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題字中塚翠涛氏

2017 REVIEW
アトラシアン
多様な人材による強いチームが
新たな価値創出の原動力に
ビジネス環境の変化に即応していく上では、社内の様々な部門で活動するチームの力を強化する取り組みが不可欠である。中でも重要なのが、新たな価値創出を可能にする柔軟で強いチームの育成だ。計画・課題管理ツールやコラボレーションツールなどの開発を手がけるアトラシアンでは、こうしたチーム作りを自ら実践。多様な人材が自由にアイデアを出し合える企業風土を築くことで、組織の活力を向上させることに成功している。日時:2017年6月9日(金) 会場:六本木アカデミーヒルズ

大きく変化する市場環境に求められるチーム像とは

アトラシアン株式会社 代表取締役社長 スチュアート ハリントン氏  豪州・シドニーに本社を置くアトラシアンは、ソフトウエア開発業務などの生産性向上を支援するソリューションを提供する企業である。2002年の創業以来着実に業績を伸ばし続けており、豪州ハイテク企業としては異例のNASDAQ上場も果たしている。

 「『あらゆるチームの可能性を解き放て』が当社のミッション。世間ではスティーブ・ジョブズのようなヒーローに注目があつまりがちですが、天才の偉業の陰には必ず優れたチームの存在があります。最も複雑な業務の1つといわれるソフトウエア開発の領域で培ったノウハウを生かし、様々な業種におけるチームの連携をサポートするソリューションをご提供しています」と同社のスチュアート ハリントン氏は話す。


図1 変化するチームのあり方 図1変化するチームのあり方 生産効率や品質を最優先する従来型のチームだけでは、今までにない新たな価値を生み出すことは難しい。今後は多様な人材が自由にアイデアを出し合える柔軟なチームが求められる  同社がこのようにチーム力に着目するのは、世の中から求められるチームのあり方が大きく変化しているからだ。「従来型のチームにおいては、工業製品の生産ラインのように、効率性の高さが最も重視されていました。プロセスや規則を標準化してバラつきをなくし、同じ品質の製品を大量に出荷できるようにするといった具合です。しかし、企業がさらなる成長を目指す上では、ある程度のガードレールの中で多様性を持った人々が自由にチャレンジするチームも欠かせません。こうしたチームの力を生かすことで、新たな価値の提供が可能になるのです」とハリントン氏は説明する(図1)。

 もちろん、いくら時代が変わっても、前者のようなチームが全く不要になるというわけではない。しかし市場環境の変化などに即応していくためには、ビジネスの効果にフォーカスするチームも作っていく必要があるということなのだ。「当社でもこの分野に着目し、強いチームを作るご支援を行っています」とハリントン氏は続ける。

進むべきゴールを明確に提示し多様な人材でチームを構成

図2 強いチームを作る4つのポイント 図2強いチームを作る4つのポイント チーム力の強化を図っていく上では、「明確なゴールを定める」「多様な人材によるチーム構造」「マインドセットの浸透」「組織からのサポート」の4点が重要なポイントとなる  目覚ましい躍進を続ける同社でも、強いチームを創り上げる取り組みを自ら実践中だ。そこには4つのポイントがあるという(図2)。

 「まず1つ目のポイントは、『道しるべ』となるゴールの存在です。霧の中をさまようような状況では、どんなチームも力を発揮することはできません。しかし、全員が意味のあるゴールを共有できれば、その方向に向かって進めるようになります。当社でも常にこのゴールに辿り着くための議論を行っています」(ハリントン氏)

 具体的には、それぞれのチームが「中長期の目標(VISION)」「そのために必要なテーマ(THEMES)」「注力すべき領域(FOCUS AREAS)」「成功を測る基準(MEASURE)」の4点からなる「VTFM」を設定し、四半期ごとの発表を実施。目指すべきゴールに向かって進んでいるかを確認しながら取り組みを進めている。

 「ただし、このVTFMだけでは内容が抽象的になってしまう場合もあるため、実際の現場では『目的(Objective)』と『達成結果(Key Result)』の頭文字を取った『OKR』という仕組みも活用しています」とハリントン氏は話す。

 例えば「モバイルアプリのユーザーを増やす」という目的に対し、毎月の新規登録者数や離脱率などの目標を定量的な数値で設定。その達成結果をスコアとして算出し、取り組みの成果を確認するといった具合だ。「OKRの目標や進捗状況は全て社内に公開されますので、チーム間での認識や方向性のズレなども素早く修正できます」とハリントン氏は続ける。

 強いチームを作る2つ目のポイントは、「多様な人材で役割横断的なチームを構成する」ことだ。ハリントン氏は「組織が専門分野ごとの縦割り構造になっていたり、派閥や上下関係の壁に遮られているようでは強いチームは作れません。創造的で強力なアイデアは、異なる経歴や専門性を持つ人々が多様な考え方を持ち寄ってこそ生まれます。当社では、幅広い部署のスタッフが一緒にチームを組むだけでなく、チームの内外を問わず業務的に交流できるようにして、優れたアイデアを早く生み出せるようにしています」と説明する。新たな人材を採用する際にも、多様性を保つためにいろいろな考え方を持つ人材を選ぶようにしているという。

企業風土に馴染む仕組みと組織からのサポートも重要

 さらに3つ目のポイントは、「マインドセットの浸透」だ。「新しくチームに加わる仲間には、当社のオープンな文化に早く馴染んでもらう必要があります。そこでイントラネットに自己紹介のブログを開設し、仕事上の得意分野だけでなく趣味なども書いてもらいます。こうすることで自然と社員間の交流も深まり、一緒に働くことになった際にもスムーズに溶け込めるようになります」とハリントン氏。その他にもバディ制度の導入や各種発表会の開催など、様々な施策を展開している。

 そして、こうした取り組みを継続する上で欠かせないのが、4つ目のポイントである「組織からのサポート」だ。ハリントン氏は「ビジネスにおける意思決定には情報が必要。当社では自社製コラボレーションツール『Confluence』を用いた情報共有基盤『EAC』を構築し、社内の全ての情報を集約・公開しています」と説明する。

 この社内サイトを見れば、社内のどこで、誰が、何を行っているかを一目で把握できる。お互いの活動にコメントしたり、評価を受けたりすることも可能だ。こうして成功体験も失敗体験も隠さず話し合うことで、会社全体の底上げにもつながっているという。

 誰かの手助けが必要な際には、同じく自社製品の「JIRA Service Desk」を活用。「例えば契約書のレビューを依頼したい場合も、必要な情報を入力して契約書を添付するだけ。後は米国の法務部門が作業を行ってくれます。強いチームを作る上では、このように簡単に手助けが得られる仕組みも重要です」(ハリントン氏)。

 加えて同社では、チームの健康度を測る仕組みである「Team Playbook」を整備。ハリントン氏は「Team Playbookは、いわばチームの人間ドックのようなもの。ヘルスモニター機能を活用することで、チームの課題を全員で認識し、改善に向けた議論が行えるようになります」と話す。ちなみにこのTeam Playbookは同社のWebサイトで無償公開されている。「利用するのに費用は一切かからないので、チームの活性化に悩んでいる企業は一度試していただきたい」とハリストン氏は語った。
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