富士通マーケティングが取り組む、名刺を起点とした次世代デジタルマーケティング

デジタルマーケティングを洗練させ続け、営業力強化を効率よく実現

株式会社富士通マーケティング 商品戦略推進本部 デジタルマーケティング推進室 室長 桜井 浩 氏

富士通グループの中核会社として、主に中堅・中小企業向けにICTソリューションを提供する富士通マーケティング。2011年からメールとWebを活用したマーケティングに取り組み、2014年にはマーケティングオートメーション(MA)を導入。さらに、確度の高いデジタルマーケティングを実現するため、2016年にクラウド名刺管理サービス「Sansan」を導入した。同社のデジタルマーケティングの取り組みについて、デジタルマーケティング推進室室長 桜井浩氏に話を聞いた。

革新的なマーケティング手法により案件化率を飛躍的に向上

 富士通マーケティングの営業活動は、直販の営業部隊と約500社のパートナー企業によるパートナー営業によって行われている。膨大な見込み顧客リストを保有する同社では、⾒込み顧客それぞれのニーズを細かく把握することが難しく、営業活動の効率化が課題となっていた。

 そこで2011年、既存の1万数千件のデータベースを活用し、メールマガジン会員専用のWebサイトを構築。メールマガジンからWebサイトへ誘導し、アクセスした見込み顧客に対して電話をかけるというプッシュ型(アウトバンドコール)の営業活動を始めた。「興味を持っているお客様に電話をするので効率がよく、電話をかけると3、4割の確率でアポイントが取れていました」(桜井氏)。

 その後展示会やセミナーなどで収集した名刺情報を中心にリード数を増やし、2014年にはアプローチリストに登録されたリード数が約3倍にまで拡大したが、新たな課題に直面する。

 手作業によるマーケティングの限界だ。「当初は、毎月1回、情報システム部門向けとそれ以外というように2つのセグメントを選んでメルマガを2種類配信していました。しかし、今回配信したメールの内容に興味を示したお客様に関連する追加の内容を配信して製品やサービスの理解を深めるといった、リードナーチャリングを目的としたきめ細かなメール配信まではできていませんでした」と桜井氏。よりスピーディーにきめ細かいマーケティングを行うため、MA(マーケティングオートメーション)を導入することを決定した。

MAの導入によりさらなる効率化を実現。きめ細かなシナリオ設計によりクリック率も大幅に向上

 2014年11月には、新たなマーケティングサイト「ICTのmikata(みかた)」をスタート。同じころMAを導入した。MA導入による効果について桜井氏は次のように語っている。「メール配信業務の効率化により、これまで手薄だったコンテンツの企画・制作に注力できるようになりました。2種類だったメールも経理部門向け、人事部門向け、情報システム部門向けなどお客様の部署に合わせて7種類の内容から選択できるようにして、Webサイトの閲覧内容に合わせた関連メールも自動的に配信するようにしました。セグメントの興味にあった内容とタイミングでメールを配信することで、平均3〜5%だったクリック率は最大で20%を超え、多くの問合せをいただけるようになりました」。

 また、Webセミナーや実践事例、市場調査レポートなどコンテンツの種類も増やした。閲覧状況に応じて次の関連コンテンツを紹介するといったシナリオを組むことで、効果的なリードナーチャリングの仕組みを確立していった。

 MAの活用とコンテンツの充実で、富士通マーケティングのデジタル戦略は着実に成果を上げていったが、それでも課題は尽きなかった。
「せっかくマーケティングによって育てたアプローチ先を営業に渡しても、喜ばれないケースもありました。営業の各部門は、それぞれ狙いたいターゲット像を持っていますが、こちらがリストアップするアプローチ先は必ずしもそれと合致するとは限りません。それでは営業のやる気も出ないし、かえって手間を増やすだけにもなりかねません」と桜井氏は語っている。

 効果的な手法の確立やMAを国内では早期に導入するなど、先進的なマーケティング活動を行う同社が、この課題を解決するために次に着目したのが名刺だった。

クラウド名刺管理サービス「Sansan」の導入により営業が攻めたいアプローチ先のリードを獲得

 名刺は、ビジネスにおける“出会いの証し”である。営業が保有する名刺の多くは当然、アプローチしたいと考えている企業に所属する見込み顧客のものになる。しかし、日々商談を行う営業担当がこれら名刺交換した見込み顧客全てを定期的にフォローすることは難しい。このとき、マーケティング部門が営業の保有する名刺をアプローチ先にできれば、営業がターゲットとしたい企業へのマーケティングが可能になり、定期的にフォローすることも可能となる。さらに、全社的に名刺情報を管理することでデータベースの質と量の充実にもつながり、かつ名刺交換者の名前でメールを送信することで開封率も上がるため、メールマーケティング施策への効果も見込める。こうした効果を期待し、名刺に着目した同社はSansanを導入した。

 その導入により、営業が保有する名刺を一括管理し共有できるようになった。同一企業の中でアプローチできていない部門を可視化することや、社内に潜在する人脈を有効活用することも可能になり、同社の営業を個の営業から社内にある資源を活用した組織的な営業へと進化させる道筋が見えてきた。

 また、MAをはじめとする他のツールとの連携も容易であるため、名刺情報の戦略的活用の幅も一段と広がった。桜井氏はさらに続ける。「導入以前にも名刺情報をデータ化したことがあったのですが、普通にスキャンしただけでは9割合っていればいい方で、読み込んだ後の確認と修正が欠かせませんでした。その点、Sansanは極めて高い精度でデータ化してくれるし、スキャンも簡単でデータを修正する手間もない。これなら忙しい営業担当者も使ってくれるだろうと思いました」とデータ化における精度の高さと事務負担の軽減効果を評価している。

営業チャンスを生み出す名刺管理システム

営業へのプッシュ型情報提供やAIの活用も視野に入れる

 富士通マーケティングでは現在、役員や営業担当者約1600名がSansanを利用。営業担当者の名前でマーケティングメールを送る試みも始めている。「このメールからWebサイトに来てもらえれば、お客様が何に関心をお持ちかが分かります。営業担当者が訪問前にそれをMAで確認すれば、お客様がいま興味を持たれている分野の情報提供ができます」(桜井氏)。

 同社は、今後SansanとMAの連携により獲得したデータを営業担当者に活用してもらうため、情報提供の仕組みを整えていく予定だ。現在は営業担当者が自ら検索しなければ情報を閲覧できないが、今後は顧客に動きがあった場合、担当営業にプッシュ型通知で情報を知らせることを計画している。

 また今後、エンジニアやスタッフ部門など異なる職種の社員にも利用対象を拡大していく予定だ。「将来的には、社内にある様々な情報のデジタル化を進め、AIを活用した分析などを試みて、個人や企業に最適なアプローチができるようなマーケティング組織を目指していきたい」と桜井氏は話す。

 AIを活用した未来まで描いている桜井氏は、「営業担当者がSansanを便利だと思えば、恒常的にデータを入力してくれるようになり、そのデータをMAに活用していけるようになります。そのためにも、より便利でSansanを使いやすい仕組みを構築していきたい」と最後に締めくくった。

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株式会社富士通マーケティング
本  社: 〒108-6207 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティ C棟
設  立: 1947年4月23日
資 本 金: 122億2000万円
従業員数: 3421名(2017年3月末時点)
事業概要: 富士通グループの中堅市場を担う中核会社として、「お客様の視点で、事業そのものをICTで支える」ことを
                使命とし、顧客のITに関わるライフサイクルすべてをワンストップで提供している。
お問い合わせ
Sansan株式会社
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