9月は障害者雇用支援月間 障害者雇用が企業の成長を促す―

平成30年4月から障害者の法定雇用率が引き上げられる。障害者雇用をどう進めるかは、少子高齢化時代の企業の成長戦略にとって大きな意味をもつ。積極的な取り組みが社員の成長につながるとする企業の例を紹介する。

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モデル店舗から全国に広げ障害者雇用率4%超

株式会社良品計画 人事総務部 成澤岐代子氏

株式会社良品計画
人事総務部
成澤岐代子氏

「ハートフルの方たちのおかげで、私たちのほうが成長させてもらっています」――そう語るのは、国内外合わせて800超の店舗を持つ「無印良品(海外はMUJI)」を展開する良品計画 人事総務部の成澤岐代子氏。“ハートフルの方たち”とは、同社が2009年から行う障害者雇用促進の取り組みであるハートフルプロジェクトによって雇用された、障害のあるスタッフを指している。現在、無印良品の国内直営店328店の内、約150店で障害のある従業員が活躍。合計人数は約240人で障害者雇用率は4.05%と法定雇用率(2.0%)を大幅に上回る。

「弊社では障害者雇用を2000年から行っていますが、当時は本部での採用が中心で業務も限られており、障害者の雇用を増やすことに限界を感じていました。この課題を解決すべく開始したのが店舗雇用を推進するハートフルプロジェクトだったのです」と成澤氏は取り組みを始めた経緯を説明する。

この取り組みで採用される店舗スタッフは、バックヤードの仕事だけでなく、接客などもこなす。中には販売スタッフ経験者もおり、その仕事ぶりは当初期待していた以上のものだという。

とはいえプロジェクト開始前は現場を管轄する販売部などで店舗雇用を心配する声もあった。

そこで、いち早く成功例をつくるために、本部で選抜したモデル店舗から取り組みを開始。その結果、「社内の理解が進んだだけでなく、成果を知った他の店舗から『自分たちも採用したい』という声が上がるようになった」(成澤氏)のである。

ともに働くことでスタッフの接客力 店長のマネジメント力が向上

この取り組みが成功した要因の1つには、専門家や障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターなどの専門機関のサポートを積極的に利用したことが挙げられる。専門機関では、個々の障害者のスキルや得意なこと、必要なサポート等が分かるプロフィールシートをまとめてくれており、その資料をもとに障害特性に応じた配慮を行っているそうだ。さらに取り組みを始めた数年間は、「ジョブコーチ支援事業」も活用したという。

「やはり初めは、ノウハウがないので専門機関の助けは必要だと思います。弊社は全国に店舗を展開しているので、すべて(本部の)人事総務部で対応することは難しい。そうした場合に全国にある障害者職業センターで相談できるのはありがたいです。また、障害のあるなしに関係なく、働きぶりを認めることが大切との考えから評価シートと面談の結果を給与に反映させる昇給制度を導入しました。障害者雇用を始めた当初は、障害種別に評価シートを作成していましたが、障害者雇用を進めるうちに現場から個々人の特性の違いにこそ配慮すべきで、障害種別による大きな違いはないという声があがった為、今では一つの評価シートで対応しています。ハートフルスタッフには、働くこと自体に不安を持った方が多いため、店舗ではワークスケジュールの見える化や進捗状況の確認、こまめな声かけやあいさつ(顔色や声などで当日の体調を確認)を大切にしています。」

現在、ハートフルスタッフのスキル向上に合わせて評価シートの改訂を検討しているという。目標を持って働く環境をつくるこの制度が職場定着にも一役買っていることは言うまでもない。

成澤氏は障害者雇用推進のメリットについて「おのずと社員が成長していくことです。特に店長のマネジメント力の向上には驚かされます。ハートフルの方たちと働くことをきっかけに、各スタッフの能力や個性を引き出す工夫を自ら行うようになりました。ある店舗では、店長のアイデアで絵が得意な障害のあるスタッフが中心となってお客様向けのイベントを実施しました。募集広報や当日の配布資料作成など取り組みを終えた彼女は、『苦労はあったけれどやりがいがあり、自信につながった』と話していました。」と話す。また、他のスタッフについても、障害者と仕事をすることで身についた心配りが接客にもよい影響を与えているそうだ。社員の成長を実感できるところまできたこの取り組みを今後も発展させることで、さらなる企業成長を目指す。

障害のあるスタッフが作成したイベント配布資料

障害のあるスタッフが作成したイベント配布資料

平成28年度 障害者雇用優良事業所等厚生労働大臣表彰

株式会社良品計画 【業種】各種商品卸売小売業
【業務内容】生活雑貨チェーン
【従業員数】6,992人(2017年2月期末時点)
うち障害者242人(精神障害者194人、知的障害者35人、身体障害者13人)

障害者雇用の理解を深める「働く広場」

障害者雇用事業所の職場ルポなど最新の雇用事例を中心に、身近な障害者雇用問題を取り上げた事業主向けの啓発誌(毎月25日発行)。ホームページではデジタルブックを公開中。

働く広場

障害者雇用の好事例に学ぶ「職場改善好事例集」

雇用管理や職場環境の整備など様々な改善・工夫を行った好事例を紹介。平成28年度のテーマは、「中小企業等における精神障害者や発達障害者の職場改善好事例」

職場改善好事例集
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