グローバルパートナーシップサミット 2017開幕間近 高成長を続けるインドが秘めた無限の可能性 特別インタビュー 株式会社ユーグレナ代表取締役社長 出雲 充 氏 が語るベンガル地方へのビジネス展開

バングラデシュを足掛かりにベンガル地方への進出を見据える

ユーグレナはミドリムシ(学名:ユーグレナ)などの研究開発や生産を行い、そこから食品や化粧品、バイオ燃料などを製造・販売する企業である。創業のきっかけは、出雲社長が学生時代にインターンで訪れたバングラデシュでの体験に遡る。そこでは、食料はあるのに摂取する栄養素が偏ることで、栄養失調に苦しむ子どもたちが大勢いた。

「こうした状況を改善したい」と考え、研究し、たどり着いたのが、ミドリムシだ。ユーグレナが提供する商品には、動物性・植物性の栄養素が59種類も含まれており、野菜や魚などに含まれるビタミン、ミネラル、アミノ酸、DHA、EPAなどを一度にとることができる。

ユーグレナの目標の一つが、「地球上から栄養失調を無くすこと」。その一環として、創業のきっかけとなったバングラデシュに現地事務所を開設し、子どもたちに給食としてミドリムシ入りのクッキーを配布している。

「インドの隣に位置するバングラデシュは、まだまだ新興国です。そのバングラデシュで頑張れていることは、多くの人に驚かれますね」と語る出雲社長。「我々のような若い企業が、いきなりインドの西側を含むベンガル地方全域に進出するのは難しい。まずは着実にバングラデシュで成功することで、同じベンガル地方に属し、同民族・同文化を持つインド西ベンガル州への進出が見えてきます。特に、州都であるコルカタはデリーとムンバイに次ぐ第三の都市で、人口密度では世界屈指のメガシティ。ここで成功事例を作れば、大きく道は開けると感じています」

現在、約8000人程度の子どもがミドリムシ入りクッキーを食べているという。しかし、出雲社長は人口が多いベンガル地方では、この数字はまだまだこれからだと言う。

「8000人程度の実績では、文化や言葉による壁は越えられません。しかし、これが100万人ならどうでしょうか。ヘルスケアの分野では、実績を作ることが大きな意味を持つのです」

バングラデシュを経て、ベンガル地方で成功することができれば、アフリカなどにも応用できる。ユーグレナが掲げる「世界から栄養失調を無くす」といった目標を果たすためには、重要な地域なのだ。

出雲 充 氏

株式会社ユーグレナ 代表取締役社長

出雲 充

1980年広島県生まれ。東京大学農学部を卒業後、2002年に東京三菱銀行へ入行。05年8月に株式会社ユーグレナを創業し、同社代表取締役社長となる。同年12月、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に世界で初めて成功する。著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた。』(小学館新書)がある。

より活発になる飛行機需要を見据えてバイオ燃料の可能性を探る

今回の「グローバルパートナーシップサミット 2017」では、エネルギー、インフラ、ヘルスケアから新技術、芸術分野など、8つのトピックスが議題に上がっている。出雲社長が注目するのは、「ヘルスケア」だけではない。ユーグレナの事業にも関係が深い「エネルギー」、そして「インフラ」にも強い関心を持っている。

「インドの交通インフラでは、日本の新幹線方式が採用されたことが話題になっていますが、私は飛行機需要にも注目しています。アメリカ大陸やヨーロッパ大陸を見れば当然分かるように、広範な国土を持つインドにとっても飛行機は重要な交通手段です。CO2の排出量が課題であるインドでは、クリーンエネルギーが今後のテーマになるでしょう」

ユーグレナは、ミドリムシから抽出する油からバイオ燃料を精製する燃料事業を手掛けており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化計画を立てている。この国産バイオジェット燃料は、光合成する植物で燃料を作るため、理論上CO2の排出量がプラスマイナスゼロになるといった利点がある。「まだ全くの白紙状態ですが、いつかはその国独自のミドリムシを大量培養して、バイオジェット燃料や食料を地産地消できればと思っています」。

「グローバルパートナーシップサミット 2017」の理念には「ESS(環境への責任・高エネルギー効率・持続可能性)」が主軸に据えられている。これは、ユーグレナの事業とも遠くない考えだ。出雲社長は「今回のサミットをきっかけに、バングラデシュを含むベンガル地方だけでなく、広くユーグレナの事業をアピールしていきたい」と意欲を見せる。

今回のサミットは関係者だけでなく、一企業や個人での参加も可能だ。今後、ビジネス環境が整うことで、インドを含むベンガル地方は「成功の可能性がある」ではなく、「攻略しなければ、ビジネスでの成功が見込めない」という位置付けの地域になるだろう。このトレンドを逃さないためにも、「グローバルパートナーシップサミット 2017」に参加してみてはいかがだろうか。

株式会社ユーグレナ 代表取締役社長 出雲 充 氏

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