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不動産証券化の新たな投資先として高まる首都近郊エリアの魅力

リアルコミュニケーションの“場”として最適な“千葉ニュータウン”
野口氏

 では、物流センターやケア施設に続く、経済潮流の変化に沿った投資用不動産の「新たな用途」は何であろうか?

 野口氏はひとつの可能性として、ネットによるコミュニケーションが常態化すればするほど、リアルコミュニケーションの“場”づくりが求められるようになるという。

「Wi-Fiやスマート端末の普及とともに、在宅勤務をはじめとする新しい働き方や、ソーシャルネットワークを利用したグローバルな協業などが当たり前になりつつあります。普段はネットだけでも仕事やプライベートのコミュニケーションが交わせるわけですが、互いに面と向かってアイデアを出し合ったり、情報を交換し合ったりしたほうが、ひらめきや発想が高まり、人的交流もどんどん深まっていくものです。そんなときに、誰もが集まりやすい“場”があれば、人だけでなく、新しいテクノロジーや文化など、いろいろなものが集まってきて、地域全体の活性化にも結び付くのではないでしょうか」(野口氏)

 そんな“場”を置くのに最適な立地のひとつとして、野口氏が注目しているのが“千葉ニュータウン”だ。中心部にある“千葉ニュータウン中央駅”からは、成田スカイアクセス線の特急で成田空港(空港第2ビル)まで21分、日本橋まで38分、羽田空港までは69分と、「都心」からも「世界」からも非常に近い。そこに開発面積1,930ha、計画人口14万3000人と首都圏屈指のニュータウンが存在するのだから、人々や文化が交差する“場”をつくるのに申し分のない立地と言えそうだ。

 また野口氏は、「環境問題への対応策のひとつとして、近年、モーダルシフト(輸送手段を自動車から環境負荷の低い鉄道に転換するという考え方)が盛んに提唱されている中、地下鉄に貨物列車を走らせる計画があるなどの動きもあり、2つの国際空港に鉄道で直結する“千葉ニュータウン” は、それぞれ空港に貨物を運ぶ車両基地などを置くというアイデアにも好ましい立地 ではないでしょうか」と語る。

コンテンツとテクノロジーの接点として有望な“TX沿線”

 このほか野口氏は、東京・秋葉原と茨城県つくば市を結ぶ“つくばエクスプレス(TX)沿線”も、「リアルコミュニケーションや技術・文化交流の“場”を設けるのに適した立地」だという。

「秋葉原はアニメやゲームといったコンテンツの情報発信基地ですし、“TX沿線”には東京大学柏キャンパスや筑波大学などの大学・学術研究機関も充実しています。この沿線に交流の“場”を設ければ、日本の強みであるコンテンツ力とテクノロジーの掛け合わせによって、新たなビジネスが生み出されるかもしれません。これは、成長政略のひとつとして『クールジャパン戦略』を推進する政府の取り組みにも合致する投資だと言えます」(野口氏)

 また、日本のアニメやゲームは世界中で愛され、とくにアジアで人気が高いが、「アジアREITも運用者の世代交代が進み、いまでは日本のアニメや漫画を見て育った30代、40代が中核を担うようになってきました。彼らは先見の明がありますし、日本のサブカルチャーに対する愛着も深いので、日本のREITに先駆けて“TX沿線”でジャパンコンテンツにかかわる新たな用途の物件を開発するかもしれません」と野口氏は語る。

 いずれにしても、海外REITによる新たな需要の掘り起こしによって、今後、地方や首都近郊をターゲットに据えた不動産証券化ビジネスは、ますます活発化しそうだ。

路線図

つくばエクスプレス(TX)沿線”には、コンテンツのメッカである秋葉原や、大学・学術研究機関が集積している。