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Panasonic
凛とした佇まいと風 高級扇風機「RINTO」にデザインの革新を見る

上質でクラシカルなデザインの中に、静かな革新性を秘めた
パナソニックのプレミアムリビング扇風機「RINTO」。
その誕生を支えた開発者たちの思いや設計へのこだわりを、日経デザインラボの丸尾弘志が聞く。

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世界3大銘木のウォールナットを採用。上質さを極めた、木のぬくもりを持つ扇風機

──その名の通り“凛(りん)と”した佇まいの扇風機、「RINTO」。開発コンセプトをお聞かせいただけますか。

渡邉空間の雰囲気を損なわぬよう、佇まいそのものが上質感や快適さをもたらすような扇風機を目指しました。ポールにも本物の木を使うなど、家電というよりは家具を仕立てる感覚で、質感や精緻感にとことんこだわった作り込みをしています。夏は扇風機として、冬はサーキュレーターとして、1年中リビングに置いていただきたいですね。

──扇風機に、本物の木を使っているんですか?

渡邉はい。合板ではなく、ウォールナットの木を1本の無垢材からくり抜いて使用しています。ウォールナットは世界3大銘木の1つとされ、重厚感のある見た目と頑丈さが特長です。木質も硬く締まっており、家具をはじめ銃床や楽器といった精巧なものづくりにも使われているんです。今回はその技術を持つ四国の老舗猟銃メーカーが、木材の選定から加工、仕上げまでを担当しています。触っていただくと分かるんですが、今までの家電にはない素材そのもののぬくもりがお楽しみいただけます。

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──まさにこだわりの逸品ですね。どんなターゲット層を想定されていますか。

渡邉一言で言うと、本物を知る、上質な価値観を持ったお客様ですね。流行や価格に流されず、自分の感性に響くものには快く投資をし、愛着を持って使っていただける方。そうした感度の高いお客様に、「RINTO」でワンクラス上のステータスをお届けしたいと考えています。

前川ターゲットは絞られますが、こうした価値を持つ商品を提供していくことも、扇風機を100年以上作り続けてきた当社の使命ではないかと。私たちがやらずにどこがやる、という信念で開発を進めてまいりました。

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100年の歴史と伝統を守りつつ、現代の美しさと快適性を追求

──その伝統が、クラシカルなデザインにも表れています。

前川ベースがあってポールがあって、プロペラがモーターで回るという扇風機のスタイルは、100年たっても変わらない。日本人にとっては、古くからある夏の風物詩の一つなんです。美しさと懐かしさのどちらも大切にしているRINTOでは、あえて、そこをしっかり守ろうという思いはありました。

渡邉扇風機というプロダクトは、この100年の中で磨き抜かれ、ムダをそぎ落とされてきた。ある意味すでに完成しているんです。それをどう美しくデザインとしてブラッシュアップするかというのも、大きな課題でした。最も苦労したのは、重心のバランスです。空間にモノを配置する際、重心が下にあるほうが見た目にも安定感をもたらしますが、扇風機はその逆。上が重いうえに首振りなどで動くので、非常に不安定なバランスなんです。それを払拭するために、「RINTO」では従来羽根の後ろにせり出していた首振りモーターを下に移動し、上部のボリュームを抑えるようにしました。ガード部分もできるだけ薄くすることで軽快感を出し、背が高くてもスッキリとまとまって見えるバランスに落ち着きました。

──確かに横から見ても後ろから見ても美しい、洗練されたスタイルですね。最近の住宅は天井が高いので、「RINTO」のようなスラリとした扇風機が、デザイン的にも機能的にも人気が出そうです。

前川背を高くしただけでなく、広いリビングの遠くの位置や座っている人にも、快適な風が届くように考慮しています。また、風を送るプロペラの形状やデザインにもこだわりました。7枚羽根の1枚1枚に波模様を刻み、涼しげな気流を視覚的にも表現しています。最大風速にしても羽根がきれいにそろって回るように、成形時から厳しくチェック。わずかでもブレのある羽根は採用していません。

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コンセプトモデルがそのまま商品に。開発の思いとこだわりが詰まった1台

──扇風機としての機能の特長についても教えてください。

前川パナソニック独自の「DC 1/f ゆらぎ」機能を搭載し、高原に吹く心地よい風を再現しました。また、エアコンと併用されるシーンを想定し、室温に合わせて自動運転できる「温度センサー」も採用しています。また、スイッチを切ったときに、必ず羽根を正面に向けて停止するのも「RINTO」ならではの特長。インテリアとしての美しさを追求し、常にベストポジションに戻るよう配慮しました。

渡邉操作部にも工夫を凝らしています。ベース部分にある操作キーは、そのとき必要な表示だけ浮かび上がるようにし、ノイズを徹底排除。ベースは磁器をイメージし、滑らかな質感やつや感にもこだわりました。また、本体と調和するよう、リモコンも使いやすく、上質感のある仕上がりにしています。

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──機能にもデザインにもそれぞれのこだわりがある。開発当初のアイデアを商品化するまでには、いろいろとご苦労もあったのでは?

渡邉今回の開発は、「史上最高の扇風機を作る」という思いの下チーム一丸となってスタートしました。もちろんコンセプトモデル──当社ではチャンピオンモデルと言いますが──も作るんですが、それがほぼそのまま商品になったのが、「RINTO」です。こんなことは異例ですが、従来できなかったことが実現できるということで、開発チームのモチベーションは非常に高かったですね。

前川それだけにいろんな部門からアイデアも提案され、トライアンドエラーの工程が他の商品より多かったのも事実です。デザインの作り込みに始まり、表面からネジやビスが見えないようにする設計や、羽根を上品に回すための制御方法など、細部にいたるまでディスカッションと検証を繰り返しました。また、最終的な色やデザインの調整は、商品を実際にいろんな空間に持ち込んで見え方を確認したうえで行っています。

──そうして誕生したのが、和モダンな空間に合う、クラシカルで飽きのこない扇風機「RINTO」。スタンダードな商品なので、長く使い続けられそうですね。

前川長く大切に使い続けていただきたいというのは、開発当初からの願い。経年変化を楽しめるウォールナットを採用したのも、その理由の一つです。3年5年で使い捨てられるのではなく、ずっと暮らしに寄り添っていく扇風機を目指しました。

渡邉こだわりの空間の中で、主張することなく上品に、凛とした存在であり続けてほしいですね。

“昔ながらの扇風機”というアイコン性を保ちながらも、随所に様々な革新がある。例えばモーター部分をコンパクトにしたり、家電に本物の木を使ってみたりと、今までの扇風機の常識を覆す試みがなされています。それをあえてクラシカルなデザインにまとめることで、長く使い続けられ、また売り続けられるカルチャーを醸成している。伝統と革新のいいとこどりをした「RINTO」は、息の長いプロダクトに育っていくのではないでしょうか。

パナソニックプレミアムリビング扇風機「RINTO」製品情報はこちら