いま、日本人の大半がスマートフォンを筆頭とするモバイル端末でインターネットにアクセスしている。いわゆる「モバイルシフト」がほぼ完了したいま、動画コンテンツの主戦場も、テレビからスマホ経由のインターネットにシフトしようとしている。

となると大きく様変わりするのが、テレビコマーシャルが中心だった動画を活用した企業のマーケティング戦略だ。モバイルを活用したマーケティング戦略の中で注目されるのが、Facebookのマーケティング機能である。

ユーザーが実名で登録し、膨大な顧客データを保有するFacebookを活用することで、クライアント企業は見込み顧客に向けてこれまでになく精緻なマーケティング施策を実施できる。すでに、数多くのクライアント企業がFacebookの動画広告機能を活用し、実績を上げている。

2017年2月28日、フェイスブック ジャパンが主催したイベント「MOBILE MOVES PEOPLE〜モバイルは消費者を動かす〜」では、具体的な事例をあげながら、動画広告の未来について示唆に富む講演が次々と行われた。

モバイル端末を活用した動画広告をどんなかたちで展開すれば、企業はマーケティングを成功させることができるようになるのか? 同イベントで明かされたノウハウの数々をここで紹介していこう。

2020年には、インターネット情報に占める動画の割合は約8割となる

いまや、インターネットは、人々にとってもっとも手軽にアクセスできるメディアとなっている。その背景にあるのは、スマートフォンを筆頭とするモバイル端末の普及だ。

フェイスブック ジャパン 代表取締役 長谷川 晋氏は、イベントの冒頭、こう語った。
「世界で携帯電話の回線を契約している人は47億人。実感として、いわゆる『モバイルシフト』はもう完了しています。モバイル端末は完全に定着し、パソコンを上回るインターネットのアクセス手段となりました」

2016年時点で日本のスマートフォン人口は5500万人を超え、世帯普及率も70%以上に達しているという。人々のモバイル端末の使用時間は、全メディアの接触時間の4分の1に迫る勢いだ。

韓国、シンガポール、UAE、サウジアラビア、スペイン、スウェーデンはスマートフォン使用率が人口の8割を超えており、この傾向は日本のみならず世界中で共通している。すでにモバイルがテレビを凌駕している国も少なくない。

そうなると、メディアを消費者とのコミュニケーション手段として利用してきた企業の広告戦略、PR戦略も、モバイル端末を主人公として考えていかなければならなくなる。
長谷川氏も「今後、広告マーケットにおいても、モバイルの比率が大きくなるのは当然です」と断言する。

モバイル端末をベースにしたインターネット広告は急速に普及しつつあるが、いま新たな動きとして注目されているのは、「動画」を活用したインターネット広告だ。「2020年にはインターネット上でやり取りされる情報の8割が動画になると予測されている」(長谷川氏)からだ。

インターネットの動画を視聴する「場」は、すでに記したように、パソコンからスマホやタブレットといったモバイル端末にシフトしている。
2013年時点では、ネット動画がスマホやタブレットで視聴される割合は15%だった。それが2016年になるとネット動画の視聴の50%が、モバイル端末経由となっている。

「Facebook上でも、動画は毎日80億回も再生されています。そこで、フェイスブック ジャパンでは動画を活用した広告フォーマットをクライアントのために用意しました」と長谷川氏。どんなフォーマットがあるのか。

通常の動画広告のほかに、ユーザーが画面をスワイプ(指で横にすべらせる)することで1つの表示枠に複数の動画を表示できる「カルーセル」。奥行き感、空間の広がりが表現できる「360動画」。画面一杯にインタラクティブなコンテンツを見せられる「キャンバス」……。

いずれの動画広告フォーマットもモバイル端末に最適化されている。クライアント企業は、Facebookを介して、多様なフォーマットの動画広告を、モバイル端末のユーザーに提供できるわけだ。

しかも、Facebookを介してクライアント企業がつながることができる日本のユーザー数はすでに数千万人単位に達している。

現在、日本におけるFacebookのユーザー数は2700万人、Facebook familyである、Instagramのユーザー数も1600万人に達している。さらにFacebookが提携している他のモバイルアプリに、Facebookのターゲティング機能を生かして広告を配信できる「Audience Network」によっても、2100万人のユーザーにリーチできるという。

テレビと同規模の人口に対して、個別に動画広告を配信できる。それがFacebookの動画広告の大きな特徴だ。