バーゼルワールドの会場構成は、そのままブランドの勢いを示している。カシオは今年、メインホールの2階に移動した。ここには名だたるラグジュアリーブランドのブースが軒を連ねており、カシオが本格的時計ブランドとして認知されたということを意味している。

カシオが快進撃を続けている理由は明確。2004年から本格化した、高機能アナログ戦略が成功を収めたからだ。

カシオトロンやG-SHOCKの成功によって、カシオはデジタルウォッチの世界でトップクラスになった。しかしそこで歩みを止めることなく、アナログウォッチの開発を本格化させたのだ。他社との差別化のために定評のあるエレクトロニクス技術を生かし、使う楽しさや見る楽しさを表現することで、飽和状態だったアナログウォッチ市場に風穴を開けることに成功したのである。

しかもスイス勢が伝統を誇るのとは逆に、カシオは進化を誇る。今年はGPS衛星と標準電波に加えて、ブルートゥースを使ってスマートフォンと連動する「Connected エンジン 3-way」という新技術を発表した。世界6局の基地局から発信される標準電波を利用する「電波時計」は、消費電力が少ないが受信可能エリアが決まってしまう。「GPS衛星電波」は世界中で使えるが、消費電力が大きく室内で受信できない弱点もあった。カシオはこの両方の技術を融合させ精度を追求してきたが、今年はさらにスマートフォンと連動させることで空港など室内での時刻調整を可能にした。

このブルートゥース搭載のメリットは時刻調整だけにとどまらない。ワールドタイムの都市設定やソーラー発電量確認などをスマートフォン上で確認できるようになるなど、利便性も向上している。

ムーブメントに加え、外装の仕上げにもさらに磨きをかけた。中でも特筆すべきなのがサファイアガラスとチタンを組み合わせたベゼルだ。新開発のグラデーションスパッタリング技術を駆使し、他にない美しい青を表現している。

製造はマザー工場である山形カシオに立ち上げたプレミアム プロダクション ラインで行っており“メイド イン ジャパン”という付加価値もより鮮明になった。カシオはエレクトロニクス技術で高精度を実現したが、デザインやブランディング面でも“精度”を高めているのだ。

やはり、売れるものには理由がある。

ブルーの発色にこだわった外装。12時位置と6時位置のインダイヤルは、ブルーに着色した白蝶貝を使用。インデックスはスパッタリングという技術を使って発色。ベゼルはチタンとサファイアクリスタルの混構造。様々な技術を駆使することでブルーのグラデーションを作り、美しい時計を目指した。