車が持つネガティブな部分を消すための技術開発ではなく、将来の社会やモビリティーの理想的な在り方を想像し、その実現のために技術を使う。そんな考えから生まれた「Nissan Intelligent Mobility」というコンセプトを掲げ、自動運転技術の開発を進める日産自動車。その取り組みとは?

移動の価値を高めるモビリティーの開発に向けて電動化と知識化を進める

「エネルギー、地球温暖化、交通渋滞、交通事故の4つのネガティブな側面を消すための技術開発が、この数年で潮目を変えつつあります」と話すのは、同社アライアンス グローバル ダイレクターの土井三浩氏だ。

そのきっかけとなったのが、電動化と知識化の2つの技術開発だ。「Nissan Intelligent Mobility」という新しいコンセプトは、(1)インテリジェントドライビング、(2)インテリジェントパワー、(3)インテリジェントインテグレーションの3本の柱で構成され、(1)は自動運転、(2)はより楽しい走りの提供、(3)はつながることで便利さと快適さを提供することを目指す。

「私たち自動車メーカーは車を作って提供していますが、実際に提供している価値は“移動”です。どういうモビリティーが移動の際の便利さや安全、楽しさ、快適さを提供できるのかを考えていく必要があります」(土井氏)

今年9月に発表された新型リーフ。電動パワートレインのパワフルな加速や、先進の自動運転技術を搭載

今年9月に発表された新型リーフ。電動パワートレインのパワフルな加速や、先進の自動運転技術を搭載

ビッグデータの解析でコア技術を進化させ多様な車両展開を図る

そこで日産が取り組んできたのが電動化だ。2010年に登場した世界初の量産型EVリーフは、これまでに約30万台を販売。全てのリーフから集まった走り方や充電の仕方といったビッグデータを解析して、新型「リーフ」のバッテリーが開発された。

「ビッグデータによってバッテリーの限界設計が見えてきたことで、バッテリー性能が向上し、400kmの航続距離が実現できました」(土井氏)

さらに、バッテリーと電動パワートレインのコア技術は、e-POWERなど多様な車両展開も可能にしている。

一方、知能化とは自動運転のことであり、2016年に「セレナ」や「エクストレイル」に搭載された自動運転技術「プロパイロット」がその先陣を切った。

「自動運転が安全に貢献するものである以上、まずは量産車に付けなければ意味がありません。自動運転の技術は少しずつ進化を続けていますが、これからは自動車業界以外との協業で大きなエコシステムを構築し、そこで問題を解決していく必要があります」(土井氏)

さらにその先にある完全自動運転の実現と、4つのネガティブのゼロを目指して、日産の挑戦は続く。