Special Report“はかる”技術で未来を創る
東陽テクニカの新たなる挑戦

「東陽ソリューションフェア 2017」 9月7日(木)・8日(金)開催 [詳細はこちら]

Vol.1 自動車をはじめとする最先端の計測を担い、技術革新をリードする存在をめざす。株式会社東陽テクニカ 代表取締役社長 五味 勝

創業以来、高精度な計測技術を事業の核に、日本産業の発展に貢献してきた東陽テクニカが今、変革の時を迎えている。コネクテッドカーや自動運転などの進化を遂げつつある自動車分野、ネットワーク社会の必須要素であるセキュリティ分野という2分野に注力、新しい部門も設立し、事業を加速させようとしているのだ。9月に開催される「東陽ソリューションフェア 2017」では、この新しい東陽テクニカの全貌が披露されるという。2010年より同社を率い、変革を指揮する五味勝代表取締役社長に話をうかがった。

多種多様な計測を手がけ社会と産業を支えて続けてきた

 東陽テクニカは60年以上に亘り、“はかる”こと、つまり計測技術を日本の産業に提供してきた企業です。その特色は大きく二つあります。
 一つは、海外の最先端の計測機器や技術を日本のお客様のご要望に合わせてきめ細かくカスタマイズし、導入してきたこと。資源小国日本にとって、モノづくりは国力向上の必須要件と言われています。当社はより優れた計測技術やツールを世界に求め、それを日本の技術者や開発者に紹介することで、この「日本のモノづくり」を支援してきたと自負しています。現在も、全世界約20カ国・180メーカーとパートナーシップを結び、最先端の計測技術の提供を追求しています。
 もう一つは、極めて広範な分野の計測ソリューションを有していることです。当社の計測技術はナノイメージング、情報通信、機械制御/振動騒音、メディカル、海洋関連など、計測対象も計測手法も多岐に亘ります。これほど広い領域で計測に携わっている企業は類がないでしょう。社会のニーズや経済の潮流によって、需要の高い技術は変わりますが、当社はその変化にも迅速に対応してきました。例えば1980年代の通信ネットワークの創成期や1990年代のLANの黎明期には、課題解決に当社のアナライザが不可欠で、好調な業績を上げたことを鮮明に記憶しています。
 またアカデミズムの世界へも貢献しております。これまで数多くの大学や研究機関で製品を使っていただいており、販売だけではなく、技術セミナー・コンサルティング・システム構築といった各種導入支援や、導入後の保守・修理・校正にいたるまで、一貫して万全の体制でサポートをしています。記憶に新しいのは、2014年に日本人科学者3人が、高効率青色LEDの発明でノーベル物理学賞を受賞されたことです。3人の先生全員に利用いただいていたのが、この研究のために東陽テクニカが独自開発した測定装置です。受賞を知った際には、改めて計測を通じて社会的使命を果たすことができたと感慨深いものがありました。

2020年に向け自動車とセキュリティのソリューションを強化

自動車分野とセキュリティ分野への注力を語る五味氏。

 技術や社会ニーズの変化が激しい今は、当社にとって成長の大きなチャンスだととらえています。これまで蓄積してきた技術や情報、経験を土台に、従来にないソリューションを提供できると考えるからです。中でも注力しているのは自動車分野とセキュリティ分野です。
 自動車分野では、政府が2020年までに実用的な自動運転車の開発を提示するなど、今後劇的な技術革新が予想されます。かつては自動車開発の測定といえば、乗り心地、耐久性、電磁波干渉などに限定されましたが、今はそれよりはるかに多くの、複雑な測定をしなくてはなりません。自動車はハイテクの塊で、コネクテッドカーという概念からもわかるように、多数の情報が接続された通信端末的な性質も持っています。そこでは自動運転のための高度なセンシングや、低燃費化のためのエネルギーの精密なコントロールが必要です。そしてこれからは、ガソリン車だけではなく、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車にも対応しなければなりません。当社はこうした自動車に関するすべての計測技術を持っており、それらを融合してお客様ごとにカスタマイズしたソリューションを提供しています。
 そしてセキュリティ分野の需要も見逃せません。2020年の東京オリンピックに向けて、各所でネットワーク環境の急速な整備・拡充が進められています。そこでは、ネットワークの利便性を高めることと並行して、社会経済に甚大な被害を与えるサイバー攻撃への対策を講じるために行うセキュリティセンシングやソフトウェアの正常な動作確認など、様々な“はかる”技術を駆使したセキュリティ対策が非常に重要になってくるからです。

   

新しい東陽テクニカと未来の技術が見えるフェアを開催

 これらの強いニーズに対応すべく、2016年から2017年にかけ、社内に3つの新組織を設立しました。自動運転に代表される、多様な技術の複合・融合による価値創出をめざす「東陽テクニカ 技術研究所」、製品だけではなくサービス面からもセキュリティ対策のニーズに応える社内カンパニー「セキュリティ&ラボカンパニー」、オリジナル製品開発をめざす社内カンパニー「ワン・テクノロジーズ・カンパニー」の3組織です。
 新組織の設立においては、有能な社外人材の組織TOPへの導入、既存製品のカスタマイズや調整とは異なる一からの製品開発、サービス事業の推進といった、新たな挑戦をしています。いずれも一朝一夕に利益になる事業ではありませんが、将来に向けて一日も早く軌道に乗せ、お客様の課題解決、開発力向上などに貢献していきます。当社の顧客は、官公庁、独立行政法人、大学、企業、社団法人など、多岐に亘ります。それぞれのお客様の要望を正確に理解し、最適な計測技術を提供し続けることはもちろん、東陽テクニカ自ら新しいアイデアを具現化・提案し、未来の技術をリードする領域に踏み込んでいきます。
 こうした今の東陽テクニカを知っていただく絶好の機会が、9月に開催される「東陽ソリューションフェア 2017 ~最新計測が拓く、クルマの未来、セキュアな明日~」です。自動車、セキュリティの2分野を柱にしながら、東陽テクニカの過去、現在、未来の“はかる”技術をご紹介します。
 日本製品の高い品質の土台には精密な計測があり、東陽テクニカはそこに貢献してきました。今回のフェアでは、来場の方々に、当社の多彩な計測技術と、その活用法や可能性を知っていただきたいと考えております。加えて、新たな成長に挑む東陽テクニカをご覧にいれます。そこには必ず、来場されるお客様の事業に役立つ技術やソリューションがあり、ひいては日本の技術全体の動向も見えてくると思っております。

<次回予告>
次回、8月中旬公開のレポート後編では、東陽テクニカ 技術研究所 所長 木内健雄氏とセキュリティ&ラボカンパニー プレジデント 櫻井俊郎氏へのインタビューを通し、東陽テクニカの自動車ソリューション、そしてセキュリティソリューションの具体像と、そこでの新たなチャレンジに迫る。

東陽ソリューションフェア 2017