第4章 - ルワンダ 農業立国編
マカデミアナッツ、ヒマワリ、リンドウ、コーヒー!
日本の知恵で、高付加価値の商業作物が、外貨を稼ぐ

はじめて訪れたルワンダ。首都キガリは、アフリカの国々を見慣れた私の目からしても、実に洗練された近代的な街です。キガリはもしかするとアフリカ随一の安全安心な首都と言えるかもしれません。

そのうえ、前の章でご紹介したように、ルワンダはいまICT立国を目指して、さまざまなICTベンチャーが花盛り。ですが、それは首都キガリだけの話。四国の1.5倍ほどの面積の国土で、人口は四国の3倍。アフリカ随一の人口密度を誇る国で国民の7割は農業に従事しています。

ルワンダは、アフリカ大陸の中では比較的に水に恵まれており、農業に適しています。一方でその国土は「千の丘の国」と呼ばれるくらい土地の起伏が激しく、山谷がずっと続いています。このため、大規模農地がほとんどなく、生産性が低い。それから、海に面していない内陸国ですから、輸出ビジネスを単独で開発しにくいハンデを抱えています。

そんな制約を受けながらも、ルワンダ政府は、農業の進歩に大きな期待を寄せています。

JICAルワンダ事務所の高田浩幸所長にうかがいました。

「ルワンダ政府が2000年に策定した中長期的な国家開発計画「ビジョン2020」では、2020年までに1人当たりのGDPを2000年の220ドルから1240ドルに成長させて、中所得国になることを目標に掲げていますが、その実現のキーとなるのが農業なのです」

でも、どうやって生産性の低い農業で発展できるのでしょうか?

「穀類などを大量につくって輸出するような農業ビジネスは、内陸国であるルワンダには不向きです。そこで、いま注力しているのが高付加価値の商業作物を育てて、ブランドにすること。具体的にはマカデミアナッツ、花卉(かき)、そしてコーヒーです。いずれも日本の国際協力で多くの日本人専門家や起業家が、ルワンダの農業革命に参加しています」

日本の技術で、ルワンダにヒマワリ畑ができました

高付加価値農業! たしかに、価格が高いナッツや花卉、コーヒーなどがブランド商品になれば、輸出産業になりそうです。

ちなみに、ルワンダの農産物の総輸出金額は 、2010年の統計で 約1億800万ドル。そのうちコーヒーと紅茶が84%を占めたといいます。

「ルワンダは、ほぼ赤道直下にもかかわらず標高が1000m以上あるので、1年を通して、日本の軽井沢のような実に快適な気候です。このため、もともとお茶やコーヒーのような商業作物の栽培には適しており、細々とビジネスは展開されていました。この地の利を生かして、コーヒーや紅茶に加えて、ルワンダ発のナッツや花卉を海外の先進国に販売しようというわけです」

高田所長のお話を聞いて、アフリカで汗を流す起業家のひとりとして、ベンチャー魂が疼きます。ルワンダの農業で、日本の専門家や起業家が、どんな働きをしているのだろう?

では、マカデミアナッツ、花卉、そしてコーヒーをルワンダの名物にしようと挑戦している日本の専門家とルワンダの農家の人たちに会いにいってみましょう。