グッドキャリア企業アワード2 0 1 7

大賞 厚生労働大臣表彰

従業員の自律的なキャリア形成支援について特に
他の模範となる取組を総合的かつ継続的に推進し、
その成果が顕著である企業などを表彰する。
「グッドキャリア企業アワード2017」では4社が受賞。

  • オムロン太陽株式会社
  • 川相商事株式会社
  • 大同生命保険株式会社
  • 株式会社千葉興業銀行

障がい者・健常者に同じ研修機会を提供 個々に寄り添った成長を支援する

オムロン太陽株式会社

オムロン太陽株式会社

所在地:大分県別府市 業種:電気機械器具製造業 従業員数:64人

    • 障がいの有無に関わらず、すべての従業員に同じ研修の機会を提供
    • 従業員の障がいの状態やレベルに合わせた社員等級を新設
    • 職能要件書を整備し、資格取得奨励金制度を導入
    • 自律的な行動の促進と、企業としての存在価値の向上
    • 正社員転換によるモチベーション向上
    • 目指す姿の明確化と資格取得の意識の高まり

 障がいの有無に関わらず同じ制度でキャリアアップするための取組として、障がい特性を踏まえた支援(手話通訳など)を提供。従業員のレベルに応じた階層別研修や、障がい特性を理解するための「ひとづくり研修」により、協働を推進する。また2013年度より、有期契約で採用した従業員も採用5年後には無期契約にできる制度を整備。併せて、障がいの状態やレベルに応じた2つの等級を新設している。自身の階層に応じた目標設定ができるよう職能要件書を整備するとともに、業務に有用な資格を取得した際には奨励金を付与する制度も導入。平等なチャンスは職場に活気をもたらし、多くの従業員の成長を促す結果となった。
 受賞に当たり、代表取締役社長の大前浩一氏は、「当社の重点目標であるダイバーシティ&インクルージョンの取組が評価されたことをうれしく思います。受賞の重みと喜びを糧に、今後も全従業員が相互に切磋琢磨(せっさたくま)できるよう心のサポートを続けてまいります」と語った。

オムロン太陽株式会社 代表取締役社長 大前浩一氏

オムロン太陽株式会社
代表取締役社長 大前浩一氏

審査評

それぞれの個性に寄り添った形でキャリア形成を支援することで、自律の志を高めている点を評価。障がい者とともに育っていくキャリア形成の模範となる事例といえます。

審査総評 武蔵大学 客員教授 北浦 正行氏

社内スクールの運営を柱とした非正規社員の正規転換を推進

川相商事株式会社

川相商事株式会社

所在地:大阪市門真市 業種:労働者派遣業 従業員数:290人

    • 社内スクール「創喜感働塾(そうきかんどうじゅく)」の整備により、積極的に正社員転換を支援
    • 全従業員を対象に、各職層に分かれた社員研修を実施
    • 社内キャリアコンサルタントの配置により、キャリア形成に関する相談体制を整備
    • 人材の定着・生産性の向上による他社との差異化を実現
    • 自身の成長に対する能動的なアクションの促進
    • キャリアアップを目指して意欲的に働く従業員の増加

 「非正規で働く人にもステップアップの道をつくりたい。その思いから、2010年に『創喜感働塾』を開設しました」と、代表取締役社長の川相政幸氏。「創喜感働塾」は、6カ月にわたる訓練で職業能力や専門知識、人間性と意欲の向上を図る無償・有給の社内スクールだ。これに加え、2015年には現場専門職養成の社内検定制度を立ち上げて正社員登用を実施。現在正社員比率は36%を超えて拡大中だという。
 また、全従業員を対象に各職層に分かれた社員研修を実施。「創喜感働塾」同様、無償・有給で受講でき、2016年は全従業員で延べ2000時間を超える研修が行われた。キャリア形成の相談については、社内に配置された有資格4人のキャリアコンサルタントが対応。半年に1度の上司との評価面談においても職業生活設計の話し合いの機会を設け、自律的なキャリア形成に取り組んでいる。

川相商事株式会社 代表取締役社長 川相政幸氏

川相商事株式会社
代表取締役社長 川相政幸氏

審査評

290人の従業員のうち6割強が非正規雇用という川相商事。その正規転換を図るための「創喜感働塾」運営が評価のポイントとなりました。非正規社員を含め、従業員全体が意欲を持って働ける流れをつくり出した好事例といえるでしょう。(北浦氏)

個々のキャリアの「見える化」によりチャレンジと能力発揮の機会を支援

大同生命保険株式会社

大同生命保険株式会社

所在地:大阪府大阪市/東京都中央区 業種:生命保険業 従業員数:3542人

    • 人材育成ポータルサイトによりキャリアを可視化、従業員間のネットワークを構築
    • 従業員の強みやキャリア意識等を一元的に集約・分析し、人材配置や育成に活用
    • 新たな職務に挑戦する「チャレンジキャリア制度」や層別キャリア研修を整備
    • 業務上の連携強化の実現とキャリアイメージの明確化
    • 中長期視点を踏まえた育成や、ライフイベントとキャリアの両立を進展
    • キャリアに対する意識の向上とチャレンジの促進

 「当社は1902年の創業以来、115年にわたって『人づくり』を推進してまいりました」と取締役専務執行役員の北原睦朗氏。全ての従業員(内務職員)がやりがいを持って成長できるよう、社内の人材育成ポータルサイト「Challenge Navi」では、従業員のキャリアや強みを開示する「マイプロフィール機能」やSNS機能を整備し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)できる環境を整備する。またこれらの機能を活用し、他部門の従業員へ直接キャリア相談が可能となる「D-キャリ」も導入。その他、人事総務部による全従業員への直接面談で把握した本音・考え方・価値観などを、人材育成や配置に活用する「タレント・マネジメント」の仕組みにより、個々の能力を最大限発揮できる機会を提供している。
 中期経営計画においても、人事戦略を踏まえた「人材力向上推進計画」を策定し、層別のキャリア研修を実施。さらに、希望の職務に挑戦できる「チャレンジキャリア制度」を設け、これまでに200人以上が目標のキャリアプランを実現しているという。

大同生命保険株式会社 取締役専務執行役員 北原睦朗氏

大同生命保険株式会社
取締役専務執行役員 北原睦朗氏

審査評

「マイプロフィール機能」や「タレント・マネジメント」の仕組みにより、個々の能力発揮の場を提供。それと同時に社内コミュニケーションの活性化にもつながる、優れた人事マネジメント制度だと感じました。(北浦氏)

コミュニケーション機会の充実を図り、自主性を重んじたキャリア開発を支援

株式会社千葉興業銀行

株式会社千葉興業銀行

所在地:千葉県千葉市 業種:銀行業 従業員数:2226人

    • 正社員・非正規社員を問わず、個々の社員とのコミュニケーション機会を多く設定
    • 自己啓発資格取得奨励制度やハイスキル自己啓発支援制度により能力向上を支援
    • 非正規社員から正社員・限定正社員への転換制度を導入
    • 従業員との信頼関係構築とキャリア形成意識の醸成
    • 自身のキャリア形成に向けた、主体的な能力開発意欲の向上
    • 非正規社員の働く意欲向上と雇用の定着化

 激変する経営環境において永続的に発展するためには、従業員個人の自主性を重んじたキャリア開発支援が不可欠と考え、1996年にCDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)を導入。また、「女性・若手の登用」「専門性の高い人材の育成」を目指し、2004年からキャリア開発支援体制を拡充した。その代表的な施策となるのが、全従業員を対象とした半年に1度の「CDP面談」や有資格者による「キャリア開発支援窓口」の設置、キャリアの節目ごとの「キャリア開発研修会」の実施だ。
 また、社外でも通用するスキルを身につけるため、幅広い分野の通信講座を提供。資格・検定試験合格者に奨励金を支給するほか、難易度の高い資格受験のためのスクール費用も援助する。取締役頭取の青柳俊一氏は「多様化するお客様ニーズに応えるカギは人材」であるとし、非正規社員を正社員に転換する「行員転換制度」や、限定正社員転換の「アソシエイト行員制度」により、有能人材の活躍の場の拡大に努めている。

株式会社千葉興業銀行 取締役頭取 青柳俊一氏

株式会社千葉興業銀行
取締役頭取 青柳俊一氏

審査評

キャリアに関する相談機会や窓口をきめ細かく設定することで、全行にキャリア意識を浸透。それに加えて自己啓発や能力開発、正規雇用といった具体的支援により、着実な成果につなげている点を評価しました。(北浦氏)