1971年に最初の電気自動車「ミニカバンEV」を手がけて以来、50年近く電動車両の可能性を追求してきた三菱自動車では、ルノー、日産とアライアンスを形成し、新たなブランドタグラインを設定。EV領域での開発の強化と、PHEV技術のさらなる進化を目指す取り組みについて紹介する。

CO2の規制強化による電動化の流れはもはや止められない

2015年のCOP21でパリ協定が採択され、自動車由来のCO2排出量は2050年に保有台数当たり80%の削減が必要とされている。そしてIPCC(気候変動に関する政府間パネル)ではさらに厳しい目標が課せられ、2010年比で2020年には30%のCO2削減が目標となっている。

「欧州各国はこれを受けて対環境政策の強化に動き出しており、内燃エンジン搭載車の新規販売は近い将来禁止される流れです。しかし、業界的には技術的な対応は難しいという意見も多く、先行きは不透明」と、同社チーフテクノロジー エンジニアの百瀬信夫氏。

今後は排ガス規制もさらに強化されるため、今まではCO2にとって優等生だったディーゼルの存続が難しくなるという懸念もあり、CO2削減を進める車としてはやはり電動化が必要になってくると百瀬氏は言う。

今回の東京モーターショーで世界初公開されたコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」。SUVタイプの新世代ハイパフォーマンスEVだ

今回の東京モーターショーで世界初公開されたコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」。SUVタイプの新世代ハイパフォーマンスEVだ

EVとPHEVのよさをさらに磨き上げて新しいSUVの価値を創出

電動車開発の長い歴史を持つ三菱自動車では、2009年に世界初の量産EV「i-MiEV」を発売した。さらにEVの不安材料である航続距離をHEVで補完するPHEV「アウトランダー」を2013年に発売。約70%のEV走行比率を達成し、データ的には平日はほぼEV走行だけでカバーが可能になった。

さらに同社は2017年9月に、ルノー、日産とともに「アライアンス2022」を発表し、EV領域でのリーダーの地位を強化すべく動き始めている。

「2022年までにピュアEVを12車種発売、航続距離600kmの達成といった目標をはじめ、当社のPHEV技術をアライアンス共通のソリューションとして共有し、EVだけでなくPHEVも含む電動化を推進していきます」(百瀬氏)

こうしたアライアンスの取り組みに合わせて、同社の車づくりを表現する「Drive your Ambition」という新しいブランドのタグラインを設定。ワールドラリーを制覇したSUVと4輪駆動制御技術を磨き上げ、SUVの新しい価値の創出も目指すという。

「力強さや静粛性、応答のよさといったモーターの長所をSUVに適用しながら、EV走行の距離を延ばすための技術開発を進めていきます」(百瀬氏)