2017年11月24日、 東京・大手町の経団連会館で、「APPサステナビリティフォーラム」が開催された。APPの環境・地域活動や、ベランターラ基金の活動リポートが発表され、同社が進める資源循環型経営の現状に、多数の来場者が耳を傾けた。

APPジャパン
代表取締役会長
タン・ウイ・シアン 氏

APPサステナビリティフォーラムは、APPジャパンのタン・ウイ・シアン会長による開会挨拶でスタートした。まずは、1997年に設立され、20周年を迎えたばかりのAPPジャパンの歩みを紹介。続いて、このイベントのためにインドネシアから来日したエリム・スリタバ氏(APP持続可能性およびステークホルダー担当ディレクター)が登壇し、「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」を2012年に発表してからの、同社の資源循環型経営の進捗状況について説明した。泥炭地の調査・管理や、地域活性化に向けた取り組みなどについて話した後、2030年に向けた新たなビジョンや、今後の取り組みの一端についても言及した。

スリタバ氏に続いて、APPの資金提供により設立された「ベランターラ基金」事務局長を務めるスリ・マリアティ博士と、同副会長のジャトナ・スプリアトナ教授が、基金の活動について報告。自然を守りつつ地域開発に取り組む方法の1つとして、エコツーリズム(自然環境、文化、歴史を観光の対象としながら、その保全を目指す観光形態)の重要性を指摘した。スプリアトナ教授は、2018年にインドネシアで開催される「2018年アジア競技大会」が、エコツーリズムを実践する好機になるとの見方を示した。

休憩をはさんだ後、PEFCアジアプロモーションズの事務局長を務める竹内晴義氏が、「PEFC/SGEC森林認証」について紹介。10カ国消費者調査によると、森林認証のロゴラベルを積極的に求める人が多いという結果が出ており、ユーザーは企業ブランドよりもロゴラベルを信頼する傾向があるとし、森林認証ロゴラベルの重要性を指摘した。最後にAPPジャパン代表取締役社長の日暮格氏が、APPの概況と日本市場の動向について説明。12週間で自然に還る新たな生分解性紙製品の、今後の販売予定についても言及した。

このイベントのために来日した、エリム・スリタバ氏(APP持続可能性およびステークホルダー担当ディレクター)に、フォーラムの開催目的、同社の環境への取り組みについて聞いた(聞き手は日経ビジネス 企画編集センター長、泉恵理子)。

APP
持続可能性およびステークホルダー
担当ディレクター
エリム・スリタバ 氏

泉:APPサステナビリティフォーラムを開催された目的は何ですか。

スリタバ:2013年に自然林の伐採ゼロを含む「森林保護方針(FCP)」を発表して、今年で5年目になります。これを機に、現時点での進捗状況を日本の皆様にお伝えしたいと思いました。COP21の時に正式に発表された「ベランターラ基金」についても、その進展状況を日本の皆様にお話したかったので、このフォーラムがお伝えする好機になりました。私は今年の5月に持続可能性およびステークホルダー担当ディレクターに就任しましたので、このフォーラムは、日本のステークホルダーの皆様に直接お目にかかれる良い機会となりました。

泉:地域住民を巻き込み、森林保護を一緒に進めてもらうために、教育・社会活動にも注力されているわけですね。

スリタバ:その通りです。森林保全を実行する上で、地域コミュニティは重要な要素です。もし地域コミュニティが持続可能な収入がなければ、農業や家畜の飼育で生計を立てるために、森林伐採に手を付けるかもしれません。このため、私たちは地域コミュニティに持続可能な代替の生計手段を提供し、森林伐採をしないようにアグロフォレストリー計画を開発したのです。

日経ビジネス 企画編集センター長
泉恵理子

泉:ローカルNGOとも連携して活動を進めていますね。

スリタバ:森林保護と保全は大規模なスケールの取り組みであり、APP単独ではできません。地方政府、ローカルNGO、地域社会の協力が必要です。NGOと連携したのは私たちが同じ目標を共有し、また既に彼らがその地域で何らかのプロジェクトに取り組んできた実績があるからです。彼らと連携して取り組むことによって、私たちの目的がより早く達成できることを願っています。

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