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デジタルトランスフォーメーション デジタルの力で未来を変える

Case study 01 大成建設が「働き方改革」に注力 「いつでもどこでも仕事ができる」環境を整備スーパーゼネコンが取り組むデジタル変革とは?

日本を代表する「スーパーゼネコン」として、数多くの大規模な工事現場で多くの社員が日々業務を遂行している大成建設。同社では企業競争力強化のためにICTを活用した「いつでもどこでも仕事ができる」働き方改革に大きく舵を切った。同社で常務社長室長を務める平野啓司氏と日本マイクロソフトの社長である平野拓也氏に「働き方改革」や「デジタルトランスフォーメーション」を推進する秘訣を聞いた。(聞き手は、日経BP イノベーションICT研究所所長の桔梗原富夫)

桔梗原:東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年まで建設業界は好況が続くといわれていますが、現状の経営環境をどのように認識していますか。

大成建設
常務社長室長  平野 啓司 氏

平野啓司氏:建設業を取り巻く環境は、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたインフラ投資や大規模な再開発事業などによって、堅調に推移しています。ただし、人口減少局面にある日本では、建設需要の伸びが永久に続くわけではありません。新設を中心とした従来型の建設投資は長期的には縮小していくでしょう。

前回、東京でオリンピックが開催された1960年代には、大会後に民需の落ち込みで建設不況に陥りました。今回も、オリンピックの後には建設需要が減少すると思いますが、前回ほどではないと予測しています。老朽化した道路や橋の改修など、国の営みを支える大型インフラの整備・維持といったニーズがあるからです。

これに加えて、国際競争力の維持・強化のためのインフラ整備、最先端の研究・製造施設への設備投資、都市の魅力を高めるための都市再開発なども考えられます。2020年以降も、楽観はできませんが、悲観するほどの状況ではありません。

デジタルテクノロジーがビジネスそのものに

桔梗原:ICT業界の経営環境は、どのような状況でしょうか。

日本マイクロソフト
代表取締役 社長  平野 拓也 氏

平野拓也氏:私たちの業界は今、大きな転換点に立っていると考えています。ICTの役割が変わりつつあるからです。

これまでのICTは、企業のビジネスを支えるインフラとしての役割が中心でした。しかし、「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が象徴しているように、デジタルテクノロジーがビジネスそのものになりつつあります。「AI(人工知能)」や「IoT(モノのインターネット)」といった言葉がバズワードから脱却して、新しいビジネスを創出する源泉になってきたのです。「セキュリティ」という言葉も、ICTの専門用語から経営課題としてのキーワードに変わりつつあります。こうした変革の動きが、これからあらゆる企業に広がっていくでしょう。

世界的に見ても極端な少子高齢化が進む日本では、これから労働生産性を大きく向上させなければなりません。国を挙げて、デジタルトランスフォーメーションを推進していかないとグローバル市場で勝ち残れません。

品質と安全の確保で高い顧客満足を得る

桔梗原:大成建設は、2015~2017年の中期経営計画で「建設事業本業の深耕」という基本方針を打ち出しています。これについて説明していただけますか。

平野啓司氏:品質と安全の確保によって高い顧客満足を得る――このことを第一義に考えて仕事をしようというものです。人口が減少していく日本では、民需も減ってきます。そうした中でも、お客様から「大成建設に頼もう」とお声をかけていただくためには、品質と安全が何よりも大切です。この基本方針には、「多忙な今だからこそ、建設事業本業の原点に立ち返ろう」という思いも込められています。

お客様に高い付加価値を提供できる分野として、「リニューアル・リプレイス」「環境」「エンジニアリング」「都市開発」「原子力」の5つに注力していこうと考えています。さらに、エネルギー全般や海外で大きな収益が上がるように組織の構造を変えているところです。

桔梗原:今回の大きなテーマである「働き方改革」には、どのように取り組んでらっしゃるのですか。

平野啓司氏:弊社では、「働き方改革」の目的を生産性の向上とダイバーシティ経営の推進と位置付けています。ダイバーシティ経営に向けての取り組みでは、厚生労働省や経済産業省から賞をいただきましたが、一方で生産性向上が大きな課題となっていました(2007年以降5回の厚生労働省「次世代育成企業認定(くるみん)」、2015年の経済産業省「ダイバーシティ経営企業100選」、2016年の厚生労働省「イクメン企業アワード2016」特別奨励賞を受賞)。

そこで、中期経営計画に「ICTによるワークスタイルの変革」と「現業部門の生産性向上に寄与するICTの活用」を掲げて「働き方改革」に取り組んでいます。

建設業では多くの社員が社内ではなく、建設現場で仕事をしています。弊社には千数百カ所の現場があり、情報共有やコミュニケーションの壁が生まれやすい状況にあります。生産性を高めていくには、この壁を取り除かなければなりません。

そこで、情報企画部では「ICTを活用した生産性向上」を、「情報共有やコミュニケーション環境を整備して、時間の創出と業務スピードの向上を実現すること」と定義しました。これを実践するためのプラットフォームとして、Office 365を大成建設グループ全体に導入しました。

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