
Vol.02 Global Relation
唐橋 “One MIZUHO”でサービスの質を高めている実績が、海外でも評価されているのですね。それは、谷村さんの今のお仕事のなかでも感じますか?
谷村 はい。今、外資系企業の日本法人の営業担当をしています。日本法人への融資、事業計画策定のサポートなどが主な仕事ですが、日頃から親会社や欧州・米州等のみずほ銀行・各拠点ともコミュニケーションをとることが大切です。子会社、親会社、日本と海外の〈みずほ〉の拠点、4者のリレーションを深めることで、お客さまのニーズにいち早く応えることができると感じています。
唐橋 時差や商習慣の違いもあって、欧州、米州の拠点とよい関係性を築くにはご苦労も多いのでは?
谷村 そうですね、米州の案件は午前中の早い時間に、欧州の案件は夕方からが本格始動と、優先的に対応する時間にメリハリをつけて効率的に進めています。外資系の企業はスピードを重視しますので、大きな融資も1週間でまとめなければならないこともありました。ただ、そうした商習慣の違いにも、経験を積むなかで慣れてきました。英語でのコミュニケーションは表現がストレートで衝撃を受けたこともありますが、いちいち落ち込んでいては進みません(笑)。ポジティブシンキングで、今やるべきことに集中して仕事をすることを心がけた結果、気持ちの切り替えもうまくなりました。
唐橋 これまでのお仕事を振り返って、深く印象に残っているケースを教えてください。
谷村 大手メーカーが、ローンを借り替えるリファイナンスのタイミングとなったとき、私は3つの提案をお持ちしました。シンジケートローン、みずほ銀行だけで必要な額を準備する相対のローンに加え、ボンドという選択肢もあります、と。
唐橋 ボンド、社債での資金調達となると、証券の出番ですね。
谷村 ええ。銀行、証券がシームレスに連携することで、幅広い提案が可能になりました。大きな金額の融資でしたので、提案は直接、親会社に。私と欧州拠点のスタッフ間でも綿密にリレーションをとって提案に臨みました。
唐橋 規模も大きいし、関わる人数も本当に多い! でもそれはすべて、お客さまにとって最良の答えを導き出すためなんですね。
谷村 また、このリファイナンスについては、私たちみずほ銀行の目先の収益ではなくお客さまの成長に寄り添うことを重視しました。長期間にわたって強固なリレーションを築いていけるのは、日本の銀行の強みといわれています。
唐橋 関係を深めることに重きを置いて提案をされたわけですね。
谷村 はい。確かに日本法人のみで見れば収益は高くありません。しかし、大きな融資を成功させ、お客さまのニーズに応えリレーションがさらに強まったことで、これから先、親会社との事業やアジア各国に進出する際のサポートなど、より多くの案件で力を合わせていくことができる、と判断しました。
唐橋 お客さまとの関係性もグローバルベースで考える。広い視野が必要となりますね。
谷村 はい、テレビ会議では親会社のCFOの方と直接お話しすることも。グローバル企業のマネジメントの方々と直接話をしながら、主体的に案件を進めていけるのは、この仕事の醍醐味です。
唐橋 日系企業の海外進出、外資系企業の国内参入と世界がますます狭くなる今、こうした取り組みはより一層求められていきますね。本日はありがとうございました!