変わる中古住宅の評価基準

住宅の価値は築20~25年でゼロになるとされてきた。しかし、最近では欧米諸国にならって、築年数ではなく、リノベーションやリフォームなどを評価すべきという動きがある。しっかり手を加えれば、家の価値がずっと下がらないと長嶋氏は語る。

リビング学習が推奨されて間取りへの意識が変化した

中古住宅の評価基準は、近年で大きな変化を遂げている。

「従来の中古住宅の価値基準は、築10年で半値となり、20~25年を経過すれば価値がなくなるとされてきました。しかし、近年では、築年数だけで機械的に評価するのはやめようという流れになっています。つまり、一定のリノベーションやリフォームを施している家なら、それを踏まえて評価して価値が下がらないとする考えです。もちろん、手を加えていなければ、価値は下がりますので、今後は、従来通りに25年経過すれば資産価値がゼロになってしまう住宅と、あるところで価値が維持される住宅とに二極分化されていくでしょう」

ただし、“価値の下がらない家”を建てるには、設計時に耐久性の高い構造や建材を選んだり、断熱性を高める工夫が必要となるため、建設時のイニシャルコストがやや高めになる。しかし、住宅は購入後にかかる金額のほうがはるかに高い。これは不動産投資からの観点になるが、住宅のライフサイクルコストにおいて、建設費はたった26%※にすぎない。光熱費や水道代などに代表される運用費をはじめ、定期点検や設備管理にかかる保全費や修繕費、税金や保険といった一般管理費のトータルが74%※と大部分を占めている。つまり、購入時に多少高くても、購入後のランニングコストを抑え、資産価値の高い住宅を購入する人がこれからは増えていくと予想される。欧米諸国ではそのような考え方が常識だが、日本もそうなりつつある。

住宅のライフサイクルコスト

「資産価値の高い家を所有していれば、将来の生活不安が軽減されます。老後に年金では賄えなくなったときに、自宅を担保にしてお金を借りられる融資制度、“リバースモーゲージ”を使えます。自宅に住み続けながら毎月融資を受けられ、死亡後に自宅を売却して返済に充てるので、生存中は返済する必要がありません。長寿化社会となり、住まいを有効活用できて、老後資金確保のオプションになると注目されている制度です」

リバースモーゲージを利用する際は、自宅の担保価値が審査されるため、資産価値の高い住宅ほど有利になる。長生きすればするほど融資額が大きくなり、その分、死後の返済額は大きくなる。また、リバースモーゲージの融資の適用金利は基本的に変動金利の場合が多く、将来金利が上昇すると返済額が膨らむ可能性がある。

※アサヒ ファシリティズ Webサイト(http://asahifm.com/service/pm/shisetsukanri.html

減税 & 給付金を賢く使おう

新築にせよ中古にせよ、住宅は大きな買い物だ。そこでチェックしておきたいのが、住宅購入におけるローン減税や給付金の制度。なかでも「住宅ローン減税」と「すまい給付金」は重要だ。特に後者は2021年12月までの期間限定で実施されるので今がチャンス。

住宅ローン減税利用時は低炭素住宅だとさらに有利

住宅は人生で最も高価な買い物になる人が多いだろう。少しでも経済的な負担を軽減するために、知っておきたいのが、「住宅ローン減税」と「すまい給付金」だ。

住宅ローン減税は、住宅の新築・取得、リフォームなどのために住宅ローンを利用した人が、10年間、年末のローン残高の1%を所得税や住民税から控除される制度。2019年6月までは、消費税率8%または10%の適用を受けて住宅取得などをした場合に、控除対象となる借入額の上限が従来の2000万円から4000万円に引き上げられ、所得税からの控除額の上限は10年間で400万円になっている。床面積が50㎡以上であることや中古住宅の場合は築20年以下で耐震性能を備えていることなど、利用にはいくつか条件があるが、それらを満たせば税負担が軽減できる。

「住宅ローン減税は、長期優良住宅や低炭素住宅に該当するケースでは、控除対象の借入限度額が引き上げられるなど、さらに有利です。また、すまい給付金も注目したい制度です。消費税率アップによる負担を軽減するためにつくられた制度で、その名の通り、現金で給付され、収入によって給付額が変わります。消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。2021年12月31日まで実施予定の期間限定の制度です」(長嶋氏)

すまい給付金の給付額

住宅取得者の所得時に適用される消費税率に応じ設定される。収入額(都道府県民税の所得割額)によって給付基礎額が決まり、給付基礎額に登記上の持ち分割合を乗じた額(1000円未満切り捨て)が給付される。

出所:国土交通省 すまい給付金 Webサイト(http://sumai-kyufu.jp/

他にも、2016年から実施されている「住宅ストック循環支援事業」により、持ち家の省エネ性能を向上させるリフォームを施した場合に1戸当たり30万円(耐震改修を行う場合は45万円)の支援が受けられる。また、エコ住宅への建て替えに対する補助金として、1戸当たり50万円を上限に支援が受けられることも知っておきたい。そんな背景もあり、新築にせよ、中古住宅を購入するにせよ、省エネを考慮することが必須になってきたといえるだろう。

前ページ 1 2  
Present
特集掲載企業へ資料請求をいただいた方に抽選でプレゼント

今回、資料請求いただいた方の中から、抽選で10名様に三菱UFJニコスギフトカード(3000円分)をプレゼントいたします。

資料請求対象企業
資料請求のお申し込みはこちら
応募締め切り 請求方法

2017年7月31日

上記の資料請求用のバナーをクリック。日経ビジネス2017年5月1日号の「資料請求」ボタンをクリック。資料を請求したい企業にチェックして、必要事項をご入力のうえ、ご請求ください。当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。