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真に豊かな社会の実現に貢献できる人材を育成するために大学教育の改革を推進

2017年9月、流通科学大学は、日越の産官学を交えた「第1回ベトナム流
通シンポジウム」をベトナム・ホーチミン市にて開催した。その目的は、
日本の流通ノウハウを通じて、今後のベトナムにおける流通市場の拡大・
発展に寄与するというもの。開催のキーパーソンである同大学理事長
兼学長の中内潤氏は、シンポジウムでベトナムの「流通改革」を支
援する一方、学内でも「教育改革」を推進中だ。創立30周年に
向け、新たな挑戦を続ける流通科学大学の今を紹介する

大学4年間を実践的な学びの場へ。独自の教育カリキュラムを実施

商学部(経営学科/マーケティング学科)、経済学部(経済学科/経済情報学科)、人間社会学部(人間社会学科/観光学科/人間健康学科)の3学部、7学科、16コースで運営。生徒数は3432人(2017年5月現在)

「流通の近代化が世界平和につながる」という故・中内㓛氏の信念のもと、世界で唯一、流通を総合的に科学することを目的に創設された流通科学大学。建学の理念は脈々と受け継がれ、現在理事長兼学長を務める中内潤氏により、新たな実を結ぼうとしている。キーワードとなるのは、「夢の種」だ。それは、なりたい自分を実現させる種。大学生活の4年間は、その種を「探す」「育てる」「咲かせる」ためにあるとし、2015年度から異色の教育カリキュラム「夢の種プロジェクト」を実施している。

「プロジェクトの背景には、『将来何になりたい』という明確な目標を持つ学生がどれだけいるのか、という問いかけがありました。大学で学ぶ4年間は、この先数十年の生き方の指針を決める大切な時間。『なりたい自分』を早く発見し、その夢をかなえるための実践的な学びの場としてほしい。そうした想いから、抜本的な改革に取り組んでいます」と中内氏。

まず変えたのは、入学式。流通科学大学には毎年900人以上の新入生が入学するが、会場ではその全員が壇上に上がり、一言ずつスピーチを行うという。入学初日から当事者意識を持たせることが狙いだ。また、直後に編成される約40人のクラスは、学部・学科を混在させ、幅広い視野を醸成。クラス単位で1泊2日のキャンプをしたり、ショッピングセンターを見学するなどしてコミュニケーション力の向上を目指す。1年次前期は、先輩や卒業生との交流、企業から人を招いた講義、地域活動などを通じて見聞を広め、自分が何をしたいのかを「探す」時間に充てるというわけだ。

「最初の1年で見つけた“本当にやりたいこと”を学べるよう、2年次には学部・学科を自由に変更できるようにしました。2016年度は37名が転学部・転学科を果たしており、夢や目的意識を持たせるカリキュラムに成功の手応えを感じています」

夢の種プロジェクト
夢の種プロジェクト

企業人や経営トップとの交流機会が豊富

「探す」の次の段階である、「育てる」カリキュラムでは、専門性の高い「人材育成プログラム」や企業・地域とコラボレーションした「社会共創プログラム」を豊富に提供。ここでも一方的に教える教授型の授業はせず、スマホアプリを使った双方向型授業を採用するなど、自分で調べて考える“学習型”の教育に重点を置く。「ビジネスの世界に答えはなく、自分で見つけるしかない。その方法を学んでほしいと考えています」と、自らも実業界の第一線で活躍した中内氏は語る。

カリキュラムには、学長自身も積極的に携わる。例えば、「起業・ベンチャー型事業承継者育成プログラム」では、中内氏の人脈を生かした企業経営トップによる特別講演や、学内で起業家を育成するプログラムなどを実施。学生が現役経営者に対して起業アイデアをプレゼンする「Startup Judgement」も開催し、学生ベンチャーをさまざまな形で支援している。

「学生たちには名刺を持たせ、名刺交換のマナーやお礼状の書き方なども教えています。また、イベントの協賛の取り付けなども学生自らが行うことで、将来のビジネスに役立ててもらっている。もちろんうまくいくケースばかりではありませんが、失敗が許されるのも学生のうち。大学時代にたくさんの挑戦と経験を重ねておくことが大事なんです」

学生たちの成長は、企業や地域の温かいサポートがあってこそ。その恩返しも兼ね、流通科学大学では、年に1度のオープンカレッジ「ネアカ塾」や「ハロウィンパーティ」などを実施し、地域社会に貢献している。開催を主導するのは学生たち。協賛企業や地域の方々に喜んでもらえるよう、毎年多彩な趣向を凝らしているという。こうした外部との交流イベントは、今年ついに国境を越え、「第1回ベトナム流通シンポジウム」の開催につながった。

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