2017年 マーケティング&セールスの最新潮流とトレンド

企業の成長の秘訣に迫るクラウド活用最前線
  1. TOP
  2. 人事領域のデータを一元管理AI活用で人事部の活躍を支援

人事領域のデータを一元管理AI活用で人事部の活躍を支援

株式会社ネオキャリア

人事部を経営のセンターピンに──。このようなコンセプトで開発されているのが、ネオキャリアの人事向けクラウドサービス「jinjer」だ。jinjerは、これまで業務ごとに分断されていた人事領域のデータを横断的にマネジメントできるプラットフォーム。ここに蓄積されるビッグデータを活用して、人事部が活躍できるような多様なサービスを追加していく計画だ。

企業の人事部門へのサービス提供実績が2万社を誇るネオキャリア。同社が開発したクラウド型人事システムが、「jinjer」だ。対応業務は人事マスター管理や人材管理、勤怠管理、採用管理、労務管理、給与計算、福利厚生、教育・研修など。これらの業務で扱う情報をクラウド上で一元管理できる。

提供から約1年で3000社超が導入

同社は2016年に採用管理システムと勤怠管理システム、労務管理システムの3つの提供を開始。今秋には、人材管理以外の業務に対応した機能が出そろう予定だ。jinjer開発の背景には、採用だけでは解決できない問題を解消したいという同社の願いがある。「約30万社の中小・ベンチャー企業の経営者や人事の方とお会いする中で、採用した人材のパフォーマンスが思うように上がらない、引き止められず退職する社員が増えているといった課題を多く耳にしてきました。また、一部の大手企業で実践しているような採用から育成、活性化までを管理できるような人事システムを導入したいけれど、中小企業ではコストの問題で難しい、などの悩みも多く聞きました」(ネオキャリア専務取締役副社長・加藤賢氏)
昨今、求人倍率は2倍を超え採用難易度が上がった。人事部では採用から定着、活性化までをミッションとしてとらえる必要が出てきた。そこでネオキャリアが考えたのが、人事管理サービスの「クラウド」での提供。各サービスをAPIやCSVでデータ連携し、従来有効活用できていなかった人事データを可視化させるのは、大規模システムでなくても可能だ。クラウドなら従量課金でサービスが提供できるため安価でかつ、顧客の環境整備も手間がかからない。同社は顧客企業がjinjerを利用することで、人事部が企業のパフォーマンス向上の“起点”になれると信じる。
1月にリリースした採用管理システムはインターンから本採用、内定者のフォローまでを一気通貫で管理できる。4月にリリースした勤怠管理システムはマルチデバイス完全対応。パソコンやICカード使用の一般的な打刻方法はもちろん、スマートフォンやタブレット端末などにも対応する。
6月にリリースした労務管理システムでは、労務における煩雑な手続きがウェブ上で完結できる。従業員の入退社手続きに必要な書類作成や、公的機関への書類申請、公的機関への社会保険申請をオンラインで実施可能になる。
いずれもユーザーアカウント1つ当たり月額200円と安価。16年1月の提供開始以降、3000社超の企業が導入した。

先を見越した行動を支援できる

jinjerは単に業務を効率化するだけでなく、人事部門が先を見越した活動をできるようにすることを目指している。「人事部門には従業員の行動を表す情報が豊富にあるのに、ほとんど再利用されていないのが実情。例えば離職した従業員の情報にも大きな価値があるのに、全く活用されていません。人事業務の中で蓄積した情報を有機的に結びつけ分析することで、経営に役立つ情報が可視化できるようになります」
例えば人事領域のデータからは、離職しそうな従業員を見分けられる。いつも同じような時間に出勤していた従業員に遅刻が増えてきたら、何らかの変化が起こったと判断できる。データを基に、この従業員の行動と過去に離職した従業員の行動を分析・比較することで、離職する可能性が定量的に把握できるという。離職する可能性が高ければ、この従業員が退職届を出す前に施策が打てる。実際に顧客企業が、データに基づいた事前アクションで離職率を低下させた実績もあるという。

モチベーションをAIが判定

同社は、こうした分析処理にAI(人工知能)を活用する。勤怠管理システムでも、AIを使った機能を提供している。勤怠データを分析し、モチベーションが下降傾向にある従業員をいち早く察知し、人事担当者へアラートを出す「エンゲージメントアラート機能」だ。
AIが従業員の表情を判定する仕組みもある。勤怠管理サービスは、スマートフォンで出退勤時間を打刻する機能を搭載。スマホのカメラで自分の顔写真を撮ることで打刻が能になるが、この際に「笑顔判定」を実施する。2万人分の顔写真で学習したAIが、従業員の表情に点数を付ける。同じ人でも、表情によって点数は大きく変わる。
同社では各種分析の精度を高めるために、jinjerに蓄積されるビッグデータの活用を計画中だ。許諾を得た顧客企業を対象に、各種人事データから個人情報や機密情報を排除した匿名のビッグデータを作成。これをAIで分析し、新たな知見を見いだそうとしている。これによって、優秀な成績を残している従業員の傾向を洗い出すようなことも可能になる。優秀な従業員に共通する要因が分かれば、これから成果を上げそうな従業員の登用や、適材適所の人員配置が可能になる。
今後日本では、労働者人口の割合が急速に減少する。いかに優秀な人材を採用するか、採用した人材にどれだけ活躍してもらうかは、企業の生命線だ。加藤氏は「今後、企業経営において、人事部門は戦略的な役割を担うことになります。受け身の姿勢ではなく、先を見越して行動することが求められる。それを具現化する最高の武器がjinjerだと考えています」と力説する。

株式会社ネオキャリア

代表取締役
:西澤 亮一
設立
:2000年11月15日
資本金
:362,384,890円
本社
:東京都新宿区西新宿1-22-2 新宿サンエービル 2階
事業内容
:人材関連事業、新卒・中途のキャリアコンサルティング、介護や保育、医療従事者をはじめとするヘルスケア領域、アジア各国での人材紹介やBPO HR Techなどの先端テクノロジー、バーティカルメディア、集客メディアの運用
お問い合わせ先
:https://hcm-jinjer.com/

その他企業のインタビュー