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女性活躍を進める一番のカギは“時間”
限られた時間の中で効率的に力を発揮してもらう
大和証券株式会社  代表取締役会長  鈴木 茂晴氏

内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰を受けた大和証券。女性活躍推進の取組によって、女性管理職の数は2005年度の77人から2016年度は296人と大幅に増加し、女性社員の積極的な登用が注目されている。働き続けられる両立支援制度や環境の整備について聞いた。

女性管理職比率推移

2014年から、働き方やキャリアイメージを描きやすくする機会として、管理職手前の女性社員を対象に「女性キャリア支援研修(Daiwa Woman's Forum)」を実施

人材の経営資源損失を食い止める

――大和証券が女性活躍推進に向けた改革を行おうと決断したきっかけは何だったのでしょうか?

2004年に社長に就任した際、全国の支店を回る機会があり、そこで優秀な女性が多数いることに気づきました。そのときに彼女たちからは、「ライフプランが描きづらい」「昇進や給料などで男性との差を感じる」「重要な仕事を任されることがあまりなく、期待されていると感じにくい」といった声を多く聞いたのです。しかも、仕事を続けたいと思っても、結婚や出産、配偶者の転勤といったライフイベントで会社を辞めざるを得ないケースが多くあることも分かりました。どの企業も同じだと思いますが、入社後すぐに活躍できる人はそうそういません。数年かけて教育し、知識やスキルを蓄積してようやく一人前になったころに、出産などで仕事を辞めてしまう。これは会社にとって大きな損失でしかない。女性社員に長く働き続けてもらうために何をすべきか、それを考え始めたことが当社の女性活躍推進の出発点でした。

――女性ならではの資質を評価なさっているそうですが、どのような点ですか?

ここ十数年ほどの間に、証券会社の業務は、お客様の資産形成を総合的にコンサルティングするサービスへと変化しています。このようなビジネスモデルには、女性の持つきめ細かさや丁寧な対応が非常に向いているのです。女性の活躍を支援しないことは、人材という経営資源の損失になります。


専務取締役 田代 桂子さん
「束になって大きな力を発揮する場を」
専務取締役 田代 桂子さん

私は、2009年に登用された女性役員4人のうちの1人ですが、女性を初のポストに登用するときには、1人ではなく複数人を同時に登用することに意味があると感じます。1人だけの登用では孤軍奮闘になってしまうことも、複数人ならば悩みの共有などができ、実力を発揮しやすくなるからです。1人ではなく“束にする”ことが、組織にとっても女性にとっても、大きな力を発揮させることにつながります。

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2020年までに男性の育児休職取得率100%が目標とし、育児や配偶者の復職のサポートを促すことで、さらなる女性の活躍支援としている

女性も男性も同じ土俵で勝負できる

――女性活躍推進の取組の中で、具体的にはどのようなことをされていますか?

2007年に19時前退社の励行をスタートさせ、全ての社員が限られた時間の中で効率的に働くことを進めています。導入当初は、役員や支店長から反対の声もありましたが、必ず実施するように指示し、毎日報告を求めました。長時間労働が前提の働き方では、女性が働き続けることは難しいものです。女性活躍推進のためには仕事とプライベートを両立させる必要があり、その一番のカギとなるのが“時間”です。時間を自分でコントロールできるということが大切なのです。そして限られた時間の中という同じ土俵で、女性も男性も勝負できるように労働環境を整備することが重要だと考えています。


「労働時間を削減し、スキルアップを目指す」
人事担当者の声

19時前退社を始めてから、自己研さんに励む社員が増えました。上級のファイナンシャルプランナー資格である「CFP」の取得者数は大きく増えました。19時前退社が始まる前の2005年は170人でしたが、現在は約650人を超え、金融機関でトップクラスの取得者数になっています。労働時間の削減によって生まれた時間をスキル向上のために充て、さらに密度の濃い仕事が実現できています。


大和証券では生産性や業務効率を高めることを目的に、ワーク・ライフ・バランスを推進するための「計画的な年休取得」を推奨している。2020年度までに年休取得率70%以上を目標に、「制度利用カレンダー」の導入、「キッズ・セレモニー休暇」の設置といった各種取組を進める。仕事と育児の両立支援をバックアップし、結婚や出産などを経ても働き続けられる環境の整備にまい進する

女性の活躍で、
日本はもっと飛躍できる

――様々な取組によって、社内の雰囲気や空気に変化はありましたか?

当社では2009年に生え抜きの女性役員を4人同時に登用。さらに、業務職から総合職に職制転向した女性社員は1000人を超えました。女性活躍支援の取組は女性優遇ではなく、個人のライフイベントに配慮し働き続けてもらうということ。そして、人材の価値を公平に見るということ。優秀な人材は男女問わず役職に就いて活躍してもらう。その結果、今では多くの女性社員がキャリアアップを目指すようになりました。女性活躍のフィールドが整うことで、男性だけの片翼で飛んでいたときよりも、より高く飛躍できるでしょう。


大和証券株式会社
大和証券株式会社
―― 企業概要 ――
社名
大和証券株式会社
本社所在地
〒100-6752 東京都千代田区丸の内1-9-1
グラントウキョウ ノースタワー
設立
1999年4月26日
資本金
1000億円
売上金
6537億1100万円
従業員数
8973人
事業内容
証券、商品先物取引業
女性が輝く先進企業表彰2016「日本経済再生の鍵は、女性のエンパワーメントにあり。」
日経ビジネス「3/3発売号にて掲載」
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