デジタルトランスフォーメーション デジタルの力で未来を変える

Microsoft Foresight Report 01 最新デジタル技術が可能にする日本の第四次産業革命製造業におけるデジタルトランスフォーメーション。その実現に向けて

マスカスタマイゼーション新機軸
サプライチェーン連携やエコシステム形成など、課題はまだ多い

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ&パートナーサービス統括本部 部長
デジタルアドバイザー
明石 省吾 氏

日本マイクロソフト株式会社
執行役 最高技術責任者(CTO)
榊原 彰 氏

パネルディスカッションのモデレーターは、日本マイクロソフト エンタープライズ&パートナーサービス統括本部 部長 デジタルアドバイザー 明石省吾氏である。

明石氏が設定した1つめのテーマは、「デジタル技術によって何ができるのか~次世代型製造業へ転換するには」。パナソニックの梶本氏は「最終的な顧客と工場が直接につながることによって、マスカスタマイゼーションが可能になります」と語り、DMG森精機の川島氏は「工場と工場、工場とサプライチェーンがつながっていけば、生産効率がグローバルに改善されるでしょう」と期待する。一方、横河電機の谷口氏は「ビッグデータの解析手法を高度化するためにM&Aでオペレーションノウハウを強化しています」と明かし、マスカスタマイゼーションなどの新機軸についてはリーンスタートアップの開発組織を別に立ち上げたという。

また、マスカスタマイゼーションでは企業間のバリューチェーンをいかにスムーズに連結するかが鍵となる。日本マイクロソフト 執行役 最高技術責任者(CTO) 榊原彰氏は「当社のIoT/クラウドソリューションなら、バリューチェーンの全体に対して統一的な支援を提供可能です。小さく始めることによって、世の中の変化に素早く追随できます」と強調、経済産業省の西垣氏は「シミュレーションモデルの作り方を標準化する“共通言語”が今後は重要になるでしょう」と指摘した。榊原氏によれば、マイクロソフトが策定した計測制御インタフェース「OPC」は世界の多くの製造業に支持されているという。

2つめテーマ「新しいエコシステムを作るための技術に対する要件」について、パナソニックの梶本氏は「最初は“敵に塩を送る”ように見えても、プラットフォームやAPIをオープンにして他社を巻き込むことが大きな生態系を作るには効果的でしょう」との考えを表明。横河電機の谷口氏は「ビジネスをいかに加速するかという観点に立って、当社にない解析技術を持つ企業とのエコシステム形成を急いでいます」と語った。DMG森精機の川島氏は「『データは誰のものか』ということ。そろそろ法整備や指針策定を考えるべき時期に来ています」との問題提起をした。

最後にモデレーターの明石氏が取り上げたのは、「日本の一般企業にはIT技術者が少ない」というかねてからの問題である。「当社の場合、データサイエンティストは社内の“徒弟制度”で育成しているというのが実情です」と横河電機の谷口氏。DMG森精機の川島氏からは「人材の流動性が低い日本の社会では、すぐに解決するのは難しい」、パナソニックの梶本氏からは「ソフトウェアエンジニアに対する金銭的な処遇を改善する必要がある」とのコメントが寄せられた。

顧客の“異次元”な要求に答える
国内製造業に求められているのは顧客に価値を示せる企業への転換

「日本の製造業は、かつてほどには品質に絶対の自信を持っていません」

日本マイクロソフトの武本大作氏は、巷間に広まっている日本のものづくり伝説を、こう訂正する。むしろ、現実の製造業が悩んでいるのは、顧客からの要求が“異次元”のものとなりつつあること。「以前は品質や仕様の詳細点について問われることが多かったのに、現在では『この設備投資でどれほどの投資利益率(ROI)が見込めるか』という経営レベルの課題を投げかけられるようになっています」と武本氏はいう。

日本マイクロソフト株式会社
第二インダストリー統括本部 
インダストリーソリューショングループ
製造インダストリーマネージャー 
武本 大作 氏

となると、日本の製造業にとって今もっとも必要なのは、顧客に提供できる価値を明らかにできるようなビジネスモデルへの転換ということになる。「まずは、顧客がどのようなプロセスにどのようなリソースを投入しているかを調べて、どこに課題があるかをあぶりだすべきでしょう」と武本氏。そのうえで、手持ちのデータから効果が得られるかを最小構成のクラウドによる短期間での検証を繰り返すアプローチをとるのが正しいと指摘する。本格的なシステム導入のための構成案を練るのは、その後だ。

では、実際には、どこから手を付ければよいのか。「最初にやっていただきたいのは、どこに目を付けるべきか、そのプロセス改善や課題解決に“やるだけの価値”があるかを見極める『ビジネスバリュー設定』です」と日本マイクロソフトの明石省吾氏は語る。この段階から企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するコンサルティングサービスとして、マイクロソフトはデジタルアドバイザリーサービスを提供していると説明する。

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ&パートナーサービス統括本部 
部長 デジタルアドバイザー 
明石 省吾 氏

デジタルアドバイザリーサービスで提供されるのは、Vision(デジタルビジョンの策定)、Value(ビジョンの価値具現化計画)、Realize(ビジョンと価値の具現化)の3段階のサービス。調査結果に基づいてデジタルジャーニーマップやソリューションストーリーボードを作成し、計画案ごとに「ビジネスシナリオやビジネスケース」を作ってビジネス価値を評価し、ラピッドプロトタイピングによって素早く実装するというのが大まかな流れだ。

Vision、Value、Realizeの3段階のサービスによって、
デジタルビジョンの策定から具現化までを支援

企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するにあたって、マイクロソフトはその企業とのパートナーシップも重視している。「お客さまはそのビジネス領域のプロです。当社をテクノロジーのプロとして評価をしていただき、双方の信頼関係、パートナーシップ構築が成功のかなめと考えています」と明石氏はいう。一方、大多数の企業にもデジタルトランスフォーメーションの成果を享受してもらうため、応用範囲の広いアプリケーションを再使用可能ソリューション(repeatable solution)としてMicrosoft Azure Marketplaceで公開して普及を促していきたいという。

マイクロソフト デジタルアドバイザリーサービス
https://www.microsoft.com/ja-jp/services/strategy/das.aspx

Contact

日本マイクロソフト
https://www.microsoft.com/ja-jp