店舗IoT化で、ECの分析手法をリアル店舗に適用することを可能に!

店舗IoT化で、ECの分析手法をリアル店舗に適用することを可能に!

インテルでは2015年からIoT事業を本格化させ、これまで培ったコンピューティング技術を活用しながら、IoTに欠かせない技術基盤やプラットフォームの構築をしている。日本では最先端の取り組みである総合アパレル企業 TSIホールディングス(以下、TSI)とリテールネクストが取り組む、“店舗IoT化”から「リテールの未来」を紐解いていく。

店舗のコンバージョン率を可視化する

現在、TSIは約34のファッションブランドと約1500店を展開している。若年層をターゲットとした「ナノ・ユニバース」「ローズバッド」をはじめ、レディースカジュアルブランド「ナチュラルビューティベーシック」、ストリートブランド「ステューシー」、ゴルフウェアブランド「パーリーゲイツ」「キャロウェイアパレル」、コレクションブランド「ジル スチュアート」「マーガレット・ハウエル」といった、幅広いブランド展開を行なっている。

同社は2016年7月、成長戦略の一環とし取り組むデジタル化の格となるオムニチャネルの推進するために、小売業向け店舗分析プラットフォーム「リテールネクスト」による店舗IoTプラットフォームの導入を決めた。

「リテールネクスト」導入は、同社のマルチブランドの優位性を最大限に活かしながら、ECで収集したビッグデータ(オンライン)と店舗データ(オフライン)を両側から追跡しオムニチャネルを実現するためだ。

「EC化率も年々向上し、2016年2月期には売上ベースで約11.8%を占めるまでに成長ました。しかし、いざビッグデータを活用しようと考えても、ECにおけるデータしか存在しません。結局のところ、どんなにEC化率を上げたとしても、実店舗が1500以上存在するため、得られるデータはそちらの方が圧倒的に多いので、実際の店舗で、お客様がどのように回遊したかといった行動履歴を追跡していく必要があるのです。一言で言えば「店舗のコンバージョン率」を可視化したかったのです。店舗のコンバージョン率とは、店舗の見込み客から購入顧客になる、その転換率がどれぐらいあるかを示すものです」(柏木氏)

TSIホールディングス 執行役員 柏木又浩氏

リテールネクストの「Aurora(オーロラ)」と呼ばれるセンサーはセンサー自体にCPU、メモリ、Wi-Fi、Bluetooth、ビデオ機能を内蔵しており、個人情報を除いた形で、店舗の前まで来る人数、入店する人数、試着室利用率、棚前滞留数、購入に至る店内導線など、店内外の来店客およびスタッフ行動を測定しデータ化することができる。ECサイトと同じように、顧客属性、来店頻度、商品へのアプローチ、回遊パターン、購入客、非購入客といったデータが取れるため「店舗コンバージョン率」「棚前コンバージョン率」「試着室利用コンバージョン率」など店舗が分析に必要とする指標を正確に出すことができる。

リテールネクストでは機能だけではなく、リテールに特化したコンサルティングサービスも一緒に提供し、どういった施策が各ブランドの店舗に最も効果的なのかを体感してもらうところから始めている。

「RetailNextは店舗内外のデータ分析を行う統合的なソリューションです。導入いただくことにより、売上アップとコスト削減の2つの観点で店舗運営に貢献することができます」(関根氏)

リテールネクスト・ジャパン ダイレクター 関根正浩氏

このソリューションを利用すれば、店舗来店客100人でコンバージョン率が10%の場合、10人の購入客だけではなく残り90人の分析もできる。今までの実際の店舗では購入客のみが分析対象であったが、非購入客を分析することができるため、売上向上の施策が可能になる。

ファッションビル、百貨店内の店舗でセンサーを取り付けるためには商業施設側の承認が必要で、商業施設側が慎重になっているケースもあるが、時代性を理解していただいた上で、ぜひトライしてみましょうと。これまでに拒否された商業施設は1つもないと柏木氏は語る。

RFIDの有効活用が、次世代リテールの可能性を大きく広げる

メンバーズカードのアプリ化をおこない顧客IDとアプリが連動すれば、購入履歴やポイントなどデータとリテールネクストの取得した行動データをCRMで融合できる。その顧客データを活用し、リマーケティングや、リターゲティングを行い、来店した顧客が購入しない場合でも、再び足を運んで購入したくなるような施策を検討することができる。

「RFIDにも大きな期待を寄せています。お客様がどの商品をピックアップしたのか、どの商品を試着室まで持っていったのか、そしてどの商品を試着して購入したのか、あるいは購入しなかったのか――この履歴を、今度は商品の視点からデータ化できるようになるからです。 より細かく、アパレル業でお客様のパーソナライズ化を目指すとなると、商品まで含めたパーソナライズまで行かなくてはならない。そのときにRFIDはマストになってくるでしょう」(柏木氏)

人の動き、モノの動きが、手に取るようにわかるRFIDの可能性は計り知れない。例えば、目の前の商品が5%オフになるといった施策をリアルタイムで行えば、顧客の購買意欲が上がり実売につなげることができる。こうした新しいチャレンジに、リテールネクストのソリューションは有効だ。

リテールネクストのソリューション活用方法は店舗の「コンバージョン率」の可視化だけでなく、組み合わせ次第では、マーケティングのオートメーション化といった新たなイノベーションを起こす可能性を秘めている。

リテールネクストをはじめとする様々なパートナーの強みとインテルの製品、テクノロジーを組み合わせることにより、インテルは、リテールの課題解決と最適化に向けた先進IoTソリューションの提案進めている。