interview03 伊谷さん親子 企業が欲しい人材が育つ土壌がAPUにはあります 大手広告会社で執行役員を務め、営業の最前線に立つ、父。東京の一貫校で、ラグビー漬けの毎日を送っていた、息子。

APUを選んだ息子

都内にある小学校から大学までの一貫校に中学から通っていた。同じキャンパスに通う大学生たちを横目に見ながら、「東京の大学生」になるのはつまらないと考えていた。高校の担任だった英語の先生が、伊谷に向いていると熱心にAPUを勧めてくれ、進学を決意した。自分が心地よく感じる居場所に安住しがちだった自分が変わり、視野が広がったと感じている。

APUに送り出した父

大手広告会社の執行役員として、営業の最前線に立つ毎日。日本企業が今後グローバルマーケットで競争していくためには、本当の意味でダイバーシティーを理解できる人材が必要だと感じている。様々な人種、価値観の学生と交わる中で、息子はダイバーシティーを知るとともに、イノベーティブになってきたと目を細める。

「APUの学生は4年間で寛容を学ぶのです」
その言葉が素晴らしいと思いました

息子/伊谷祐太:僕はアジア太平洋学部(APS)の2回生で、もうすぐ3回生になります。高校は都内にある小学校から大学までの一貫校で、中学からその学校に入学しました。高校1年からラグビー部に入り、勉強はそっちのけで週6日は練習をしていたので、正直なところ英語はあまり得意ではありませんでした。でも、そんな僕に2年、3年と担任だった英語の先生が熱心に「伊谷はAPUに行け」と勧めてくださったんです。僕は人と喋るのが好きで、人の前に立つことにも物怖じしない性格なので、そのコミュニケーション能力の高さがAPUに向いていると先生はおっしゃいました。

そこまで言われると気になって仕方がないので、家族にAPUはどうだろうと相談したら、すでに知っていたのです。実は、5歳上の兄がいるのですが、兄が大学を受験する時にもAPUを対象として考えていたようです。結果的に兄は別の大学に進学したのですが、家族みんなが知っていて「APUはいいよ」と言われ、進学先として真剣に考えるようになりました。

父/伊谷以知郎:うちには祐太の5歳上の長男がおりまして、もともとAPUの情報は妻と長男が持っていました。祐太は大学までの一貫校に通っていたのですが、担任の先生が強くAPUのことを勧めてくださったのです。息子のいた高校のような一貫教育の学校では、まだAPUの知名度はそれほど高くはありません。でも、そういう中でその担任の先生が熱心に勧めてくださったので、家族がもともと知っていたということと合わせて、本人は興味を持ったようです。

私自身は東京駅のそばにある立命館東京キャンパスで開催されたAPUの説明会に行ったのが、父親として情報に直に触れた最初の機会でした。説明会が始まるまでAPUを紹介する映像が流れていたのですが、それを見てまず驚きました。多くの外国人の学生たちが、別府の商店街のご高齢の方々を巻き込んでとても楽しそうに交流していました。その姿を見て、こんな大学が日本にあるんだ、と驚いたのが第一印象です。そのあと、横山研治副学長がお話しされた内容にも感銘を受けました。「普通の大学は4年間で13カ月休みがある。でもAPUの学生は休みごとに留学したり、国内でもいろいろなプロジェクトに参加するので、休みがありません」とおっしゃったのです。これは他の大学とはまったく違うなと感じました。

それからもう1つ、「APUの学生は4年間で寛容を学ぶのです」とおっしゃいました。最初は寛容を学ぶというのがどういうことかピンとこなかったのですが、お話を伺っているうちに、この言葉はAPUという大学がどういう大学なのかを端的に表している、ということが理解できました。

APUを紹介するときには、いろいろな言い方ができると思います。例えば「ダイバーシティーの宝庫である」とか。でも、横山副学長は「4年間を通じて寛容を学ぶ」とおっしゃった。APUでは国籍、人種、文化、価値観が異なる学生、教員、大学職員の方が集まって混ざり合う中で、いろいろな軋轢も生じると思います。そのような環境の中で、4年間を通じて自分と価値観の違う人、育ち方の違う人、人種や文化が違う人を許容する力を身につけるのだという、その言葉は今思い返しても素晴らしいと思います。

なぜ息子にAPUを勧めたかというと、私は広告という業界で働いていますが、当然この業界にもグローバリゼーションの波が押し寄せていて、担当している日本企業でもグローバル展開のお手伝いをさせていただいています。そういう経験から、今後どのような仕事に就くにせよ、グローバルなコミュニケーション能力は仕事をやっていく上でとても重要で、それは単に英語が喋れるというものではないと思うからです。一番難しいのは、本当のコミュニケーションがちゃんと取れるかどうかというところなのですね。

そのためにはいろいろな答えがあると思いますが、1つはやっぱり真のダイバーシティーというものを理解しているかということです。相手の立場とか、価値観を理解し、その上でどうコミュニケーションするかという引き出しをいっぱい持っている人間が、やっぱり一番グローバルなコミュニケーション能力を発揮できると思います。そういう能力をAPUに入れば身につけられる可能性がある。

それからもう1つ、これからの社会はどうしても既成概念を打ち破るイノベーティブな力が必要だと思うのです。イノベーションはどこから生まれるかというと、やはりダイバーシティーの中から生まれます。1つの価値観から抜け出せずにそこに固執したり、過去の成功体験にこだわってしまうと、変革することができない。ところが、いろいろな価値観の中に混ざっていると、イノベーションが起こりやすい。イノベーションを起こせるような人間になってほしいということも含めて、祐太にはAPUがいいのではないかと思いました。

自分の主観的な意見だけを述べるのではなく
1つのことをいろいろな視点から捉えて話すことができるようになりました

息子/伊谷祐太:入学前に学校の先生や家族からAPUの話を聞いていて、漠然と国際学生がいっぱいいるところだろうな、というイメージは抱いていました。でも、実際に入学してみるとそれ以上でした。1回生の時には「APハウス」という学生寮にいました。APハウスは国際学生と国内学生が、当時約6対4の比率で国際学生のほうが多かったのですが、正直言うと最初は居心地悪く感じました。普段の日本の生活とは逆に、日本人のほうがマイノリティーだったからです。僕は一人部屋に入ったのですが、両隣がモンゴル人と中国人、向かいがネパール人という環境でした。なるべく部屋にはいないようにして、積極的にキッチンやフロアに出て行って国際学生と交わり、友人もたくさんできました。

そのおかげでしょうか。今でもまだ英語には自信を持てないのですが、APUに入学する前と比べると、英語でコミュニケーションをする力が随分向上したと思います。入学して最初の夏休みにセブ島に6週間短期留学して、ずっと缶詰になって英語を聞いたり話したりしたことも、かなり勉強になりました。

セブ島で語学留学の際、離島の小学校へボランティアに行きローカルな異文化を体験。

セブ島で語学留学の際、離島の小学校へボランティアに行きローカルな異文化を体験。

高校の時にずっとラグビーをやっていたので、今も体育会のラグビー部に所属しています。そのほかに、GASS(Global Admissions Student Staff)というオープンキャンパスを運営する学生団体にも入っています。GASSの活動は大好きです。オープンキャンパスの時に高校生やご家族に対応するのですが、やってくる高校生はみんな輝いています。APUの魅力を彼らに伝え、その輝きをAPUにつなげていくのが、僕らの役割です。そういうことに携われるのが、とても楽しいです。

入学してもうすぐ2年たちますが、高校の時の自分と比較して大きく変わったのは、価値観や視野が広がったことだと思います。僕はもともと、自分が一番居心地よいと感じる「コンフォートゾーン」から出たくないタイプなんです。高校生の頃までは自分の狭い世界の価値観が正しいと考えているところがあって、それに対して自信もあったんです。でも、APUに入ると、国際学生だけではなくて日本人の学生も、北は北海道から南は沖縄までいろいろなところから来ていて、ものの見方や価値観もそれぞれバラバラです。こんな世界もあるんだと、思い知らされました。

それまでは自分にははっきりした個性があり、コミュニケーション能力も高いと思っていたのですが、APUに来ると、周りの子たちのレベルの高さに埋もれてしまいそうでした。ある意味ショックだったのですが、そういう経験を経て視野を広げることができました。話をしていても自分の主観的な意見だけを述べるのではなく、1つのことをいろいろな視点から捉えて話すことができるようになりました。家族からは「それはAPUに行ったからできるようになったことだよ」とか、良い意味で「変わったな」と言われます。

APUのラグビー部に所属。九州2部リーグ公式戦での試合風景。

APUのラグビー部に所属。九州2部リーグ公式戦での試合風景。

父/伊谷以知郎:APUでは授業でグループワークをしたり、GASSの活動の中でも国際学生と国内学生が混ざり合ってディスカッションをする場面が日常的にあって、違う価値観やアイデアをどんどんぶつけ合うので、日本人にありがちな守りの姿勢は全く通用しない、ということを息子はよく言っています。

何か新しいこと、あるいは国際学生にも「その手があったか」と納得させるようなアイデアを、自分からどんどん打ち出していかないと負けてしまう。当然いろいろな軋轢が生まれてくると思いますが、それを授業の中で、あるいはGASSの活動の中で最終的には1つの方向にまとめ上げていかなくてはならない。そういうことを繰り返している中で、新しい考えを怖がらずに積極的に主張できる能力が、自然と身についてきたのではないかと思います。

そういう経験ができなかった世代の自分からしてみれば、本当に羨ましいですね。語学力は英会話学校に通うとか、そういう手段を取ればある程度身につけることはできると思います。でも、授業で学び課外活動で共同作業をする中で、腹を割って本当の意味でのコミュニケーションを実践していくという経験は、お金を出してもなかなかできないことです。それがAPUの他にない本当の良さであり、強みだと思います。

GASSの同期メンバーとの集合写真。2回生では1年間、副代表を務めた。

GASSの同期メンバーとの集合写真。2回生では1年間、副代表を務めた。

APUで身につくことは、将来どんな職業に就こうが必ず役に立つと、
私は確信しています

息子/伊谷祐太:APUへの進学を考えている高校生の中には、英語の学力に不安を感じている人もいると思います。でも、自分の体験からも断言できますが、APUは、最初は英語ができない学生でも、自分で貪欲にこの環境を活用し努力すればできるようになります。APUの環境や授業が英語力を向上させてくれます。だから、今英語が苦手だけれどチャレンジしたい人ほどAPUへの入学をお勧めします。

それから、APUを受験対象として考えている高校生に対しては「コンフォートゾーン」を一度出てみると、いろいろな発見があるということを伝えたいですね。僕も18年間東京にいて、変わらない環境で、それが当たり前だと思って生活してきました。でもその慣れた環境に居続けるのではなくて、新しい環境に入って自分自信の力でどうにか生きていくことが重要なんだと思います。僕自身も、今までとこれからの経験がいつか自信に変わってくれると信じています。キャンパスが大分県の別府という地方都市にあることも、とても大きな意味を持っていると思います。親元を離れて地方に来て、でもその中で国際的な学生と触れ合うことで、すごく成長できると思います。だから、「1回親元を離れてみなよ」と言いたいです。

高校の時の友人とは帰省した時に会って話をしたり、SNSでやりとりをしていますが、東京の大学に通っている友人たちと僕とは随分大学生活が違います。APUの授業ではグループワークが多くて、しかも国際学生と一緒です。GASSの活動でもそうなのですが、どうしても育った文化が違うのでいろいろなところで食い違いが出たり、意見が対立したりします。その中で何度も議論して、ようやく意見が交わる点を探し出して、1つのものをみんなで作りあげていきます。そういうことを日常的に繰り返すことが、グローバルな世界で仕事をしていく上での思考の訓練として、とても大事だと思います。

4回生になったら1年間休学して、どこかに留学したいと考えています。その準備を3回生の間にするつもりです。留学先では映像やコンピューターサイエンス関係のことを学びたいと思っています。先輩からそういう分野は北欧のフィンランドやノルウェー、デンマークなどが強いと聞いていますし、アメリカも視野に入っているのですが、まだどこに行くかは決めていません。

父/伊谷以知郎:本人がこれから何をしていくかということは、まだ模索中だと思います。今、息子に伝えたいことは、せっかくこんな素晴らしい環境にいるのだから、APUにいるメリットを最大限に生かしてほしい、ということです。APUで身につくことは、将来どんな職業に就こうが必ず役に立つと、私は確信しています。

私は広告でクライアントのモノやサービスを、狭義の広告という手段を超えてコミュニケーションする、いろいろなお客様にその良さを伝える、という仕事をさせていただいています。そのときに大事なのは、「Unique Selling Proposition(USP)」、つまりその商品やサービス独自の「価値」の提案があるかどうかです。

そういうことから考えても、APUは他の大学に比べると、一言で「うちの大学はこうです」という強い主張があります。他の大学には無い、無比のユニークさがあることが最大の強みです。それは、繰り返しになりますが、国内外を問わず主義や主張の異なる人の中に混ざって、その人たちと向き合って議論して、まとめ上げていく経験を日々できることだと思います。

私が働いている会社では、それぞれの分野のスペシャリストがみんなでディスカッションをして、アイデアを出し合って、1つのソリューションにまとめ上げてクライアントに提供するわけです。そういう自分の仕事を振り返ってみても、やっぱりこういう人材が欲しいという学生が育つ土壌が、APUにはあると思います。だから、息子にもそういうことを日々意識して、将来に備えてほしい。

この春、昨年9月にAPUを卒業したインド人男性が新卒で弊社に入ってきます。インド・ニューデリー出身で母国語はヒンディー語です。もちろん英語も得意ですが、最初日本に来たときには全く日本語が話せなかったようです。でもAPUでの4年間を通じて、今では日本語も本当に流暢に話せますし、読み書きのスキルもすごく高い。私は彼をグローバルに通じる電通のビジネスマンとして、大事に育てたいと考えています。

これは私の勝手なイメージですが、まず、海外に進出している日本企業を2~3年、日本人社員と混ざって日本で担当してもらい、日本のビジネスマンとしてのマインドセットを身につけてもらいたいと思います。その後、母国のインドに限らず、欧米やアジアに赴任して、現地で奮闘している日系企業のサポートをしてもらったら、素晴らしい活躍ができると思います。このような機会が増えれば、言うまでもなく日本人社員にとっても有益です。日常でダイバーシティーを体験できるのですから。

うちの会社にはまだAPUの卒業生が入社していないので、今年はうちも会社説明会に行かせてもらうことにしました。そうやって機会を作って、こんなに素晴らしい学生が育つAPUから一人でも多く学生を採るチャンスを増やしていきたいと考えています。

GASSが企画・運営するオープンキャンパスの親子対談企画に父と出演。右は母。

GASSが企画・運営するオープンキャンパスの親子対談企画に父と出演。右は母。

CONTENTS

株式会社コンシリウム 代表取締役。東京藝術大学美術学部大学院修了 西洋美術史専攻。日経アート編集長、日経デザイン編集長などを歴任。

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株式会社コンシリウム 代表取締役。東京藝術大学美術学部大学院修了 西洋美術史専攻。日経アート編集長、日経デザイン編集長などを歴任。