少子高齢化が進み、グローバル化やダイバーシティーへの対応が求められるなか、労働時間の短縮を目指す「働き方改革」が日本企業の大きなテーマとなっています。そもそも働き方改革というのは手段であって、目的ではありません。単に残業時間を削減すればいいというわけでなく、ワークライフバランスの実現や、働きがい・生きがいの向上につなげていくことが求められています。

とはいえ、何を働きがいと感じるかは個人によって違いますし、抱えている課題も企業によって異なります。改革の入り口は無数にあるなか、どこから手を着けるかによって、捉え方や方向性は大きく変わっていくでしょう。

「残業」「過労死」「賃金・給料」働く現場で注目されるキーワード

働き方改革に関連する話題として、Twitterでも盛んにツイートされているのが、「残業」「100時間」「過労死」「ブラック企業」などのキーワードです。その背景には、「今の働き方はどこかおかしい」という世間のコンセンサスがあるように見えます。

日常ツイートでも頻繁に表れるキーワード。働き方改革の根強い問題が見え隠れする

過労死ラインの80時間を超える、残業上限「月100時間未満」の合意が物議を醸した

働き方改革で残業がなくなった分、手当が減ったという文脈でのツイートが増えている

毎月最終金曜日に午後3時の退勤を推奨するキャンペーン。個人消費を喚起する目的でスタート

「残業」に関わるツイートでは、残業時間の単純な削減に懐疑的なものや、「働き方改革実現会議」の実行計画をまとめる際に出てきた「100時間」への批判的な意見が目立ちました。

過労死等防止対策白書(過労死白書)が公表された昨年10月には、「残業100時間超での過労死は情けない」との投稿がネットで炎上。Twitterでも、「100時間以上の残業も多く、記録に残らない時間も多い」「時間も問題だが中身の方が問題」といったツイートや、残業代に関して「100時間残業しても40時間分しかもらえない」「一切出ない」など、数々の意見が飛び交いました。

長時間労働の是正を目指す働き方改革にしても、仕事の絶対量や人手不足を解消しなければ、サービス残業を生むだけで、労働時間の短縮にはつながりません。ツイートを見ると、「深夜残業を減らすために早朝出勤型に切り替える」「平日早く帰るために土日に出勤する」など、個人で打てる対策を講じているものの、「根本の改革にはつながらず、むしろ労働時間は増えている」という意見も多く、改善が進まない実態が浮き彫りになっています。

一方で、「賃金」や「給料」に関するツイートが増えてきている点も気になりました。「残業を減らすと手取りが減るから仕方なしに残業する」という意見も見られました。企業側が残業削減を進めるのであれば、残業代のカット分を賃金のベースアップに回すなど、働く側のモチベーションを下げないような仕組みを考える必要があるでしょう。

ツイート数に見るプレミアムフライデーへの関心度
Key Word「プレミアムフライデー」
■関連ワードをCrimson Hexagonと呼ばれるツールで抽出
関連ワードをCrimson Hexagonと呼ばれるツールで抽出

「プレミアムフライデー」でTwitterのキーワード検索した際に、その関連ワードを抽出。パッと見ただけでも1つのテーマから多岐にわたる話題が展開されていることが分かる。ノイズも含めて、これが時代の空気を読み解くカギとなる

■ツイート例
ツイート例

「プレミアムフライデー」に関するツイートは賛否両論あるものの、取り組みに期待する声も多い。施策自体はまだ始まったばかりなので、採用する企業が増えれば、関連のツイートも増えてくるだろう。その意味でも、Twitterは時代を映す鏡といえる

働き方改革に関するトピックとして、Twitter上でも話題になったのが、「プレミアムフライデー」。実施初日の2月24日には、このワードを含むツイートが95万超にも上りました。

賛否両論あるなか、自分には関係ない、一部の大手企業だけの話だ、といった声も見られましたが、テーマとしては盛り上がったようです。第2回の3月31日には、2月に比べるとツイートの勢いは弱まるものの、依然17万以上のツイートがあり、プレミアムフライデーへの関心の高さがうかがえます。

プレミアムフライデーは個人の消費喚起を促すための施策ですが、働き方改革の一環としても期待されています。Twitterでも、早めに帰って家族とコミュニケーションを取るなどして、「日ごろのストレスが解消された」というツイートも散見されます。まだまだ数は多くないものの、働き方改革につなげようとする動きが働く現場で生まれていることも事実のようです。

Twitterでこういったワードを検索すると、社会的な課題や現象に対して、真剣な意見や、客観的な現状報告が多く見つかりました。Twitterには、働く現場の生の声があふれており、まさに時代の空気が可視化されているといえるでしょう。

働き方改革は、まだ始まったばかり。Twitterの生の意見を参考にしながら、改革のあり方を考えていきたいと思います。