環境性能に優れ、コンパクトで小回りの利く超小型EV。都市部の渋滞緩和や過疎地域の足として、また高齢化に対応するモビリティーとして、その動向に注目が集まっている。パネルディスカッションでは、国内外3社のユニークな事例が紹介された。

ユーザー本位のデザインと直感的UIの小型EV

スウェーデンのLund大学の研究プロジェクトから生まれたUniti社。同社は、自動運転を視野に入れた小型EVを開発している。

「ベンチャー企業のメリットは、ユーザー本位のデザインができる点。Unitiでは、従来のステアリングホイールをレバーに変更し、高齢者や障害者の方にも容易かつ直感的に操作できるUIとしています」と、CEOのルイス・ホーン氏。左右のレバーの間にはナビゲーションモニターを備え、フロントウインドウにはHUD(ヘッドアップディスプレイ)を搭載しているのも特長だ。最終的には、完全自立型のEVを目指すという。

「12月7日に、スウェーデンのランズクルーナで製品発表をします。全く新しい都市型EV “Uniti”にぜひご期待ください」(ホーン氏)

活発化するマイクロEV開発

小型EVの開発は、国内でも活発に行われている。rimOnOでは、国土交通省の「超小型モビリティ」構想に対応した低速マイクロEV作りに挑戦している。

「目指したのは、初心者や高齢者が安心して乗れる、スローでやわらかくて可愛い車。外装は布張りのウレタン製で、着せ替えも楽しめます」と、代表取締役社長の伊藤慎介氏は説明する。

主要スペックは、全長2.2m、全幅1.0m、全高1.3mと通常の自動車の半分以下。車体重量は現在約320kgだが、目標は200kg。「e-cell」という交換式バッテリーを用い、最高速度45km/h、航続距離50kmの実現を狙う。

高齢化や公共交通の縮退が進む地方では、2人乗りスローモビリティーへの取り組みが不可欠。rimOnOには、その先駆としての期待もかかる。

至近距離に特化した超小型EV緊急時には水面移動も可能

一方、FOMMが手がけるのは、水に浮く超小型EV。「FOMMは、First One Mile Mobilityの頭文字。至近距離移動用の、身近で新しいモビリティーを提案します」と、代表取締役社長の鶴巻日出夫氏。世界最小クラスの4人乗りEVでありながら、緊急時には水に浮き、水面移動もできる。これを実現する独自開発のフィン形状ホイールをはじめ、手元にアクセルを置く「ステアリングアクセル」や電池切れの不安を解消する「バッテリークラウド」システムなど、新たな発想と技術でEVの可能性を追求。自動運転やライドシェアへの対応も目指す。タイをはじめとした新興国市場での実用化を狙い、世界に展開していく予定だ。