「アウディ元デザイナー」と「Pepper元開発リーダー」が語る機能性と美しさの相関関係 先進のテクノロジーと使いやすさを融合した機能美 本物を知る 大人が選ぶ 究極のシェーバー

アウディのデザイナーを経て現在は独立して独自のプロダクトデザインを手がける和田智氏と、エンジニアとしてトヨタでF1のプロジェクトに携わり、ソフトバンクではPepperを開発、現在は独立して新たなロボット作りに取り組む林要氏。モノづくりの最先端においてデザイナーとエンジニアという異なる立場で仕事をする2人が、デザインとテクノロジーが見事に融合した新しいBRAUNシリーズ9を体感。それぞれの視点からシリーズ9の魅力を語っていただいた。

機能性を追求していくと美しい形に辿り着く

――和田さんはデザイナーとして、林さんはエンジニアとして、それぞれ最先端のモノづくりに携わっていらっしゃいます。そこでまずはそれぞれのお仕事のなかでデザインとテクノロジーの融合、あるいはそのバランスに関して印象に残っているエピソードをお聞かせください。

和田智氏(以下、敬称略) アウディにいた時のことですが、R8でルマンに出場する際のお手伝いをしたことがあるんです。その時の経験はまさに目から鱗でしたね。それまで、作る時に形を決めるのはデザインの仕事でした。ところが、レースカーにとって最大の使命である「より速く走る」ことを追求していけば、デザイナーの美的感覚だけではどうにもなりません。空力なども含めて速く走るための機能によって形が決まっていくんです。市販車をデザインするのとは全く異なり、機能がデザインをもたらすという体験がとても新鮮だったことを覚えています。

和田智氏 SWdesign代表取締役/CEO

武蔵野美術大学基礎デザイン学科を卒業後、1984年に日産自動車に入社。同社シニアデザイナーとして量産車のデザインを多数手がける。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを経てアウディAG/アウディ・デザインへ移籍。同社シニアデザイナー兼クリエイティブマネージャーとして活躍後、2009年に自身のデザインスタジオを設立。

林要氏(以下、敬称略) 私も似た経験があります。トヨタ自動車でF1のプロジェクトに参加していた時に感じたのは、機能性を追及していくとあるひとつの形に辿り着く、ということです。スタイリングデザイナーが形を作る市販車とは異なり、フォーミュラカーはエンジニアがCADで描いたスタイルがそのまま形になってコースを走ります。そのため、さまざまな制約=レギュレーションに合わせて最も速く走れる形を追求していくと、エンジニアにとっては“これしかない”という形に行き着くのです。

和田 確かにそういうことはあると思います。私が関わったのはビジュアルだけですが、自由にデザインできないからこそエンジニアリングについて勉強もしましたし、制約のある中でデザインすることも面白いと感じられるようになりました。その時の経験は、後に市販車のデザインに生かすことができたので、レースは貴重な学びの場だと感じましたね。

AppleやSONYのプロダクトデザインに多大な影響を与えた「BRAUN」というブランド

――お2人とも過去にドイツでクルマに関わるお仕事をされていたんですね。今回体験していただいたのは、ドイツのブランド「BRAUN」が誇る電動シェーバーのフラッグシップモデル「シリーズ9」です。BRAUNは、これまで人々の暮らしに寄り添う革新的な製品を数多く世に送り出し、世界中の人々に愛され続けてきました。お2人にとって、そんなBRAUN製品の印象はどのようなものでしょうか?

シリーズ9 9295CCシルバー 充電式 オープン価格

2人が体験したBRAUN シリーズ9。60年以上にわたるシェーバー開発の集大成といえるスペックを備えるフラッグシップモデルだ。

和田 エンジニアだった父がBRAUNのシェーバーを愛用していたので、BRAUNというブランドは毎朝洗面所に立つ父の記憶と強く結びついています。機能性や見た目の美しさだけではなく、その音も父の存在感や親密さの象徴であり、大人の世界への憧れでした。そんな幼少期の記憶が、いつしかBRAUNというブランドへの憧れとなっていったように感じます。

 幼少期まで遡るのですね。私は大人になってからですが、BRAUN製品で印象に残っているのはトラベルシェーバーです。出張や旅行などに欠かせないコンパクトで軽量な電動シェーバーですが、持ち歩く際に最も気になるのがバッグの中で勝手に作動してしまうというアクシデントです。その点、ブラウンのトラベルシェーバーは本体と一体型になったカバーを回転させて刃を出さないと電源が入らない仕組みになっているので安心。機能性を追及した結果としてたどりついた合理的かつ美しい形なんです。もちろん剃り味も抜群で、出張が多い身としてはとても重宝しました。

和田 私の場合、幼少の頃からBRAUNに憧れていたというのもあって、プロダクトデザインに興味を持つようになってからは、1950~60年代にBRAUNのデザインを牽引したディーター・ラムスから大きな影響を受けました。もしBRAUNというブランドが存在していなかったとしたら、私はプロダクトデザイナーになっていなかったかもしれないというくらい私にとっては大きな存在なんです。

世界初のシェーバー開発から66年 BRAUN史上最高モデル「シリーズ9」に触れて

――「シリーズ9」は60年以上の歴史と伝統をもって、5年という長い開発期間を経て誕生しました。まさにBRAUNのシェーバーづくりのノウハウの全てを注ぎ込んだ逸品です。そんな「シリーズ9」に触れた印象についてお聞かせください。

 現代の電動シェーバーに求められる機能性を追求した結果として、ヘッドの大きさや手にした時の重さ、バランスなど、これ以上足すことも引くこともできない、まさにこれしかないという1点を追求しているように感じます。トヨタのF1プロジェクトでドイツに滞在していた時に感じたのは、ドイツ人はモノづくりにおいて「普遍的に正しいものとは何か?」ということを追求し続けているということです。日本人は良くも悪くもあるひとつのスペックに着目するとそれを高めることに集中しますが、ドイツではひとつにフォーカスするよりは、いい部分といい部分を融合させて、全体的に高めようとしている印象です。このシリーズ9も、全体としてこれしかないという合理性が追求されていると感じますね。

和田 合理性というと、実は以前この「シリーズ9」のデザイナーと話をしたことがあるのですが、BRAUNではデザイナーとエンジニアが物理的に近い距離で仕事をしているんですよね。この近さが、製品を作るうえでとても大きく影響していると感じます。エンジニアはデザインに意見を言うし、デザイナーもエンジニアに意見を言う。お互いの仕事を尊重しつつも、自分の領域だけに留まることなくよりよい製品づくりを目指しているんです。その結果、ただ単にデザインとテクノロジーが融合しているというだけではなく、形そのものに意味があるというか、感性に訴えかける美しさ、いわば“魂”があると感じるんですよね。

林要氏 GROOVE X 株式会社CEO

東京都立科学技術大学大学院を卒業後、1998年にトヨタ自動車に入社。スーパーカーLFAの空力開発に携わった後、ドイツでF1マシンを開発。帰国後は製品企画部で量産車開発に従事した後、2011年にソフトバンクアカデミアに参加。翌12年にソフトバンクに入社してPepparの開発リーダーを務める。15年9月にソフトバンクを退社してGROOVE Xを設立し、新たなロボット開発に取り組む。

2人が「シリーズ9」を体感