vol.1「ラストワンマイル」を担う切り札とは?

乗る人の安全と安心につながるスマートアシストⅢを軽商用車に初搭載

ダイハツ工業株式会社 車両開発本部 製品企画部 チーフエンジニア 鈴鹿 信之氏

2007年以来となる今回のマイナーチェンジに当たって、ダイハツが最もこだわったのが安全・安心の追求だった。つまり、仕事のために毎日のように長時間乗る商用車にこそ、緊急ブレーキなどの安全装備を搭載する必要があるという考えで開発されたのが、新ハイゼットカーゴなのである。その開発のチーフエンジニア、ダイハツ工業の鈴鹿信之氏に聞いた。

「物流の現場で高齢のドライバーや女性ドライバーが増えているという現実、そして高齢者のブレーキの踏み違いや高速道路の逆走が社会問題になっている状況を踏まえると、急いで『安全・安心』の重要度を高める必要がありました」(鈴鹿氏)

ダイハツでは軽商用車でも機能を簡略化することなく、乗用車と同じ先進の衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」をハイゼットカーゴに搭載した。もしもの事故を防ぐことは、クルマを運転する人の安全を守るだけでなく、企業活動を円滑に継続することにもつながるため、企業としての信頼や信用の維持にも貢献する。

「サイズ的な制約のある軽商用車のボディに『スマートアシストⅢ』を載せるために、設計や技術の担当者はかなり苦労しましたが、クルマを運転する本人とその家族、そしてドライバーを雇用する企業、さらには配送の依頼主にも、大きな安心を提供することができたと思います」(鈴鹿氏)

安全・安心のスマートアシストⅢ

衝突警報機能(対車両・対歩行者)/衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)は走行中に前方の車両と歩行者を認識し、衝突の危険があると判断した場合にドライバーに注意喚起。さらに危険が高まると緊急ブレーキで減速し、衝突の回避や衝突時の被害軽減に寄与する。この他に約10㎞/h以下で障害物を認識後、踏み間違い(アクセルペダルを強く踏み込んだ場合)を判定して、エンジン出力を抑制し、ブザー音とメーター内表示で知らせる誤発進抑制制御機能や、先行車発進お知らせ機能、オートハイビームなども搭載。

※1 軽貨物自動車。2017年11月現在。ダイハツ工業(株)調べ。

※2 スマートアシストⅢは、お客様の安全運転を前提としたシステムです。システムに頼った運転は行わず、安全運転を心がけてください。※スマートアシストⅢの各機能は、ドライバーの状況や、認識状態、路面状態、気象等の条件によっては、システムが作動しない場合があります。※詳しくは販売会社にお問い合わせください。

バンパーの角だけ交換できるコーナーピースでメンテナンス性も向上

とはいえ、根底が仕事グルマである以上、経済性の追求も大切な要素だ。そこで新ハイゼットカーゴでは、毎日使ううえでのメンテナンス性を向上させるために、フロントバンパーの角を「コーナーピース」という部品で覆うことにした。

「仕事で毎日乗っていると、特に商用車はバンパーの角をちょっとこすってしまうこともありますが、バンパー全体を交換しなくても、角のコーナーピースだけの交換ができます。修理費用の軽減にもつながる上、修理時間を短縮できるので仕事を停滞させることもないし、バンパーに傷がついていないクルマに乗ることは企業イメージを守ることにもつながるかと思います」(鈴鹿氏)

バンパー交換不要コーナーピース

これまではフロントバンパーが傷つくと丸ごと交換しなければならず、諦めていた人も多かった。しかし、バンパーの角を覆うこのコーナーピースは傷が目立ちにくいうえ、もし傷がついてもコーナーピースだけ替えればスピーディーに修理が完了。費用負担の軽減を実現する。

これまではフロントバンパーが傷つくと丸ごと交換しなければならず、諦めていた人も多かった。しかし、バンパーの角を覆うこのコーナーピースは傷が目立ちにくいうえ、もし傷がついてもコーナーピースだけ替えればスピーディーに修理が完了。費用負担の軽減を実現する。

仕事の道具としての使いやすさを意識して、運転席回りの収納スペースやインパネのデザインなども一新した。

「機能を意匠に変えるというコンセプトで、使い勝手にこだわって全てデザインし直しました。もちろん、単にスタイリッシュにしただけではありません。クルマに乗り込んだ瞬間、いちいち頭で考えなくても、どう使えばいいのか体がすんなり反応するようなデザインを意識しました」(鈴鹿氏)

朝から晩まで、一日中クルマに乗りっ放しの人も多い配送の仕事では、使いやすい収納スペースを豊富に用意することで、ドライバーのストレス軽減に大いに役立つ。例えば、ハイルーフを生かしたオーバーヘッドシェルフの長さを10数mm伸ばしてデザインすることで、ボックスティッシュやファイルが発進時にも落下することなく収納できるようになった。しかもシェルフの底がメッシュ状のため、どこに何があるかひと目で分かる。こうした「かゆいところに手が届く」装備が、車内の随所にちりばめられている。

便利で快適 収納力

オーバーヘッドシェルフ※3:ボックスティッシュやファイルなどが収納できる頭上収納。底がメッシュ状のため中身が見え、迷わず取り出せる。
※3 SA Ⅲ車、 クルーズターボ、クルーズ、デラックスに標準装備

助手席トレイ/センタートレイ:ワイドで間口も広く、出し入れしやすいトレイ。助手席側はメモ帳、領収証帳、文具など。センター側はスマートフォンなどが収納可能。

マルチユーティリティフック:袋物を掛けておくのに便利。

便利で快適 収納力

また、数々の大きな変更を加えたにもかかわらず、荷室はこれまでと同じ大容量を確保。荷物の積み降ろしがしやすい大きくスライドするサイドの開口部や、荷物を安定して積むことができる低い床など、作業効率を高めてくれる工夫が満載だ。

効率よく積める 大容量の荷室

※3:荷室フロア長:助手席シートスライドを最前端にした際の助手席後端からバックドアまでの長さ。※4:ルーフサイド幅:一般的な引っ越し用段ボール(497mm×315mm×293mm)を4段積んだ際(フロアから約1,175mm)の有効幅。※5:スペシャルクリーン“SA Ⅲ”、スペシャルクリーン、スペシャル“SA Ⅲ”、スペシャルの標準ルーフは1,040mm。

効率よく積める 大容量の荷室

※3:荷室フロア長:助手席シートスライドを最前端にした際の助手席後端からバックドアまでの長さ。※4:ルーフサイド幅:一般的な引っ越し用段ボール(497mm×315mm×293mm)を4段積んだ際(フロアから約1,175mm)の有効幅。※5:スペシャルクリーン“SA Ⅲ”、スペシャルクリーン、スペシャル“SA Ⅲ”、スペシャルの標準ルーフは1,040mm。

商用車は仕事のこだわりの一つとも言える道具なので見た目をかっこよくし、色も定番の中から選ぶのではなく、自分の好きな色を選べて満足してもらえるようにしている。また、生まれ変わったことがひと目で分かるように、フロントマスクもスタイリッシュなデザインへと一新された。

「商用車は同じ車種を2台、3台と乗り継ぐお客様も多いのですが、新車に替えたのに見た目が変わらない、もっとかっこよくしてほしいというお客様の声もありました。フロントマスクのフードやヘッドランプの形状も含めて、クルマの顔を思い切って変更しました。また、これまでは商用車といえば白かシルバーというのが定番でしたが、新ハイゼットカーゴではファインミントメタリックやライトローズマイカメタリックなど、7色のボディカラー※6を設定しました。お客様のニーズに合わせて、デッキバン、2シーター、カーゴ冷蔵車などの様々な特装車に加え、ハイルーフ以外にはしごなどを積むルーフキャリアが必要な仕事に対しては標準ルーフもラインアップしています。様々な業種のイメージに合った色・形を選べるので、業種ごとや、女性、若い人たちにも興味を持っていただけるのではないでしょうか」(鈴鹿氏)

ドライバーの安全・安心と快適な運転環境を実現しながら、大量の荷物を運ぶ積載性能、そして作業効率を向上させる。大きく進化した新ハイゼットカーゴは、小口物流の現場を効率化する頼もしい一台といえそうだ。

フロントマスクも一新!ダイハツ「ハイゼットカーゴ」
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