TOPインタビュー 株式会社東急コミュニティー 代表取締役社長 雜賀 克英 氏

社会ストックの形成に寄与する不動産管理業の役割は今後ますます大きくなっていく。

官民連携が追い風に 課題は人材の確保

 人口減少が進む日本では、これまでのように新築物件の供給が拡大していくことは考えにくいでしょう。一方で、建物の高齢化に伴う対策や、自然災害への備えもより一層重要になっていきます。建物の維持・保全をはじめとしたサービスを通じて良質な社会ストックの形成に貢献する不動産管理業の役割は、今後ますます大きくなっていくと考えています。

 官民連携の機運が高まっていることも、不動産管理業にとって成長の追い風です。指定管理者制度やPFI事業、コンセッション方式といったスキームを通じて公共施設の管理・運営が民間に開放されたことで、事業のチャンスが確実に増えています。

 ただし、不動産管理業を取り巻く環境はプラス面ばかりではありません。足元の大きな課題は、人手不足です。特に技術系の資格者は引き合いが強く、業務の拡大に応じた中途採用は難しい状況といえます。

 IoTやAI、清掃ロボットといったテクノロジーの導入が進められていますが、不動産管理業における対面サービスの重要性は今後も変わりません。人材確保に伴う人件費のコスト負担は厳しくなっています。

 これから先、新築物件の供給量が減少していくと、ゼネコンやデベロッパーなども既存物件を対象とするサービスに参入してくるでしょう。一部ではすでにそうした動きが見られます。果たすべき役割が大きくなる一方で、それを支える人材の確保や他社との競争は厳しくなっていく。それが不動産管理業の現状と展望です。

雜賀 克英 氏

雜賀 克英 氏

株式会社東急コミュニティー 代表取締役社長

埼玉県出身。1980年横浜国立大経営卒、東急不動産入社。2011年東急コミュニティー執行役員、13年取締役常務執行役員。同年東急不動産ホールディングス執行役員。14年東急コミュニティー取締役専務執行役員。16年より現職。

参議員会館や空港なども手がける

 東急コミュニティーの強みは、マンションやオフィスビルに留まらない、幅広い事業領域にあります。設立当初は東急不動産が供給するマンションの管理が中心でしたが、今やその割合は20%程度に過ぎません。商業施設、学校、公園、スポーツ施設、プラネタリウム、空港など、手がける物件は多岐にわたります。主にマンション、主にオフィスといった管理会社は数多くありますが、総合不動産管理会社として打ち出せる企業は少ないのです。

 行政に代わって公共施設の管理・運営を行う指定管理者としても業界トップクラスの実績を有し、2003年の制度開始以降、公営住宅や教育施設、文化・スポーツ施設など数多くの建物のマネジメントを行ってきました。PFI事業でも、参議院議員会館や文教施設など多様な実績があります。

マンションやオフィスに留まらない、幅広い事業領域が東急コミュニティーの強み

圧倒的No.1を目指す 支えるのは社員の力

雜賀 克英 氏

 東急コミュニティーグループの目指す姿は、総合不動産管理会社として圧倒的No.1になることです。創業50周年を迎える2020年には東京オリンピック・パラリンピックという一大イベントが開催されますが、そこが日本経済の曲がり角になる懸念も拭えません。それまでに圧倒的No.1の地位を確立し、盤石の体制を築きたい。その実現に向け、2017年より新中期経営計画をスタートさせました。

 「お客様満足・信頼度」「技術力」「労働環境」「事業領域・生産性」のすべてで圧倒的No.1を目指します。それを支えるのは、一人ひとりの社員の力に他なりません。良い人材を集めて教育し、良いサービスが提供できれば、さらに良い人材が集まる。そうした循環を創出するため、人材の厚みをさらに増すことを事業戦略の根幹に据えています。

 建物の資産価値の維持・向上のためには、建物を適切に管理していくことが必要であり、管理会社が担う役割は非常に重要です。業界のリーディングカンパニーとして、東急コミュニティーは今後も良質な社会ストックの形成に寄与していきます。

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東急コミュニティー

〒158-8509 東京都世田谷区用賀四丁目10番1号 世田谷ビジネススクエアタワー

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