談時間は、いつも予定の時間通りに終わるのです。

この違いは何にあるのかと考えたのですが、エグゼクティブとのコミュニケーションはシンプルだからではないかと思います。つまりお互いに必要な情報が何かを十分に理解し、論点を明確にしたコミュニケーションをされているのだと思います。そして根底には、お互いの時間を大切にしようという配慮、思いやりを感じます。

そして最後にエグゼクティブの特徴をもう一つ挙げるとすれば、情報開示にとても積極的であるということです。

私たちエグゼクティブ・コンサルタントは個人のキャリア支援を行うだけでなく、企業の採用パートナーでもあるのですが、ある大手自動車サプライヤー企業の案件のエピソードをお話ししたいと思います。なかなか先方の採用方針が固まらず、面接が終わって数日たってもお返事がいただけない状態でした。キャンディデートにとって待たされている状態はストレスがかかるものです。そんな中、キャンディデートであるAさんは決して感情的になることはありませんでした。むしろ先方の事情を察し、「私のこんな情報が必要じゃないかな」と逆に提案してくださいました。本来なら私がAさんにお願いするべきですが、「小柳さんの顔をつぶさないようにしないとね」とまで言ってくださった時は、本当に頭が下がりましたし、見習わないといけないと思いました。

今回は、面談の時間の中で見えてくる特徴を挙げさせていただきましたが、共通する点は皆さんとても「謙虚」であるということです。それは「真のエグゼクティブ」であればあるほどその傾向があり、人を選んで態度を変えたりしません。

松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助さんもこんな言葉を残しています。

素直な心からは謙虚さが生み出され、
謙虚さから人の話に耳を傾けるという姿勢が現れてくる。


私自身も謙虚さを忘れず、エグゼクティブの皆さんから日々学び、支援させていただきたいと思います。

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