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題字中塚翠涛氏

2017 REVIEW
インテグラート
不確実な事業投資を成功に導く
新たなマネジメントシステムとは
これまでのマネジメントの仕組みは、計画/実績管理やコスト管理など結果の管理に重点を置くのが一般的だった。しかし、こうした従来型の手法では、不確実性の高い新規事業への投資を適切に管理することは難しい。今後は自社が目指すべきゴールに注目し、その実現性やリスクを常に可視化・共有しながら取り組みを進める仕組みが不可欠だ。これを実現することで、ビジネスをさらなる成長へと導くことが可能になる。日時:2017年6月9日(金) 会場:六本木アカデミーヒルズ

多くのリスクを伴う新規事業を適切に管理する方法とは

 市場環境が急速に変化する中、企業には競争力を高めるための取り組みが強く求められている。しかし、ここで問題となるのが、新規事業開発やR&D、M&Aのような不確実性の高い事業投資を、どのようにマネジメントしていくかだ。

インテグラート株式会社 代表取締役社長 小川 康氏  「目標必達を当然とする旧来型のマネジメントシステムは、リスクテイクに果敢にチャレンジする新規事業投資とは相いれない面があります。しかも、日本版スチュワードシップ・コードなどの導入により、持続的な成長や中長期の目標数値に対する説明責任がこれまで以上に問われるようになっています。社内における情報共有がしっかり行えていないと、こうした投資家やステークホルダーに対する説明も十分に行えません」とインテグラートの小川 康氏は指摘する。

 多くの日本企業では、新事業投資に関わる課題が解決・改善されないままになっているのが実情だ。例えば「収支計画の根拠が曖昧」「優先順位が明確化されていない」「計画立案から成果を出すまでのプロセスが未整備」「リスクとリターンに関する理解共有が不足」といった課題はその一例だ。こうした状況のまま取り組みを進めたのでは、新規事業を成功に導くことは極めて難しい。

 「説明資料には事業ビジョンや技術トレンド、自社にとっての意義などが細かく述べられているのに、最も肝心な売り上げ・利益の予測については、その根拠が理解しにくいケースも多い。なぜ右肩上がりの予測なのかを一番知りたいのに、その説明がないのはどうしてなのでしょう」と小川氏は疑問を呈す。

 この大きな原因の1つとして挙げられるのが、モラルハザード(倫理の欠如)だ。売り上げ・利益予測の結果が判明するのは数年後なので、担当者や責任者も交代している可能性が高い。必然的に、意思決定フェーズさえ乗り切ってしまえば大丈夫という動機が生まれやすい。

 「特にM&Aでは、当面の売り上げ・利益が得られてしまうと、『高値づかみ』の懸念が薄れがちになります。これではM&A投資の回収に、誰も責任を持たなくなってしまいます」と小川氏は続ける。

2つのポイントに着目し、成功の可能性を高める

 こうした新規事業投資に関わる課題を解決するためには、売り上げ・利益予測といった未来の数値の曖昧さを減らすプロセスが必要になる。

 「未来の数値はすべて仮のものです。誰も正しいとは断言できませんし、計画目標値が自動的に達成されることもありません。しかも、その数値は誰かが作ったものですから、何らかの事実を指し示しているわけでもありません。そう考えていくと、数値が一体どのようにして作られたのかを、理解・共有する必要があることが見えてきます」と小川氏は説く。

 そもそも意思決定とは「仮説を合意すること」であり、曖昧な未来の数値だけを合意することではない。もし数値だけに着目してしまうと、外的要因が変化した際の対応に遅れを取ってしまう危険がある。

 こうした課題を解決する上で役立つのが、「DDP(Discovery-Driven Planning:仮説指向計画法)」と呼ばれるマネジメント手法だ。この手法は、米ペンシルベニア大ウォートンスクールのイアン・マクミランとコロンビアビジネススクールのリタ・マグラスが、事業における大きな失敗を未然に防ぐことを目的に開発したもの。インテグラートでもDDPをフル活用し、顧客企業の新規事業創出を強力に支援しているという。

 「DDPの要点は、『詳細な計画よりも仮説を明確にする』ということ。事業が失敗してしまうのは、『この機能が顧客に好評だったら』『自社の技術が主流になれば』といった『たら・れば』(=仮説)が外れてしまうから。仮説が外れるのは、ある意味当然のことですので、継続的な確認を行うことが大事です。そして外れていく仮説に対応し、柔軟に事業計画を修正する必要があります」と小川氏は説明する。

 また、新規事業が失敗しやすいのは、できる・できないが既に分かっていること、すなわち「知識」よりも、できたら・できればという仮説の割合が高いからだ。従って成功の見込みを上げていくためには、仮説を実験によって知識化していくことも重要だ。

 「さらに気をつけたいポイントが、『我々が何に懸けているのか』を、組織的に共有することです。事業計画には多くの仮説が含まれますが、その中で何が一番重要なのかを自らに問いかけてほしい。また、価値最大化の取り組みは継続的なプロセスなので、『自分たちが懸けて仮説はまだ生きているのか』ということを常にチェックすることも肝心です。この2点をしっかりと押さえることで、事業を成功させる可能性を大きく高めることができます」と小川氏は強調する。

価値最大化に向けた事業投資を強力に支援する「RadMap」

図1 評価指標の算出ロジックを見える化 図1評価指標の算出ロジックを見える化 売り上げ予測などの計算ロジックを見える化するRadMap/projectのモデラー機能。ノウハウのブラックボックス化が防げるため、検討プロセスを関係者間で共有して透明性の高い意思決定が行える。ノウハウの蓄積は、学習にもつながる  こうした価値最大化の取り組みを進める際に、意思決定者にとって大きなリスクとなるのが「分からない」という点だ。いくら事業現場では周知されていることでも、その情報が意思決定者に伝わっていないのでは存在しないのと同じである。事業が実行フェーズに入ると、さらに分からないことが増えていくため、事業の結果や検討内容が効率よく共有でき、新たなメンバーが後で見てもきちんと経緯が分かるような仕組み作りが求められる。

 これを実現するのが、同社が提供する「RadMap」である。これはプロジェクト評価システム「RadMap/project」と、ポートフォリオ評価システム「RadMap/portfolio」で構成されるソリューション。事業性評価プロセスの標準化や計画データの一元管理、複数の事業投資を束ねてポートフォリオとして管理する機能など、不確実性の高い新規事業投資を的確に管理するための様々な機能を備えている(図1・図2)。こうしたことが着目され、既に中外製薬や協和発酵キリンなど大手企業43社に導入されている。

図2 事業ポートフォリオを適切に管理 図2事業ポートフォリオを適切に管理 RadMap/portfolioを利用すれば、複数の事業投資プロジェクトを束ねて事業ポートフォリオとして管理することが可能。中長期にわたる事業の見通しやアセットの入れ替え検討なども容易に行える  「事業立案やリスク評価のプロセスを集約・統一化できるため、意思決定者が後で困るような心配はありません。各プロジェクトの記録も残りますので、なぜ失敗したのかを学ぶこともできます。また、こうして事業計画の質を高めることで、プロジェクトの成果や将来像を確認しながら事業改善を進めることもできます」と小川氏は述べる。

 これに加えて、RadMapの導入を支援するコンサルティングサービスも用意。今後も同社では、ツールやサービスを組み合わせて提供することで、常に将来のゴールに注目しながら事業投資を進める、新しいマネジメントの仕組みの実現をサポートしていく考えだ。
お問い合わせ
インテグラート株式会社 オフィシャルサイト
URL:http://www.integratto.co.jp/
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