日経BP総研社会インフラ研究所 上席研究員 小原 隆
リセールバリューから見る分譲マンションの価値とは?

分譲マンションの価値を判断する指標として、新築分譲時から中古流通時までの価格維持率(リセールバリュー)がある。その高低と相関の強い要因にはどのようなものがあるのか。価値を決める要素を、不動産情報サービスなどを手掛ける東京カンテイ市場調査部の上席主任研究員、井出武氏に聞いた。

リセールバリュー決める所要時間、最高階、戸数

下のグラフを見れば一目瞭然だ。東京カンテイ市場調査部上席主任研究員の井出武氏は、リセールバリューの高さと相関の強い要因として、最寄り駅からの所要時間、最高階、戸数規模の3つを挙げる。最高階や戸数規模はランドマーク性や希少性につながり、それが、リセールバリューを押し上げるとみられる。「こうした傾向は三大都市圏に共通のものです」(井出氏)。

CHECK 中古価格の下がりにくさの法則1
CHECK 中古価格の下がりにくさの法則2

一つ指摘しておきたいのは、リセールバリューは階層別ではそう違わないという点だ。「最高階が40階を超えると、低層階でも一定のリセールバリューが見込めます。高層階と低層階との間ではリセールバリューにそう大きな違いは見られません」(井出氏)。

右の表は、リセールバリューを行政区別に集計した結果である。ここでリセールバリューが105%超と高かったのは、区名の枠内を赤く塗りつぶした9区。これらに続く台東、荒川、墨田、豊島の4区も、東京23区平均を上回っているだけに“穴場”と言えそうだ。

立地や規模以外の要素では、管理の良し悪しが見過ごせない。ただし、この点は価値を引き上げるというより自然に下がりかねないのを下支えするという役目が期待される。井出氏は「資産価値の維持には重要な要素。それを保つ力になるものです」とみている。