Vol.01 Digital Innovation

FinTech時代の到来
最先端でサービスを開発する立役者

メガバンクの強みを活かした協業で
FinTech市場を導く

唐橋 そもそもメガバンクであるみずほ銀行が、先陣を切ってAPI 公開を進めているのはなぜでしょう?

大久保 お客さまに選んでいただける銀行であり続けるためには、従来の銀行の枠にとらわれていてはダメだと思っています。銀行と異業種の力を掛け合わせることで、これまでになかったビジネスの可能性が広がります。ただ、どんなに便利なサービスでも、安全に利用できなくては意味がありません。銀行が持つ顧客保護のシステムを活かすことで、生活のさまざまなシーンにおいて便利で、かつ安心して使えるサービスが提供できるんです。

唐橋 常々、スマホやインターネットを活用するサービスは、安全性の見極めが難しいと感じていました。セキュリティにすぐれたメガバンクのシステムを使っているとわかると、安心して利用できますね。

大久保 そうですね。私たちが大事にしているのは、UX、DX、PXの3つ。UXとはユーザーエクスペリエンス、安心・安全で顧客保護の観点に立ったサービスであること。DXとはディベロッパーエクスペリエンス。使い勝手のいいAPIを提供することで、協業する他社がよりよいサービスを迅速につくれるようにする。3つ目のPXは、パートナーエクスペリエンス。単独で頑張るよりも、協業し、力を合わせて一緒に進めていくという姿勢です。案件によっては、銀行同士が手を携えて開発しているものもあります。

新しい金融サービスの浸透で
従来のお金との関わり方が変わる

唐橋 そうした取り組みが進むと、暮らしにどのような変化が訪れるのでしょう?

大久保 FinTechを活用した身近なサービスというと、例えばみずほ銀行ではLINEで簡単に口座残高を確認できるサービス、マネーツリー社との協業で、資産管理が簡単にできるアプリなどをリリースしています。

唐橋 LINEで銀行残高がわかるなんて、すごい。早速使ってみたいです!

大久保 このように銀行の情報と企業のサービスが連携することで、煩雑な手続きを少なくできます。会員カードをつくるときの本人確認なども、指紋や虹彩などの生体認証で完了するようになるでしょう。

唐橋 そうした便利なシステムにも、みずほ銀行のノウハウが活かされていくのですね。今までの常識がガラッと変わりそう!

東京オリンピック・パラリンピックに向けて
金融市場が取り組む挑戦

唐橋 金融機関は規制も多く、新しいビジネスを進めるにはハードルが高いのかと思い込んでいましたが、そのイメージを覆すような革新的な取り組みが進んでいることに驚きました。

大久保 ここ2年続けて銀行法が改正され、規制緩和が進んでいます。日本がさらなる成長を遂げるためには、金融イノベーションが不可欠。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、官民一体となってきっかけづくりをしています。みずほ銀行でもオープンイノベーションでFinTech市場をリードし、成長を加速させようとしています。目指すのは、ここ大手町をアジアトップのファイナンシャルセンターに押し上げること。オリンピック・パラリンピックの経済効果は非常に大きい。日本の金融が大きく成長するまたとないチャンスです。

唐橋 世界に向けた金融センターになっていく、と。

大久保 まさにその通りです。私は、ここでFinTech の専門家を集めたFINOVATORS(フィノベーターズ)という有志団体を立ち上げ、プロボノ活動をしています。スタートアップ企業の支援のほか、海外での金融イノベーションの事例を調べて、政策提言もしています。

また、みずほ銀行としては、API公開をグローバル化することも視野に入れています。海外からの旅行者と当行がつながり、安全に、便利に日本を楽しむことができるようになる。例えば空港でクレジットカードとパスポートの情報を登録すれば、パスポートを持ち歩く必要がなくなる。小銭を持たなくても、指をかざすだけで買い物ができるようになります。

唐橋 それは旅行者にとってもうれしい! おもてなしの心を具現化するシステムでもありますね。

大久保 そうですね。さまざまなシーンでFinTechを活用することで、誰もが安心・安全、便利にサービスを受けられるようになる。大げさかもしれませんが、社会基盤をつくるというイメージで準備を進めています。

唐橋 これからが楽しみですね。本日は、どうもありがとうございました。